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「心筋梗塞の再発率」はどのくらいかご存じですか?治療法や予防法も医師が解説!

 公開日:2026/05/08
「心筋梗塞の再発率」はどのくらいかご存じですか?治療法や予防法も医師が解説!

心筋梗塞を患い、一命を取り留め治療を終えた後でも、また発作が起きるのではないかと再発への不安を抱えている方は少なくないでしょう。

心筋梗塞は一度発症すると再発リスクを伴う病気のため、治療後の正しいケアと予防が大切です。

本記事では、心筋梗塞の気になる再発率をはじめ、主な治療法であるカテーテル治療とバイパス手術の流れについてわかりやすく解説します。

日常生活で取り組める再発予防法も紹介しますので、自身や家族の健康を守るための参考にしてみてはいかがでしょうか。

太田 光彦

監修医師
太田 光彦(おおた循環器内科エコークリニック)

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【経歴】
1994年3月 芦屋市立潮見小学校 卒業
2000年3月 私立高槻高等学校 卒業
2006年3月 神戸大学医学部医学科 卒業
2008年3月 西神戸医療センター 初期研修 修了
2008年4月 西神戸医療センター 循環器科
2011年4月 榊原記念病院 循環器内科 専修医
2014年4月 同病院 主任専修医
2015年5月 神戸市立医療センター中央市民病院 副医長 心エコー室長
2019年4月 虎の門病院 循環器センター内科 医長 心エコー室長
2021年11月 虎の門病院 弁膜症外来 開設
2025年4月 おおた循環器内科エコークリニック 開設 【資格・所属学会】
日本循環器学会 循環器専門医
日本内科学会 総合内科専門医・認定内科医
日本超音波医学会 超音波専門医・超音波指導医
日本心エコー図学会 SHD心エコー図認証医
日本心臓弁膜症学会
厚生労働省 臨床研修指導医
東京都 難病指定医(循環器系疾患)
順天堂大学医学部附属順天堂医院 心臓血管外科 非常勤助手
虎の門病院 循環器センター内科 非常勤医(水曜 エコー技術指導)

心筋梗塞とは

心筋梗塞とは、心筋(心臓の筋肉)に血液や酸素を供給する冠動脈が血栓などによって塞がれ、血流が途絶えてしまう病気です。血液からの栄養が届かなくなった心筋は、時間が経つにつれて壊死してしまいます。発症すると胸を強く締め付けられるような激しい痛みや呼吸困難、冷や汗、吐き気などの症状が現れます。主に、生活習慣の乱れや加齢などが原因です。

心筋梗塞の再発率はどのくらい?

心筋梗塞は一度治療が成功して退院できたとしても、その後の再発リスクが気になる方も少なくないでしょう。再発率は、初回の心筋梗塞の原因や選択した治療法(カテーテル治療やバイパス手術など)、退院後の生活習慣などにもよって異なります。ここからは治療法や原因別の再発率を解説します。

カテーテル治療での再発率

カテーテル治療は、血管を内側から広げてステントを置く身体への負担が少ない治療法です。現在は薬剤を塗布した薬剤溶出性ステントの普及により、治療箇所の再発の可能性は低い水準となっています。術後は再発防止のために、抗血小板薬の服用と定期的な経過観察が必要です。

バイパス手術での再発率

バイパス手術は、狭くなった血管を迂回する血液の道を作る手術です。胸の裏側を通る内胸動脈をバイパスに使用した場合、10年以上の長期間にわたって血管が詰まらずに血液を流し続ける耐久性があります。一方で、足の静脈をバイパスに使った場合は動脈に比べて耐久性が劣ります。しかし、近年の技術の向上と脂質管理薬の併用によって、こうした課題も改善傾向です。

特発性冠動脈解離(SCAD)の場合の再発率

特発性冠動脈解離は血管の壁が突然裂けてしまう病気で、若い女性や高血圧、極度のストレスがある方に見られます。再発は、動脈硬化による一般的な心筋梗塞に比べて起こりやすい傾向にあるとされています。再発予防には、激しい運動を控えることや血圧管理が大切です。

カテーテル治療とバイパス手術の流れ

心筋梗塞を発症した場合、詰まった冠動脈の血流を早急に再開させることが重要です。代表的な治療法は、カテーテル治療とバイパス手術です。患者さんの血管の詰まり具合や病変の場所、全身の健康状態などを判断して治療法が選択されます。ここからは、それぞれの治療の基本的な流れを解説します。

カテーテル治療の流れ

カテーテル治療は、局所麻酔で行われる身体への負担が少ない治療法です。まず、手首や足の付け根の動脈からカテーテルと呼ばれる細長い管を挿入し、心臓の冠動脈まで進めていきます。造影剤を使って血管が詰まっている部分を特定した後、カテーテルの先端についた小さな風船を膨らませて血管を内側から押し広げます。通常1〜2時間で済み、術後の回復も早いため選択されやすい治療法です。

バイパス手術の流れ

バイパス手術は全身麻酔で行われる開胸手術です。冠動脈の複数の場所が詰まっている場合や、カテーテル治療では対応が困難な病変を持つケースで行われます。手術は患者さんの胸の裏側や腕、足などから代用の血管を採取して、詰まっている部分を迂回するように血管をつなぎ合わせます。手術は3〜6時間ほどかかり、術後は管理が必要となるため入院期間は長くなる傾向です。

