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「心不全の末期症状」はご存知ですか?末期に感じる体の痛みも医師が解説!

 公開日:2026/01/16
「心不全の末期症状」はご存知ですか?末期に感じる体の痛みも医師が解説!

心不全の末期症状とは?Medical DOC監修医が心不全の末期症状・痛みの特徴・末期の治療法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

佐藤 浩樹

監修医師
佐藤 浩樹(医師)

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北海道大学医学部卒業。北海道大学大学院医学研究科(循環病態内科学)卒業。循環器専門医・総合内科専門医として各地の総合病院にて臨床経験を積み、現在は大学で臨床医学を教えている。大学では保健センター長を兼務。医学博士。日本内科学会総合専門医、日本循環器学会専門医、産業医、労働衛生コンサルタントの資格を有する。

「心不全」とは?

心不全とは、さまざまな原因によって心臓のポンプ機能が低下した結果、息切れ、むくみ、全身倦怠感などの症状が起こり、悪化と改善を繰り返しながら徐々に悪くなり、生命を縮める病気です。

心不全の末期症状

心不全の末期は、全身の臓器に血液が届かなくなることで、さまざまな深刻な症状が現れます。代表的な症状を5つあげました。これらの症状が現れた時は、循環器科入院のうえ厳格な治療が求められます。

強い息切れと呼吸困難

末期の心不全では、心臓のポンプ機能が著しく低下するため、肺に血液が貯まることにより肺うっ血が起こります。そのため、わずかな動作でも息切れを感じるようになり、さらに、横になると呼吸が苦しくなる「起座呼吸」がみられます。

全身のむくみ

心不全が進行すると、血液の流れが滞り体内に水分が溜まりやすくなります。最初は足部に現れることが多いですが、重症になると肺に水がたまり、体重も増加します。むくみが強まると、皮膚が張って痛みが出ることがあります。

強い全身倦怠感

末期の心不全では、心臓が全身に十分な血液を送り出せないため、筋肉や臓器に酸素や栄養が届かなくなります。その結果、軽い動作でも疲労を感じるようになります。日常動作や会話も難しくなり、ベッド上での生活が中心となることが多くなります。

意識障害

末期の心不全になると、脳への血流が低下するため、意識低下が起こります。反応が鈍くなる、言葉が出にくくなる、呼びかけに応答しないといった意識障害がみられます。さらに心不全が進行すると、昏睡状態に至ることもあります。

尿量の減少

心不全が重症化すると、腎臓への血流が減少するため尿量が極端に減ってきます。これにより、体内の老廃物や余分な水分を体外に排出できなくなり、体内に毒素や水分がたまりやすくなります。進行すると腎不全にも至ります。

末期の心不全ではどんな痛みを感じる?

胸の圧迫感や息切れ、むくみによる張り、全身のだるさといった「不快感」が主体です。つまり、末期の心不全での痛みは、いわゆる普通の痛みとは異なります。継続的かつ広範囲に感じられるため、身体のみならず精神的にも苦痛をもたらします。緩和ケアによる全人的な対応が必要となる場合も多々あります。

胸の痛み

心臓のポンプ機能が低下することで、胸に圧迫されるような痛みが起こることがあります。狭心症に似た痛みとして表現されることもあります。

皮膚の痛み

体内に余分な水分がたまることで、皮膚が引き延ばされ、痛みを感じることがあります。これにより、歩行や姿勢保持も困難になる場合があります。

背中の痛み

末期の心不全では、肺に血液がたまり、呼吸がしづらくなります。これにより背中が重苦しくなり、痛みに近い不快感として感じられることがあります。息が十分に吸えないため、「このまま呼吸が止まるのでは」という不安や恐怖などの精神的なつらさが重なり、さらなる痛みと感じることもあります。

高齢者が心不全を発症するとどんな症状が現れる?

心不全を発症すると、心臓のポンプ機能が低下するため、全身の臓器に十分な血液を送ることが難しくなってきます。そのため、さまざまな症状が起こります。代表的な症状を3つご紹介いたします。

呼吸困難

始めは動いている時に起こりますが、悪化すると安静にしている時にも起こるようになってきます。「空気が入ってこない」、「仰向けに寝ると苦しい」と表現されることが多いです。このような時は、上半身を起こして安静にすることが重要です。改善しない場合は、循環器科を受診しましょう。

むくみ

すねや足の甲などにみられることが多いです。むくんでいる場所を、指で押してみて、へこみが残った場合は要注意です。他の疾患でも起こることがありますので、循環器科を受診してください。

