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血糖値が上がりやすいのは「朝食を抜く」「夜遅くの夕食」どっち?医師が徹底解説!

 公開日:2026/05/11
血糖値スパイクの原因

血糖値が上がりやすいのは「朝食を抜く」「夜遅くの夕食」どっち?メディカルドック監修医が血糖値スパイクの原因や上がりやすい食べ物などを解説します。

村上 友太

監修医師
村上 友太(医師)

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【経歴】
医師、医学博士。
福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学脳神経外科学入局。星総合病院脳卒中センター長、福島県立医科大学脳神経外科学講座助教、青森新都市病院脳神経外科医長、東京予防クリニック院長を歴任。現在は神宮前統合医療クリニックなどで脳機能向上、認知症予防を中心に診療している。
【資格・所属】
日本脳神経外科学会専門医
日本脳卒中学会専門医
日本抗加齢医学会専門医
日本健康経営専門医

血糖値とは?

血糖値とは?

血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度のことを指します。
私たちが食事をすると、炭水化物は消化・吸収されてブドウ糖となり、血液中に取り込まれます。
この血糖値を調整するのが、膵臓から分泌される「インスリン」というホルモンです。食後に血糖値が上昇すると、膵臓のβ細胞がこれを感知し、インスリンが分泌されます。インスリンは肝臓や筋肉、脂肪組織に働きかけてブドウ糖の取り込みを促し、血糖値を適切な範囲に保つ役割を担っています。

血糖値スパイクとは?

血糖値スパイクとは?

血糖値スパイクとは、食後に血糖値が急激に上昇し、その後比較的急速に低下するなど、血糖値の変動が大きくなる状態を指します。
通常、血糖値は食後に緩やかに上昇し、時間をかけて低下します。しかし、血糖値スパイクが起こる場合は、上昇と低下の幅が大きくなりやすいことが特徴です。
このような血糖変動の大きさは、酸化ストレスや血管内皮機能に影響を与える可能性が指摘されており、長期的には動脈硬化や糖尿病リスクとの関連が報告されています。
また、血糖値スパイクは空腹時血糖が正常範囲でも見逃されることがあり、食後血糖の評価が重要となるケースもあります。

血糖値スパイクを引き起こす原因

血糖値スパイクを引き起こす原因

糖質の多い食事(高GI食品)

糖質を一度に多く摂取することは、血糖値スパイクの主要な要因の一つです。特に白米や白いパン、麺類などの精製された炭水化物は、食物繊維が少なく消化吸収が速いため、血糖値が上がりやすいとされています。
また、清涼飲料水やエナジードリンクなどの液体の糖質は吸収が速く、食後血糖の急上昇につながることがあります。

朝食を抜く(空腹時間が長い)

朝食を抜くことで空腹時間が長くなると、次の食事後の血糖値が上昇しやすくなることが知られています。
長時間の空腹により遊離脂肪酸が増加し、インスリンの働きが一時的に低下することも関与すると考えられています。

運動不足・筋肉量の減少

骨格筋は、インスリン作用下においてブドウ糖を取り込む主要な臓器の一つです。運動不足や加齢による筋肉量の低下は、食後血糖の上昇を招きやすくなります。
食後の軽い運動(ウォーキングなど)は、血糖値の上昇を抑える効果が報告されており、座りっぱなしの時間を減らすことも重要とされています。

インスリン抵抗性(効きにくさ)

内臓脂肪の蓄積などにより、細胞がインスリンに反応しにくくなる「インスリン抵抗性」が生じることがあります。
この状態では血糖値を下げるためにより多くのインスリンが必要となり、血糖値の変動が大きくなる要因となります。

早食いと食べる順番

食事のスピードや食べる順番も、血糖値に影響します。早食いは血糖値の急上昇につながりやすいことが知られています。
また、野菜やタンパク質を先に摂り、炭水化物を後にすることで、血糖値の上昇を緩やかにできる可能性があります。

慢性的なストレスと自律神経の乱れ

ストレスにより分泌されるコルチゾールやアドレナリンは、血糖値を上昇させる作用があります。また、インスリンの働きを弱める方向に作用することもあります。
さらに、睡眠不足はインスリン感受性の低下と関連することが報告されており、生活リズムの乱れも血糖コントロールに影響します。

