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「大腸がん」を発症するとどんな「下痢」を催す?便の特徴も医師が徹底解説!

 公開日:2025/01/30
「大腸がん」を発症するとどんな「下痢」を催す?便の特徴も医師が徹底解説!

大腸がんを発症するとどんな下痢を催す?Medical DOC監修医が便の色の特徴・下痢が続く症状で考えられる病気・原因などを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

齋藤 雄佑

監修医師
齋藤 雄佑(医師)

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日本大学医学部を卒業。消化器外科を専門とし、現在は一般外科、消化管内視鏡検査、生活習慣病を中心に診療を行っている。現在は岩切病院、高砂内科・消化器科クリニックに勤務。
日本外科学会外科専門医。日本医師会認定産業医。

「大腸がん」とは?

大腸がんとは、大腸にできるがんのことです。大腸は、小腸から続く消化管で、盲腸、結腸、直腸からなります。食べ物の消化・吸収が終わった残渣は、大腸で水分が吸収され、便として排出されます。大腸がんは、初期段階では自覚症状がほとんどありません。しかし、がんが進行すると、下痢や便秘、血便などの症状が現れることがあります。

大腸がんを発症するとどんな下痢を催す?

大腸がんを発症したときにみられる下痢の特徴について解説いたします。当てはまる症状が持続する場合には、消化器内科で相談をしてみましょう。

粘血便

大腸がんになると、腸の粘膜が刺激され、粘液が過剰に分泌されることがあります。
そのため、便に粘液が混ざり、ねばねばとした状態になる場合があります。

血液混じりの下痢

がんが大きくなると、腸の壁を傷つけ、出血することがあります。そのため、便に血が混ざり、赤い色や黒い色になることもあります。鮮やかな赤い色の場合は、直腸や肛門に近い場所で出血している可能性が高いです。黒いタール状の便の場合は、大腸の奥で出血している可能性が高いです。

下痢と便秘を繰り返す

がんが腸を狭くすることで、便が通過しにくくなり、下痢と便秘を繰り返すことがあります。便秘がちであった人が、急に下痢を繰り返すようになった場合は注意が必要です。

下痢と便秘を繰り返す場合、大腸がんを疑った方がいい?

下痢と便秘を繰り返す場合、大腸がんの可能性も考えられます。
特に、以下のような場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

  • ・40歳以上である
  • ・血便がある
  • ・便が細くなる
  • ・腹痛や腹部膨満感がある
  • ・体重減少がある
  • ・家族に大腸がんになった人がいる

大腸がんを発症している場合、便はどんな色をしている?

大腸がんでは出血が起こりやすく、その血液が混ざることで便の色が変わることがあります。直腸や肛門に近い場所で出血している場合は、鮮やかな赤色の便になります。一方、大腸の奥深くで出血している場合は、黒色(タール状)の便になります。また、消化管内を移動する間に血液が時間をかけて変化すると、暗赤色の便になることもあります。しかし、便の色の変化は、大腸がん以外にも、痔や潰瘍性大腸炎など様々な原因で起こりえます。自己判断は危険ですので、気になる場合は医療機関を受診し、検査を受けるようにしましょう。

下痢が続く症状で考えられる病気

感染性腸炎

細菌やウイルスなどの病原体が腸に感染することで、下痢、腹痛、発熱などの症状を引き起こす病気を感染性腸炎といいます。食中毒やノロウイルスなどが原因としてよく知られています。感染性腸炎にかかった場合は、消化器内科を受診しましょう。治療では、水分補給、安静、薬物療法などを行い、症状の改善を図ります。

過敏性腸症候群

ストレスや不安などによって腸の運動が乱れ、下痢や便秘を繰り返す病気があります。腹痛や腹部膨満感を伴うこともあり、日常生活に支障をきたすこともあります。このような症状でお悩みの方は、消化器内科を受診しましょう。治療としては、生活習慣の改善、薬物療法などが行われます。

潰瘍性大腸炎

大腸の粘膜に炎症が起こり、潰瘍ができる病気です。下痢や血便、腹痛といった症状が現れるのが特徴です。もしこれらの症状に心当たりがある場合は、消化器内科を受診して検査を受けるようにしましょう。潰瘍性大腸炎と診断された場合は、薬物療法を中心とした治療が行われます。

