【薬剤師が教える】ロキソニンは毎日服用しても大丈夫? 長期間服用するとどうなる?
頭痛、生理痛、親知らず、ケガなどさまざまな痛みに効果があるロキソニン、いざという時のために家に常備している人も多いですよね。しかし、ロキソニンの注意事項を理解して正しく服用できていますか? 今回は、ロキソニンを服用するにあたり、注意しなくてはならないことを薬剤師の岡村さんに解説してもらいました。
監修薬剤師:
岡村 奈津子(薬剤師)
目次 -INDEX-
ロキソニンの効果や作用機序について薬剤師が解説
編集部
ロキソニンはどのような作用機序で痛みを緩和させますか?
岡村さん
私たちの体内でプロスタグランジンという物質が作られると、痛みや発熱、炎症が起こります。ロキソニンはプロスタグランジンが生成されるのに必要な「シクロオキシゲナーゼ」という酵素を阻害することにより効果を発揮します。
編集部
ロキソニンは痛み止め以外に効果はありますか?
岡村さん
ロキソニンは痛み止めだけでなく、解熱作用や抗炎症作用を持っています。痛み止めとしては頭痛、歯痛、生理痛、打撲痛などに効果があります。適応は15歳以上ですが、妊娠中、授乳中の人、持病がある人は、医師または薬剤師にご相談ください。
編集部
ロキソニンを服用したらどのくらいの時間で痛みは緩和しますか?
岡村さん
ロキソニンの副作用はどのような症状が出る? 長期服用の危険性を併せて解説
編集部
ロキソニンにはどのような副作用がありますか?
岡村さん
ロキソニンの副作用で有名なものは、消化器症状といわれる胃痛、吐き気、腹痛、食欲不振などの症状です。悪化すると胃潰瘍や十二指腸潰瘍などのリスクにもなります。わずかですが、むくみ、眠気、口内炎などの報告もあります。最近では大腸、小腸の閉塞、狭窄(腸閉塞)の副作用の報告が新たに追記されました。
編集部
ロキソニンの重大な副作用はなんですか?
岡村さん
ロキソニンの成分によるアレルギー、アスピリン喘息と言われる喘息発作、急性腎障害などがあります。過去に痛み止めや解熱剤でアレルギーや副作用が出たことがある人や、喘息がある人、腎機能に指摘を受けたことがある人は事前に医師または薬剤師に相談しましょう。
編集部
ロキソニンは毎日服用すると、胃潰瘍や十二指腸潰瘍になりやすくなるのでしょうか?
岡村さん
編集部
腎機能が低い場合、ロキソニンは飲めますか?
岡村さん
腎機能が低いと指摘されたことがある人は自己判断での服用は控えましょう。ロキソニンは体内でプロスタグランジンの生成を抑制することにより痛みや炎症に効果を発揮します。しかし、このプロスタグランジンが低下することにより、腎臓の血流が減り、腎臓に負担をかけてしまいます。高齢者も一般的に腎機能が低下することが多いので、注意が必要です。
ロキソニン服用時の注意点とは いつまで服用して大丈夫? 飲み合わせに注意する薬は?
編集部
ロキソニンを服用するときの注意点を教えてください。
岡村さん
編集部
ロキソニンは何日までなら連続服用しても大丈夫ですか?
岡村さん
市販薬のロキソニンは「効果がある場合は3~5日間服用できます」となっています。1日の服用量にもよりますが、必要最低限で服用するようにしましょう。処方薬のロキソニンを服用されている方は主治医、かかりつけ薬剤師と相談してください。
編集部
ロキソニンの服用頻度の目安を教えてください。
岡村さん
頭痛で服用している場合、痛み止めを過剰に服用することにより薬物乱用性頭痛のリスクがあります。薬物乱用性頭痛は薬剤の使用過多によって、脳が痛みに過敏になってしまい頭痛を引き起こしてしまう症状です。1ヶ月に10錠以上服用するような頭痛がある場合は、市販薬に頼りすぎずに受診するようにしましょう。
編集部
飲み合わせに注意が必要な薬はありますか?
岡村さん
ワーファリンと併用するとワーファリンの効果が増強する可能性があるので注意が必要です。一部の抗生剤と併用で痙攣の副作用の報告もあります。ロキソニンの成分ではなくても、ほかの痛み止めや解熱剤の併用は避けましょう。総合感冒剤の中にも、解熱鎮痛剤が配合されていることは多いので注意が必要です。ほかにも併用することにより、効果に影響が出る薬剤があります。併用薬がある場合は主治医、薬剤師に服用について相談しましょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
岡村さん
大切な仕事、予定があるときは痛みに気をとられずに過ごしたいですよね。ロキソニンは効果も早く、鎮痛効果も高いので、上手に使用すればとても良い薬です。しかし市販でも手軽に購入できる分、つい頼りがちになってしまいます。身近な鎮痛剤だからこそ、適切な服用方法を理解して使用することが大切です。
編集部まとめ
頭痛や生理痛、親知らずの治療のあとに飲むこともある痛み止めのロキソニン。改めて痛みを抑えてくれるメカニズムや服用時の注意点をおさらいすることができました。また、ほかの薬との併用や量、回数には十分に注意して、正しく服用することが大切ですね。