心筋梗塞の予防法

心筋梗塞は、心臓の筋肉に血液を送る冠動脈が詰まり、心筋が壊死してしまう病気です。心筋梗塞はある日突然襲ってくる病気ですが、心筋梗塞の引き金となる動脈硬化は日々の生活習慣と密に関わっています。血管が詰まって心臓の筋肉に酸素が届かなくなる事態を防ぐには、日々の健康管理が大切です。健康診断で少し数値が高いだけだからと後回しにするのは禁物です。ここからは心筋梗塞を予防するために、今日からすぐに始められる5つの生活習慣のポイントをご紹介します。

バランスのよい食事

血管の健康を守る基本は毎日の食事にあります。意識したいのは、動脈硬化を促進させる脂質や糖質の摂りすぎを抑え、血管を強くする栄養素を取り入れることです。抗酸化作用のある緑黄色野菜や血液をサラサラにする効果が期待できる青魚を積極的に取り入れましょう。また、海藻やキノコ類に含まれる食物繊維は、コレステロールの吸収を抑えてくれます。主食や主菜、副菜を揃え、栄養バランスの整った食事を1日3食規則正しく食べることが大切です。

塩分制限

塩分の摂りすぎは高血圧を招き、血管に絶えず負担をかけることになり心筋梗塞のリスクを跳ね上げます。まずは出汁を利かせて薄味に慣れたり、醤油やソースは直接かけずに小皿に取ったりなどの工夫から始めましょう。目標は1日6g未満でカリウムを多く含む生野菜や果物を摂取して、余分な塩分の排出を促すのも効果的です。調理の際は、出汁の旨味やレモンなどの酸味、香辛料を活用することで、少ない塩分でもおいしく食事が楽しめます。

禁煙

喫煙は心筋梗塞の危険因子の一つです。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、一酸化炭素は血液の酸素運搬能力を低下させます。これによって、心臓への負担が増加して血管が傷つきやすくなります。本数を減らすだけではなく喫煙を断つことが不可欠です。自分自身の命はもちろん、周囲の方を受動喫煙から守るためにも禁煙に努め、心筋梗塞の発症リスクを減らしましょう。

適度な運動

適度な運動は肥満の解消のほかに、血圧や血糖値の改善に役立ちます。ウォーキングや水泳などの有酸素運動を少し息が弾む程度に行うのもよいでしょう。激しい運動をたまにするよりも、無理のない範囲で継続することが大切です。また、通勤のときに一駅分歩くなど、日常生活のなかでこまめに身体を動かす習慣をつけましょう。

ストレスを溜め込まない

ストレスは交感神経を刺激して、血圧や心拍数を上昇させて血管を収縮させるため、心臓に負担をかけます。ストレスを完全になくすのは難しいですが、自分なりの上手な発散方法を見つけることが不可欠です。趣味の時間を作ったり、ゆっくりとお湯に浸かってリラックスしたり、親しい友人との会話を楽しんだりして心身を休めましょう。真面目な方ほどストレスを溜め込みがちですが、心身ともに意識してオフにする時間を作りましょう。

心筋梗塞の再発率についてよくある質問

ここまで心筋梗塞のカテーテル治療とバイパス手術の流れ、予防法などを紹介しました。ここでは「心筋梗塞の再発率」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

心筋梗塞を再発すると肥満になりやすくなるというのは本当でしょうか?

太田光彦(おおた循環器内科エコークリニック)太田 光彦医師

心筋梗塞を再発したことが、直接太りやすい体質を作るわけではありません。しかし、再発後に心機能の低下や再発への恐怖心から以前よりも活動量が減り、消費カロリーが低下するために結果として体重が増加することはあるでしょう。また、一部の薬が代謝に影響することもあります。医師と相談しながら食事管理と無理のない範囲での運動を継続し、健康的な生活を送りましょう。

心筋梗塞を再発しやすい時期について教えてください。

太田光彦(おおた循環器内科エコークリニック)太田 光彦医師

心筋梗塞の再発リスクが高まるのは、初回の発症から1ヶ月以内です。特に、発症から数日間は心筋の状態が不安定で合併症を引き起こしやすいため、退院直後までは警戒が必要です。その後も血管の状態が落ち着くまでの約1年間は、再発しやすい要注意期間とされています。再発を防ぐためにも医師の指示に従った服薬と、塩分控えめの食事などの習慣を身につけるなどの対策を続けていきましょう。

編集部まとめ

心筋梗塞の再発を防ぐためには医師から処方された薬を正しく服用することに加えて、食事や運動、禁煙などの生活習慣の改善が欠かせません。

医師の診察と定期的な検査を受けながら自分の病態を理解し、継続的な管理を行うことが必要です。健康的な生活を維持し、再発を未然に防ぎましょう。

心筋梗塞と関連する病気

各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する病気は、互いに悪影響を及ぼすため日頃からの予防と健康診断などで管理しましょう。

心筋梗塞と関連する症状

各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

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  • 胸の痛みや圧迫感
  • 冷や汗
  • 息苦しさ

いつもと違う身体の変化を感じた場合や、これらの症状が長引く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

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