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「ポリフェノールを摂りすぎると現れる症状」はご存知ですか?【管理栄養士解説】

 公開日:2025/09/22

ポリフェノールを摂りすぎるとどうなる?メディカルドック監修医が解説します。

西城戸 仁美

監修管理栄養士
西城戸 仁美(管理栄養士)

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短大卒業後、一般企業にて事務職に従事。リーマンショック後、専門学校で学び栄養士免許修得。高齢者施設勤務時代に管理栄養士国家試験合格。現在は、施設での給食管理のほか、特定保健指導や食事指導、衛生管理指導などに従事している。

※この記事はメディカルドックにて『「ポリフェノールを摂りすぎると現れる症状」はご存知ですか?管理栄養士が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

「ポリフェノール」とは?

「ポリフェノール」とは?

ポリフェノールは、植物由来の苦味や色素を持つ化合物で、「酸化を防ぐ働き=アンチエイジング効果」が期待される成分です。その種類は数千種類以上もあると言われ、体に与える影響は様々です。大豆や果物に多いイソフラボン・緑茶に多いカテキン・赤ワインやお茶に多いタンニン・ごまに多いセサミンなどが代表的な物としてあげられます。消化酵素を阻害するため、調理では取り除いたほうが良いとされてきました。しかし、近年では強い抗酸化作用が、体内の活性炭素の働きを抑制し、生活習慣病の予防に役立つことで注目されています。

ポリフェノールの一日の摂取量

ポリフェノールの一日の摂取量

摂取量の研究が進められていますが、1日あたりの基準は明確ではなく「日本人の食事摂取基準(2025年版)」にも記載はありません。しかし、健康の維持増進のためには、1日あたり1000~1500mgが良いと言われています 。コーヒー1杯中のカフェインは約70~140mgなので、コーヒーに換算すると3~5杯程度になります。

ポリフェノールの効果

ポリフェノールの効果

動脈硬化の予防

動脈硬化の原因のひとつに、LDLコレステロールの増加があります。カカオに多いカカオポリフェノール、卵黄や色の濃い葉物野菜に多いルテインや、大豆に多いイソフラボン、果物のフラボノイドには、血中のLDLコレステロールを下げる効果があることがわかってきました。特に閉経後の女性の脳梗塞や心筋梗塞の罹患リスクが低下すると報告されています。適正なLDLコレステロール値維持により、動脈硬化の予防が期待でき、さらに脳梗塞や心筋梗塞などのリスクが下がります。しかし動脈硬化は、食事・運動不足・多量飲酒・肥満・喫煙習慣なども関連しますので、ポリフェノールの摂り方以外に、生活習慣全般に着目する必要があります。

がんの予防

ポリフェノールには、がんのリスクを低下させる可能性があるという研究結果がいくつかあります。例えば、コーヒーを飲む習慣がない人の肝がん発症率を100%とすると、週に1~2回飲む人は75%、毎日5杯以上飲む人は24%に減少したとの研究があります。また、緑茶のカテキンや大豆のイソフラボンには、一部のがんリスクを下げる可能性が示唆されています。 ただし、これらの効果は食事や生活習慣全体の影響が大きく、ポリフェノールのみで効果を期待するのは不十分です。摂りすぎは健康を害する場合があるため、適量を心がけることが重要です

アンチエイジング

ポリフェノールの抗酸化作用は、しわやたるみを予防する効果があると言われています。緑茶や赤ワインに多いカテキンやコーヒーに多いクロロゲン酸には、コラーゲンを活性化させる報告のほか、大豆に多いイソフラボンやごまに多いリグナンは、女性ホルモンに似た働きによる美肌効果、ブドウの皮やベリー類に含まれるエラグ酸には美白効果があると言われています。 このように、ポリフェノールと言っても、種類や効果は様々です。いろいろな食品から摂取すると、ポリフェノール以外の食品成分も、少しずつ摂ることが可能になります。

