「ヒートショックの自覚症状」はご存知ですか?発症しやすい状況も医師が解説!

ヒートショックの症状とは?Medical DOC監修医がヒートショックの症状・自覚症状・発症しやすい状況下・対処法などを解説します。

監修医師:
関口 雅則(医師)
目次 -INDEX-
「ヒートショック」とは?
ヒートショックとは冬場の入浴やトイレなど、暖かい部屋から急に寒い場所へ移動した際に体温調節機能が乱れ、血圧の急激な変動や意識障害、不整脈などが引き起こされる現象です。日本では冬に家庭内での突然死の原因となることが多く、予防が重要視されています。この記事ではヒートショックの症状や発症しやすい状況・状態、対処法を医師の視点で解説します。
ヒートショックの代表的な症状
ヒートショックの代表的な症状には、突然意識を失う、胸痛や動悸、立ちくらみ、吐き気といったものが含まれます。これらは体に大きな負担を与え、時に命にかかわる危険な兆候となります。そのため、どんな症状が現れるのかを知り、適切な対処ができるようにしておくことが大切です。
意識消失・失神
急激な血圧の低下や心拍の乱れが生じると、突然意識を失うことがあります。こうした意識消失が認められた場合は、患者をまずは安全な場所に移して呼吸や脈拍を確認し、必要に応じて速やかに119番へ通報することが重要です。
意識消失や失神の背景には、心筋梗塞や不整脈、一過性脳虚血発作などの疾患が潜んでいる可能性があります。意識が戻っても、循環器内科や救急科での受診を受けるようにしましょう。即座に診断と対応を受けることが推奨される、緊急性が高い状況であると認識して行動してください。
胸部不快感・胸痛
心臓や血管に急激な負荷が生じると、胸部に痛みや圧迫感を覚えることがあります。こうした症状が現れた場合には、まず安静を保ち、無理な動作は控えてください。特に持病がある場合には主治医の指示を優先し、その場での対応を心がけましょう。
胸部不快感・胸痛の背景には、狭心症、心筋梗塞、急性心不全などの重大な疾患が潜んでいる可能性があります。そのため、これらの症状を感じた際はできるだけ早く循環器内科を受診することが重要です。
動悸・脈の乱れ
心拍数が急激に上昇したり、脈が不規則になったりすることがあります。このような症状が現れた際は、まず座った状態で安静にし、体の様子を注意深く観察することが重要です。もし症状が強くなった場合は、速やかに救急要請を検討しましょう。
動悸や脈の乱れの背後には、不整脈や心房細動などの心疾患が隠れている可能性があります。循環器内科での専門的な検査と治療が必要です。
めまい・立ちくらみ
急激な血圧の変動が生じることで、めまいや立ちくらみを訴えることがあります。こうした症状が現れた際には、座ったり横になったりして転倒を予防することが重要です。もし症状が長く続く場合は、迷わず医療機関へ相談してください。
原因としては、低血圧や一時的な脳への血流低下などが考えられるため、内科や循環器内科での診察が推奨されます。
吐き気・嘔吐
全身のストレス反応が強くなると、吐き気や嘔吐といった症状が出現することがあります。こういった場合には、まず水分を補給しながら安静に過ごすことが大切です。ただし、症状が激しい場合や改善しない場合には、ためらわずに医療機関を受診してください。
吐き気や嘔吐の背景には、脳血流障害や心疾患などが関係していることがあるため、消化器内科や循環器内科に相談するのが適切です。
ヒートショックの自覚症状
ヒートショックの初期には、普段と違うめまいやふらつき、発汗や顔色の変化、手足の冷えやしびれが現れることがあります。こうしたサインが見られたら、無理をせず安静にし、症状が続く場合は早めに医療機関へ相談しましょう。
軽度のめまい・ふらつき
立ち上がった直後などに、軽いめまいやふらつきを感じることがあります。このような症状が現れた場合は、無理に動かず一時的に座るなどして体を静止させ、転倒を防ぐことが大切です。
主な原因としては、温度差による急激な血圧の変動が挙げられます。もし症状が継続する場合には、早めに内科を受診して相談することが望ましいです。
皮膚の発汗・蒼白(そうはく)
交感神経が刺激されることで、突然汗が大量に出たり、顔が青白くなったりするといった症状が現れることがあります。このような場合には、できるだけ涼しい場所へ移動し、安静に過ごすことが重要です。
背景には自律神経失調症や循環器系の疾患が潜んでいることもあるため、もし症状が改善しない場合には早めに医療機関へ相談してください。
手足の冷え・しびれ
急激な寒さに曝されることで血流が悪くなり、手足の冷えやしびれといった症状が現れることがあります。このような場合には、温かい部屋に移動して体をしっかりと温めることが大切です。
主な原因としては、末梢血管の収縮や血流障害が考えられます。もしこれらの症状が持続する場合には、内科への受診を検討することが推奨されます。
ヒートショックはどれくらいの寒暖差で発症しやすい?
