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【長寿大国日本】100歳以上の高齢者が9.2万人、53年連続で最多更新

 公開日:2023/10/03
100歳以上の高齢者は9.2万人 53年連続で最多更新

9月15日、厚生労働省は「全国の100歳以上の高齢者が9万2139人に上り、53年連続で過去最多を更新した」と発表しました。この内容について、中路医師に伺いました。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

今回発表された内容とは?

厚生労働省が発表した内容について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

今回紹介するのは、厚生労働省が2023年9月15日に発表した情報についてです。厚生労働省によると、住民基本台帳に基づく2023年9月15日時点の集計で、全国の100歳以上の高齢者は、昨年より1613人多い9万2139人であることがわかりました。これは53年連続で過去最多を更新した形です。

男女の比率を見てみると、女性が8万1603人と全体の9割近くを占めていることもわかりました。人口10万人あたりの100歳以上の割合は73.74人でした。都道府県別に見てみると、島根県が155.17人で11年連続最多となり、高知県が146.01人、鳥取県が126.29人と続いています。人口10万人あたりの100歳以上の割合が最も少なかったのは埼玉県で44.79人でした。なお、埼玉県に次いで愛知県の47.69人、千葉県の50.22人の順になっています。また、国内で最も高齢となった女性は116歳で、男性は111歳でした。

100歳以上の高齢者の人数を巡っては、統計を取り始めた1963年はわずか153人でしたが、1981年に1000人、1998年には1万人を突破しています。そして、2012年には5万人を超えて現在も増え続けています。

今回の発表内容への受け止めは?

厚生労働省の発表で100歳以上の高齢者が53年連続で最多を更新していることがわかりましたが、今回の発表に対する受け止めを教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

高齢化に伴う諸問題もありますが、動脈硬化性疾患・骨粗鬆症(骨粗しょう症)・認知症などに関する医療の進歩などにより、人生を長く生きられる長寿の方が増えてきているのは、大変喜ばしいことです。人生100年時代の超高齢社会である日本を象徴しているデータであると考えられるでしょう。

高齢者が健康に過ごすために必要なことは?

高齢者が長生きする中で、できる限り健康に過ごすことはQOLの観点からも大事なことだと思います。高齢者が生き生きと生活するためにはどのようなことに気を付ける必要があるのでしょうか?

中路 幸之助 医師中路先生

いくら長生きをしても、高齢者の生活の質(QOL)が保たれていなければなりません。WHOが提唱した「自立した生活が可能な期間」を示す健康寿命では、男女平均の健康寿命が最も長い国は日本で74.1歳だそうです。この健康寿命を保つためには運動・栄養管理(低栄養の予防)・生活習慣病予防・メンタルヘルスなどを含めて様々な試みを個人や集団でおこなっていくことが重要です。また、年金などを含む経済基盤の確保もポイントであると考えられます。

まとめ

9月15日、厚生労働省は「全国の100歳以上の高齢者が9万2139人に上り、53年連続で過去最多を更新した」と発表しました。厚生労働省の担当者は「医療技術などの進歩で平均寿命が延びている。当面の間は増えるのではないか」との見方も示しています。

この記事の監修医師