ポリフェノールを過剰摂取すると現れる症状

ポリフェノールを過剰摂取すると現れる症状

貧血と便秘

赤ワイン・コーヒー・お茶・柿などに多く含まれている「タンニン」の摂りすぎは、鉄の吸収を妨げたり、腸の動きを抑えたりする働きがあるため、貧血や便秘に繋がりやすくなります。食事の前後は、タンニンを多く含む飲料を避けた方が良いでしょう。また、アルコールやカフェインには、水分を排出する働きがあるため、水も一緒に飲むことをお勧めします。タンニンの過剰摂取だけでなく、アルコールやカフェインの過剰摂取に繋がるため、ワインなら1日1杯、コーヒーなら1~2杯にとどめると良いでしょう。不調を感じた際は、内科を受診するのがおすすめです。

歯が黄ばむ

ポリフェノールは色素成分のため、タンパク質と結びつくと色素が沈着し、歯が黄ばんでしまいます。飲食後はできるだけ早く口をゆすいだり、食後の歯磨きをしっかり行うことが大切です。色素が落ちにくいときは、歯科医に相談するのがお勧めです。

【妊娠中の女性】ポリフェノールを過剰摂取すると現れる症状

【妊娠中の女性】ポリフェノールを過剰摂取すると現れる症状

胎児の早期動脈管閉鎖

ポリフェノールを過剰に摂取すると、胎児に早期動脈管閉鎖のリスクが生じる可能性があるとされています。動脈管の閉塞や狭窄により、胎児が心不全や肺高血圧症を起こし、最悪の場合死亡につながることもあります。そのため、異常を感じた場合は速やかに主治医に相談してください。 妊産婦向けのカフェインレスのお茶にもポリフェノールが含まれることが多いため、摂取量には注意し、バランスの良い食事を心がけましょう。

新生児遷延性肺高血圧症

出生後、肺に繋がる動脈が拡がらず、肺高血圧症から心不全やなどをおこし、機能障害や死亡につながることもあります。少しでも異変を感じたら、直ちに主治医へ相談しましょう。 妊産婦に良いとされるカフェインレスのお茶にも、ポリフェノールが含まれていることが多いため、摂りすぎないことが大切です。

「ポリフェノールを摂りすぎると」についてよくある質問

「ポリフェノールを摂りすぎると」についてよくある質問

ここまでポリフェノールを摂りすぎるとどうなるかについて紹介しました。ここでは「ポリフェノールを摂りすぎると」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

ポリフェノールが一番多い食べ物について教えてください。

西城戸 仁美西城戸 仁美

赤ワイン1杯(約150ml)には100~150mgのポリフェノールが含まれ、コーヒー1杯(約150ml)には約200mgのポリフェノールが含まれています。また、抹茶や玉露にも多く含まれており、野菜ではごぼうやほうれん草、ブロッコリーなどに含まれていますが、飲料に比べると含有量は少なめです。

編集部まとめ

ポリフェノールには抗酸化作用がありますが、その一種であるタンニンを取り過ぎてしまうと貧血や便秘に繋がることがあります。ポリフェノールを効率よく、たくさん摂ろうとすると、アルコールやカフェインの摂りすぎにもつながります。また、妊娠後期の女性が、ポリフェノールを摂りすぎれば、胎児だけでなく新生児にまで影響を及ぼしてしまいます。特定の飲料や食品だけを飲んだり食べたりするのではなく、様々な食品からバランス良く食事をとることが大切です。

「ポリフェノール」と関連する病気

「ポリフェノール」と関連する病気は2個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

胎児の病気

  • 早期動脈管閉鎖

新生児の病気

  • 新生児遷延性肺高血圧症

「ポリフェノール」と関連する症状

「ポリフェノール」と関連している、似ている症状は2個ほどあります。 各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。 成人では、ポリフェノールに関連している症状は、2つあります。

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この記事の監修管理栄養士