ヒートショックは暖房で温まった部屋から寒い脱衣所や浴室へ移動した際など、10℃以上の急激な温度差によって発症リスクが著しく高まります。
体が寒い場所に曝されると一気に血圧が上昇し、その後急速に温まることで血圧が急降下するため、心臓や脳の血管へ大きな負担がかかります。特に冬季の入浴やトイレのタイミングは注意が必要です。暖房の効いていない部屋、脱衣所、浴室、廊下、玄関なども同様に危険な温度差が生じる場所となります。
高齢者や高血圧、心疾患の方は血圧調整機能が弱くなっているため、ヒートショックの発症リスクがさらに高まります。家屋の温度差を極力小さくし、転倒や事故を防ぐ工夫が重要となります。
ヒートショックを発症しやすい状況・状態
ヒートショックは日常生活のさまざまな場面で起こる可能性があります。どのような状況でリスクが高まるのかを知っておくことで、早めの対策や予防に役立ちます。ここでは、発症を避けるために特に注意が必要なシーンを詳しく解説します。
冬季の入浴時
冬は暖房の効いた居間から寒い脱衣所・浴室への移動によって危険な寒暖差が生じます。脱衣所で衣服を脱ぐと体温が急激に低下し、血圧が上昇します。その直後、冷えた体で熱い浴槽に入ると血管が拡張して血圧が急降下するため、心臓や脳への負担が大きくなりやすいです。
夜間・早朝のトイレ
就寝中や朝方は室温が下がりやすく、暖房が入っていないトイレに移動することで急激な寒さにさらされるため、血圧変動が起こりやすくなります。特に暖かな寝室や布団から起き上がって寒い場所へ行く際は注意が必要です。
起床直後
暖かい布団から寒い床や脱衣所へ移動する際には、急激な温度変化により血圧が乱高下しやすくなります。体温が下がると自律神経が反応し、血圧の調整が追いつかず負担がかかるため、このタイミングもヒートショックのリスクが高いです。
屋外から帰宅した直後
冬の屋外は非常に寒いため、外出から帰宅し、急に暖かい室内に入った際にも短時間で体が温度差を受け、血管や心臓に強いストレスがかかります。この変化がヒートショックを誘発する要因となります。
高齢者・持病持ち
高齢者では加齢による血管の硬化や自律神経機能の低下がみられ、血圧の変動に弱くなります。また、高血圧や糖尿病、心疾患などの生活習慣病を持っている方はさらに血圧変動の影響を受けやすいため、特に温度差管理や住環境の工夫が重要です。
ヒートショックを発症した場合の対処法
ヒートショックを発症した際は、判断を迷わず迅速な対応が重要です。症状のタイプに応じて適切な処置を行い、必要に応じてすぐ医療機関を受診しましょう。日頃から予防策を意識しておくことで、ご自身やご家族の安全を守ることにつながります。
意識消失時
直ちに救急要請し、呼吸や脈拍の確認を行います。必要であれば心肺蘇生を行い、浴槽にいる場合には栓を抜いて安全を確保しましょう。
めまい・立ちくらみが起こった時
めまいや立ちくらみが起こってしまった場合には、安全な体勢で休むようにしましょう。転倒などの二次的事故を防ぎましょう。
胸痛や動悸時
症状が強い場合は迷わず救急受診をしましょう。軽症であっても繰り返すような場合には、専門医による早期評価が必要です。
症状が軽いとき
室温を均一に保ち、体を温めながら安静に過ごします。無理に入浴や外出をせず、しばらく体を休めることが大切です。
再発防止と予防策
脱衣所や浴室の断熱・暖房を強化し、寒暖差をできる限りなくす工夫を行いましょう。飲酒後の入浴は避けるなど、生活習慣面の注意も有効です。
「ヒートショックの症状」についてよくある質問
ここまでヒートショックの症状について紹介しました。ここでは「ヒートショックの症状」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
ヒートショックの初期症状について教えてください?
関口 雅則 医師
初期症状としては、軽度のめまいや立ちくらみ、動悸、皮膚の発汗や蒼白が見られることが多いです。これらは体が急激な温度変化に適応しようとする過程で起こります。 放置すると重篤な意識障害や心疾患に至る可能性があるため、症状が現れたらすぐに安静にしましょう。お風呂でヒートショックが起こった場合などは、身体が冷えないように保温することも大切です。
まとめ
ヒートショックは急激な温度差が引き金となり、命に関わる症状を引き起こすことがある状態です。特に高齢者や心血管疾患を持つ方は十分な予防策が必要です。入浴時やトイレ、脱衣所などの温度管理を行い、普段から気をつけましょう。もしもご家族などがヒートショックを起こしてしまったと考えられる場合は、速やかな対処を心がけましょう。
「ヒートショック」と関連する病気
「ヒートショック」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
脳神経内科系
ヒートショックは循環器系の疾患と密接な関連があり、症状が出た場合は迅速な医療対応が重要です。
「ヒートショック」と関連する症状
「ヒートショック」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
これらの症状が現れた場合、ヒートショックを疑い適切な対処と医療機関への相談が推奨されます。




