「ビタミンCの多い食べ物」はご存知ですか?過剰摂取すると現れる症状も解説!

ビタミンCの多い食べ物とは?Medical DOC監修医が一日の摂取量・効果・不足すると現れる症状・不足しやすい人の特徴・過剰摂取すると現れる症状・効率的な摂取方法などを解説します。

監修管理栄養士:
田中 純子(管理栄養士)
目次 -INDEX-
「ビタミンC」とは?

ビタミンは全部で13種類あり、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分類されています。ビタミンC(アスコルビン酸)は水溶性ビタミンの一種です。コラーゲンの合成をサポートし、丈夫な血管や筋肉、皮膚を作るのを助ける栄養素です。
ビタミンCの一日の摂取量

必要なビタミンCは、年齢や性別によって異なります。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
(推奨量)
男性(18歳以上)100mg/日
女性(18歳以上)100mg/日
妊娠(付加量) ₊10mg/日
授乳婦(付加量)₊45mg/日
日本人のビタミンCの1日摂取量の男女平均は「令和5年国民健康・栄養調査」によると87mg/日となっています。ビタミンCは身体への吸収率が高く、1日200mgまでであれば90%が体内に取り込まれます。しかし、200mg超過後、吸収率は次第に低下します。そのため、野菜・果物・サプリメントは、適量を摂取するようにしてください。
ビタミンCの効果

コラーゲン合成
ビタミンCはコラーゲン生成において補酵素として働きます。肌のハリや弾力を維持するために欠かせない栄養素です。コラーゲンは、肌の構造を支える重要なタンパク質であり、その量が減少するとシワやたるみが目立ち始めます。
鉄の吸収促進
ほうれん草や納豆などの植物性食品に含まれている鉄は「非ヘム鉄」と呼ばれ、タンパク質やビタミンCと組み合わせることで吸収率が高まります。そのため、貧血の予防や改善にはビタミンCが豊富な食品を摂ることが大切です。
代謝のサポート
ビタミンCは肝臓の機能を補助し、活性酸素から守る抗酸化作用があります。また、アルコール代謝を助け、肝臓に負担がかかった際の修復を促進します。
創傷治癒
ビタミンCはコラーゲンの生成に不可欠であり、コラーゲンは創傷部位の修復に欠かせないタンパク質です。ビタミンCが不足すると創傷治癒が遅れてしまう可能性があります。
抗酸化作用・感染抵抗作用
ビタミンCの抗酸化作用により、LDLコレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化の抑制に有効です。また、ビタミンCは免疫力を高め、癌や感染症予防に寄与する可能性があります。
ビタミンCの多い食品

赤ピーマン
赤ピーマン1/4個30gにビタミンCが51mg含まれています。サラダに生のままスライサーで薄切りにして散らすと、とてもカラフルなサラダになります。
じゃが芋・さつま芋
じゃが芋1/4個50gにビタミンCが14mg、さつま芋1/4個50gにビタミンCが15mg含まれています。芋に含まれるでんぷんがビタミンCを保持するため、調理でのビタミンCの損失が抑えられます。料理の付け合わせに、じゃが芋料理を一品添えてみてはいかがでしょうか。
いちご
いちご5粒75gにビタミンCが47mg含まれています。ビタミンCは水溶性のため、へたを取ってから洗うと、そこからビタミンCが流出しやすいです。へたをつけたまま、さっと洗いましょう。また、ビタミンCは熱に弱いため、ジャムより生のままがお勧めです。
柑橘類
オレンジやレモンに代表される柑橘類に多く含まれています。皮を細かく切って、手作りの焼き菓子に混ぜるのもお勧めです。
緑茶類・焼き海苔
緑茶3g150ccにはビタミンCが約3mgが含まれています。緑茶は非発酵茶のため、発酵茶(烏龍茶や紅茶)よりビタミンCは豊富です。ビタミンCは還元力が強く、酸化防止剤としても使われてます。例えば、ペットボトル入りの緑茶には綺麗な色を保つためにビタミンCが入っています。海苔は1日2枚位(6g)が適量(ビタミンCは約13mg)とされています。
ビタミンCが不足すると現れる症状

壊血病
ビタミンCはコラーゲン合成において補酵素として働きます。不足するとコラーゲン合成が抑制されるため、血管がもろくなり、壊血病になることがあります。壊血病は皮下の血液斑・極端な疲労・歯肉炎・身体からの腐敗臭と様々な症状が出る病気です。一般的に、ビタミンCを10mg/日程度摂取することで、壊血病を予防できます。
骨形成不全
ビタミンCは、骨形成に関与する栄養素の一つです。特に閉経後の女性は、ホルモンバランスの変化により骨密度が低下しやすくなります。ビタミンCの補給は骨の健康維持に寄与する可能性がありますが、骨粗鬆症の予防には、ビタミンC単独ではなく、カルシウムやビタミンDの摂取、適度な運動、ホルモンバランスの管理など、総合的な対策が重要です。
ストレス・不眠
ビタミンCは「抗ストレスホルモン」とも呼ばれ、不足するとアドレナリンの合成量が減り、ストレスを感じやすくなる可能性があります。また、セロトニンの合成量も減り、睡眠不足やうつ病に陥る場合があります。
ビタミンCが不足しやすい人の特徴