血糖値スパイクを引き起こしやすい人の特徴

血糖値スパイクを引き起こしやすい人の特徴

血糖値スパイクは、肥満のある人だけでなく、見た目が痩せている人にも起こることがあります。

肥満ではないが「内臓脂肪」が蓄積している人

BMIが正常範囲でも内臓脂肪が多い場合、インスリン抵抗性が生じやすくなります。特にアジア人は比較的少ない脂肪蓄積でも代謝異常を起こしやすいとされています。

遺伝的にインスリンの分泌能力が低い人

日本人を含む東アジア人は、インスリン分泌能が欧米人と比較して低い傾向があるとされており、肥満が軽度でも糖代謝異常を起こすことがあります。

食後の強い眠気を感じる人

食後に強い眠気を感じる場合、血糖値の変動が関与している可能性もあります。ただし、睡眠不足や食事量など他の要因も関係するため、単独での判断は難しい点に注意が必要です。

運動習慣がない人

日常的に身体活動が少ない場合、筋肉による糖の利用が低下し、食後血糖が上昇しやすくなります。

慢性的な睡眠不足と高ストレス環境にいる人

睡眠時間が短い場合や不規則な生活は、インスリン感受性の低下と関連することが知られています。夜勤や交代勤務なども血糖変動に影響します。

血糖値スパイクを引き起こしやすい食べ物

血糖値スパイクを引き起こしやすい食べ物

白米・白パン・うどん

精製された炭水化物は消化吸収が速く、血糖値を上げやすい食品です。

甘い飲み物(ジュース・スポーツドリンク)

液体の糖質は吸収が速く、血糖値の急上昇につながることがあります。

じゃがいも・にんじん・コーンなどの野菜

これらは比較的GI値が高めの食品であり、摂取方法や量によっては血糖値に影響する可能性があります。

お菓子や加工食品

砂糖や精製炭水化物を多く含む食品は、血糖値を上げやすいため注意が必要です。

麺とご飯のセットなどの「ダブル炭水化物」

炭水化物が重なる食事は、総糖質量が増えるため血糖値の上昇が大きくなる傾向があります。

血糖値が上がりやすいのは「朝食を抜く」「夜遅くの夕食」どっち?

血糖値が上がりやすいのは「朝食を抜く」「夜遅くの夕食」どっち?

結論として、どちらも血糖値スパイクの要因となり得ます。
朝食を抜くと、次の食事で血糖値が上昇しやすくなることが報告されています。一方で、夜遅い時間の食事は、体内時計の影響により耐糖能が低下している時間帯にあたるため、血糖値が上がりやすくなる可能性があります。
そのため、朝食を適度に摂り、夕食の時間を遅くしすぎないことが重要です。

「血糖値スパイクの原因」についてよくある質問

「血糖値スパイクの原因」についてよくある質問

ここまで血糖値スパイクの原因について紹介しました。ここでは「血糖値スパイクの原因」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

血糖値スパイクの治し方について教えてください。

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

血糖値スパイクは、生活習慣の見直しによって改善が期待できます。
・食べる順番の工夫
食物繊維やタンパク質を先に摂ることで、血糖値の上昇を緩やかにする効果が期待されます。
・食後の軽い運動
食後のウォーキングなどは血糖値の上昇を抑えるのに有効とされています。
・分食の活用
長時間の空腹を避けるため、軽い補食を取り入れる方法も有効な場合があります。

まとめ 食事の内容・タイミング・生活習慣を整えて血糖値を安定させましょう

血糖値スパイクは、食事内容だけでなく、食べ方や生活習慣とも深く関係しています。
・空腹時血糖だけでなく、食後血糖も重要
・食事のタイミングや順番を意識する
・運動習慣を取り入れる
これらを意識することで、血糖値の安定化につながります。日々の生活の中で無理のない範囲から取り入れていきましょう。

「血糖値スパイク」と関連する病気

「血糖値スパイク」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

血糖値スパイクは自覚症状がないまま血管にダメージを与えて、将来的な生活習慣病や脳血管疾患などの引き金となります。

「血糖値スパイク」と関連する症状

「血糖値スパイク」と関連している、似ている症状は9個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

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  • 食後の頭痛やだるさ
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食後の「単なる疲れや眠気」だと思っている症状の裏には、血管を傷つける血糖値の乱高下が隠れているかもしれません。

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