全身倦怠感

心不全により、全身に十分な血液と酸素が行かなくなるため、全身倦怠感が生じます。最初は、動いたときに感じられますが、心不全が悪化すると、些細な日常動作でも起こるようになってきます。このような症状が現れたら、循環器科を受診してください。

末期の心不全の治療法

末期の心不全の治療は、心不全の完治を目指すものではなく、症状の緩和と生活の質の維持を要視したケアが中心となります。在宅医療や看取りの準備も検討する必要があります。以下にその内容をご紹介いたします。

薬物療法

末期の心不全では、息苦しさやむくみが強いため、まずはこの状態を和らげる治療を行います。利尿薬、強心薬(ドパミンやドブタミンなど)が使用されます。ただし、薬の効果が徐々に限界に達し、有効性が発揮されなくなることがたびたびあります。

酸素吸入

末期の心不全では、呼吸困難が強い場合が多いです。対処法として、酸素吸入によって呼吸困難をやわらげる治療が行われます。酸素は経鼻カニューレやマスクを使って投与されることが多いですが、末期では人工呼吸器に至るケースもあります。酸素吸入は根本治療ではありませんが、症状緩和に非常に重要です。

緩和ケア

末期の心不全では、痛みや呼吸困難、不安などを軽減する総合的な治療として「緩和ケア」が重要となります。モルヒネを用いて呼吸困難による苦しみを和らげたり、抗不安薬で精神的なつらさを緩和したりします。また、医療多職種の協力のもと、患者さん本人の意思や家族の希望を尊重しながら、穏やかな時間を過ごすことを目指します。

心不全を予防する方法

予防の基本は良い生活習慣を継続することです。具体的には、以下の5つが特に重要です。各々の項目についてご説明いたします。

塩分制限

食事の中でも、最も重要なのは塩分制限です。塩分の多い食事をとり続けると、体内の血液量が増加し、心臓の負荷が増加します。過剰な塩分摂取をさけ、6~8g/日程度に控えましょう。

血圧管理

血圧が高い状態が続くと、心臓に負荷がかかり、心臓のポンプ機能が落ちてきます。そのため、心不全のリスクを高めます。収縮期血圧(上の血圧)130 mmHg未満をめざしましょう。[32] 目標値に達しない場合は、内科や循環器内科を受診しましょう。

過剰なストレスを避ける

過剰なストレスは交感神経を活性化するため、血圧や脈拍を上昇させます。防止策として、自分なりのリラックス方法をみつけましょう。深呼吸や瞑想などが手軽なリラクゼーション法です。

適度な運動

有酸素運動や筋力トレーニングを行うと、心臓の対応能が向上し心不全のリスクが下がります。ただし、心臓疾患にすでに罹患している患者さんは、かかりつけ医に相談のうえ、運動内容を決めましょう。

睡眠

7~8時間の質の良い睡眠をとることが大切です。[33] 短すぎる睡眠や睡眠の質の低下は、高血圧や自律神経の乱れを引き起こし、心臓に負担をかけます。就寝前のスマートフォンやカフェインの摂取を控え、規則正しい生活リズムを保つことが良い睡眠を目指すためには必要です。

「心不全の末期症状」についてよくある質問

ここまで心不全の末期症状などを紹介しました。ここでは「心不全の末期症状」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

心不全が進行しているサインとなる症状について教えてください。

佐藤 浩樹佐藤 浩樹 医師

息切れやむくみの悪化、急激な体重増加、全身倦怠感の強まりなどがあります。特に、これまで問題なかった日常動作でこれらの症状が現れるようになった場合は、医療機関を受診してください。

心不全が末期まで進行した場合の余命について教えてください。

佐藤 浩樹佐藤 浩樹 医師

余命は健康人と比較して短いです。心不全増悪による入院から4年間での生存率は49%であり,心不全で入院した患者の約半数は,4年以内に死亡すると報告されています。

まとめ

心不全は、症状がよくなっても完全に治ったわけではなく、悪化や改善をくりかえしながら徐々に悪化し、死に至る病気です。さまざまな症状が現れ、日常生活に支障を来します。緩和ケアが必要な場合もあります。しかし、心不全は予防可能な疾患です。日常生活を見直し、良い生活習慣を身に着けましょう。

「心不全」と関連する病気

「心不全」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器系

呼吸器系

心不全は、上記にあげた疾患などが原因で発症します。そのため、これらの疾患を適切に治療することが心不全の予防となります。

「心不全」と関連する症状

「心不全」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 呼吸困難
  • むくみ
  • 体重増加
  • 全身倦怠感
  • 食欲不振

心不全には多彩な症状が現れます。年齢のせいと見過ごされるケースもあります。気になる症状があれば早めに医療機関を受診しましょう。

この記事の監修医師