妊婦・授乳婦
妊娠は胎児の身体を作るために、多くの血液が必要になり、鉄が通常の成人よりも必要になります。鉄の吸収率をUpさせるビタミンCが不足すると、倦怠感や動悸、息切れなどを伴う「鉄欠乏性貧血」になりやすくリスクが高まります。また、妊娠中はメラニン色素が増えてシミ・そばかすができやすくなる傾向があります。ビタミンCは、メラニン色素を無色化して肌を白くする働きがあります。産後は母乳の質を良くするためにも、鉄分・葉酸・ビタミンC・ビタミンD・カルシウムを意識して摂るようにしてください。
飲酒者
ビタミンCは、二日酔いの原因ともなる「アセトアルデヒド」の分解を促進する働きがあります。そのため、ビタミンCの消費も早くなります。飲酒後にビタミンCを摂ることは肝臓を守る上で有効です。症状緩和と水分補給のために、緑茶はお勧めです。
喫煙者
喫煙者は、腸壁からのビタミンCの吸収率が低下する上に、体内でのビタミンCの代謝が早まるため、非喫煙者に比べてビタミンCの不足リスクが高いです。喫煙によりビタミンCの消費が増えるとされており、喫煙量に比例して欠乏リスクが高まります。
ビタミンCを過剰摂取すると現れる症状

過剰摂取をしても消化管からの吸収率が低下し、尿中排泄量が増加するため、一般的に過剰
摂取の心配は殆どありません。
腎機能障害
ビタミンCの一部は、体内でシュウ酸に変化します。尿中へのシュウ酸排泄量が増加すると腎臓への負担や腎結石のリスクを高める可能性があります。慢性腎臓病の方は適切なビタミンCの摂取量を守ることが大切です。
胃腸障害
一度にビタミンCを大量に摂取をすると人によっては、胃腸への影響が起こり、吐き気・下痢・腹痛などをもよおします。
ビタミンCの効率的な摂取方法

ビタミンCと一緒に摂取すると効果を高める栄養素・食品
ビタミンCとビタミンEは抗酸化作用のあるビタミンであり、脂質の酸化を防ぐ働きがあります。ビタミンCのみで摂取すると余剰分は尿中に排出されますが、ビタミンEと一緒に摂取することで排出されることなく抗酸化作用が持続されます。例えば、ブロッコリー(ビタミンC)とピーナッツ(ビタミンE)を和えた一品はお勧めです。
ビタミンCと一緒に摂取すると効果を下げる栄養素・食品
生の人参にはビタミンCの吸収を弱めると言われている「アスコルビナーゼ」という酵素が含まれています。「アスコルビナーゼ」は酸や熱に弱い性質を持つため、酢の入った調味料(マヨネーズ・ポン酢・ドレッシング)と合わせるとビタミンCの分解を防いで食べることができます。
ビタミンCの効果を高める摂取タイミング
空腹時に摂取すると、ビタミンCの吸収速度は早まりますが、必ずしも吸収量が少なくなるわけではありません。一方、満腹時には吸収が緩やかになるため、場合によっては吸収効率が高まることもあります。サプリメントや補助食品からビタミンCを摂取する際は、毎食後に摂取することで安定した吸収が期待できます。また、ビタミンCは熱に弱いため、熱湯でサプリメントを服用することは避け、常温の水などで摂取するようにしましょう。さらに、ビタミンCは体内に長時間留まりにくいため、こまめに分けて摂取することが無駄なく活用するポイントです。
「ビタミンCの食べ物」についてよくある質問

ここまでビタミンCの食べ物などを紹介しました。ここでは「ビタミンCの食べ物」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
ビタミンCが多く含まれているフルーツを教えてください。
田中 純子
「ゴールデンキウイ」と呼ばれる果肉が黄色のキウイは、「グリーンキウイ」と呼ばれる果肉が黄緑のキウイよりも甘みが強く、ビタミンCも2倍と豊富です。また、キウイに含まれているタンパク質分解酵素「アクチニジン」はお肉を軟らかくする働きがあるため、下ごしらえに使用したり、お肉と一緒に召し上がることで消化を良くしてくれます。
ビタミンCを簡単に摂取する方法はありますか?
田中 純子
ビタミンCは野菜や果物に多く含まれています。しかし、調理法によっては、ビタミンCは減少してしまうため、注意が必要です。水溶性ビタミンは一般的に、酸には強いけれど熱には弱く、炒めると消耗してしまいます。また、水溶性のため、煮汁などに溶け出します。そのため、生で召し上がる果物やジュース・サラダなどが一番良い摂取方法です。日頃から食事が不規則で、野菜や果物の摂取量が少ない時は、サプリメントでビタミンCを補うことも効率的です。
編集部まとめ
ビタミンCは体内で合成できない栄養素のため、食事からの摂取が重要です。また、摂取後、2〜3時間ほどで体外への排出されてしまうため、日々の食事からこまめに摂り入れることが大切です。抗酸化作用のあるビタミンCを摂取して、お肌の再生や身体の免疫力を高めていきたいですね。
「ビタミンC」と関連する病気
「ビタミンC」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
ビタミンCと関連する病気
- 壊血病・歯肉炎・動脈硬化・腎臓病・がん
「ビタミンC」と関連する症状
「ビタミンC」と関連している、似ている症状は13個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。