大腸がんの前兆となる初期症状

大腸がんは、初期段階では自覚症状がほとんどありません。しかし、注意深く観察することで、以下の初期症状に気づくことができる場合があります。

血便

大腸がんの初期症状の一つが、血便です。少量の出血でも、便に血が混ざって出てくることがあります。また、排便後にトイレットペーパーに血が付着している場合も、注意が必要です。血便が出たからといって、すぐに大腸がんと決まるわけではありません。痔など、他の原因で血便が出ることも多いからです。自己判断はせず、医療機関を受診して原因を調べてもらうようにしましょう。医療機関を受診する際は、消化器内科または肛門科を受診するのが良いでしょう。

便通異常

大腸がんの初期症状として、便通異常も挙げられます。便秘と下痢を繰り返したり、便が細くなったり、排便後も残便感があるといった症状が現れることがあります。これらの症状に気づいたら、まずは食生活や生活習慣を見直してみましょう。食物繊維を多く摂る、水分を十分に摂取する、適度な運動をするなど、腸内環境を整えるように心がけましょう。しかし、生活習慣を見直しても症状が改善しない場合は、早めに医療機関を受診するようにしてください。消化器内科で診察を受け、適切な検査を受けることをおすすめします。

腹部の不快感

大腸がんの初期症状では、腹部の不快感を感じることもあります。具体的には、腹痛や腹部膨満感、お腹の張りなどが挙げられます。これらの症状が現れた際は、まず消化の良いものを食べ、お腹を温めて様子を見ましょう。お腹を温めることで、腸の動きが活発になり、症状が和らぐことがあります。しかし、これらの対処法を試しても症状が改善しない場合は、医療機関を受診するようにしましょう。消化器内科で診察を受け、詳しい検査を受けることをおすすめします。

大腸がんの主な原因

大腸がんの危険因子となるものは以下の通りです。なるべくリスクを避けて、大腸がんを発症しないように気をつけましょう。

食生活

動物性脂肪の多い食事、食物繊維の少ない食事、過度の飲酒などは、大腸がんのリスクを高める可能性があります。また、過度なカロリー摂取は肥満の原因となり、大腸がんのリスクとなります。バランスの良い食事を心がけましょう。

運動不足

運動不足は、肥満や便秘を引き起こし、大腸がんのリスクを高める可能性があります。適度な運動を行うことが大腸がんの予防となります。

喫煙

喫煙は、大腸がんを含む様々ながんのリスクを高めることが知られています。禁煙外来を活用して医師に相談しましょう。

「大腸がんの下痢」についてよくある質問

ここまで大腸がんの下痢などを紹介しました。ここでは「大腸がんの下痢」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

大腸がんの手遅れとなる症状について教えてください。

齋藤 雄佑齋藤 雄佑 医師

大腸がんが進行すると、以下のような症状が現れることがあります。
● 著しい体重減少
● 貧血
● 腸閉塞
● 腹膜播種(がんが腹膜に転移すること)
● 肝転移や肺転移などの遠隔転移
これらの症状が現れた場合は、大腸がんが進行している可能性があります。しかし、たとえ進行した状態であっても、治療法がないわけではありません。大腸がん検診や医療機関を受診して適切な治療を受けることが大切です。

編集部まとめ 下痢が続く場合には大腸がんの可能性もあり

この記事では、大腸がんの下痢について解説しました。下痢は、大腸がんの初期症状の一つの可能性があります。下痢が続く場合や、血便、便通異常などの症状がある場合は、早めに医療機関を受診して検査を受けるようにしましょう。

「大腸がん」と関連する病気

「大腸がん」と関連する病気は9個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

内分泌科の病気

血液科の病気

大腸がんと症状が似ている病気は上記の様にさまざまです。症状だけでは大腸がんを診断することはできません。気になる症状が続く場合には、消化器内科を受診しましょう。

「大腸がん」と関連する症状

「大腸がん」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

大腸がんは早期発見・早期治療が重要です。気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

この記事の監修医師

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