「急性骨髄性白血病を発症した20代の生存率」はどのくらい?症状についても医師が解説!
公開日:2025/11/02

本記事では急性骨髄性白血病の20代の生存率について以下の点を中心にご紹介します。
- ・急性骨髄性白血病とは
- ・急性骨髄性白血病の20代での生存率
- ・急性骨髄性白血病が再発する可能性
急性骨髄性白血病の20代の生存率について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

監修医師:
山本 佳奈(ナビタスクリニック)
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滋賀医科大学医学部 卒業 / 南相馬市立総合病院や常磐病院(福島)を経て、ナビタスクリニック所属/ 専門は一般内科
目次 -INDEX-
急性骨髄性白血病とは
急性骨髄性白血病は、血液内の骨髄細胞が異常に増殖する血液のがんです。骨髄細胞は赤血球や白血球、血小板に成長しますが、急性骨髄性白血病では未熟な白血球が増え、正常な血液細胞の働きを妨げます。その結果、貧血や感染症、出血しやすくなるなどの症状が現れることがあります。
急性骨髄性白血病は急速に進行するため、早期発見と治療が重要です。主な治療法には化学療法や骨髄移植があり、患者さんの状態や病気の進行度に応じて治療が選択されます。
急性骨髄性白血病の症状
急性骨髄性白血病の症状は、多岐にわたりますが、代表的なものとして貧血、感染症へのかかりやすさ、出血傾向があります。貧血によって疲れやすさや息切れを感じることが多く、白血球の減少により免疫力が低下し、風邪や肺炎などの感染症にかかりやすくなります。また、血小板の減少により鼻血や歯茎からの出血、皮下出血が起こりやすくなります。ほかにも、発熱や骨の痛み、体重減少などの全身症状が現れることがあります。気になる症状がある場合は、早めに医療機関で診察を受けることが重要です。
急性骨髄性白血病の原因
急性骨髄性白血病の原因は明確に解明されていない部分が残されていますが、いくつかの要因が発症リスクに影響を与えるとされています。遺伝的要因や、過去にほかのがんで放射線治療や化学療法を受けた経験、ベンゼンなどの有害物質への長期的な曝露がリスクを高めると考えられています。
また、骨髄異形成症候群や慢性骨髄増殖性疾患などの血液の病気が原因で急性骨髄性白血病が発症するケースもあります。これらの要因を持つ方は、定期的な検診や早期の症状チェックが重要です。
急性骨髄性白血病の診断・検査
急性骨髄性白血病はどのように診断されるのでしょうか。急性骨髄性白血病の診断や検査方法を詳しく解説します。血液検査
急性骨髄性白血病の診断には、まず血液検査が行われます。血液検査では、白血球、赤血球、血小板の数や、未熟な白血球である芽球の増加が確認されます。芽球は普段は少ないですが、急性骨髄性白血病では増加するため、血液検査によって異常が見つかるケースがよくあります。
また、貧血や血小板の減少も確認されることがあり、これが診断の手がかりとなります。さらに、骨髄検査と組み合わせると、白血病の種類や進行度をより正確に診断できます。
骨髄検査
骨髄検査は、骨盤や胸骨から骨髄液を採取し、異常な白血球の増殖や形態を確認する方法です。骨髄検査により、白血病細胞の数や性質を詳しく調べ、急性骨髄性白血病かどうかを判断する材料となります。さらに、染色体異常や遺伝子変異を調べることで、治療方針や予後の判断に役立ちます。骨髄検査は多少の痛みを伴いますが、正確な診断と適切な治療のためには欠かせない検査です。
染色
急性骨髄性白血病の診断で、染色は大変重要な検査の一つです。骨髄液や血液を採取し、特殊な染色を行うことで白血病細胞の種類や性質を確認します。染色にはギムザ染色やペルオキシダーゼ染色などが用いられ、それぞれ異なる細胞の特徴を観察できます。
白血病のタイプや進行度を判断することはもちろん、急性骨髄性白血病の診断や治療計画を立てる上で、これらの検査は欠かせません。
急性骨髄性白血病の20代での生存率
急性骨髄性白血病の20代での生存率は、治療の進歩により改善されています。若い方は治療への反応がよいため、5年生存率は50〜60%程度とされています。ただし、生存率は個々の病状や治療法の選択、合併症の有無によって異なります。急性骨髄性白血病の治療
急性骨髄性白血病の治療はどのように行われるのでしょうか。治療法の選択や期待できる効果を詳しく見ていきましょう。化学療法
急性骨髄性白血病の治療では、化学療法が基本的な治療法としてよく行われます。化学療法は、抗がん剤を使用してがん細胞を攻撃し、骨髄内の異常な細胞を減少させることを目的としています。治療は主に寛解導入療法と地固め療法の2段階に分けられます。寛解導入療法では、がん細胞を一気に減らして症状を改善し、その後の地固め療法で残ったがん細胞を徹底的に排除して再発を防ぎます。
ただし、化学療法は、患者さんの年齢や体力、病状によって使用する薬剤や治療期間が異なります。
骨髄移植
急性骨髄性白血病の治療で、骨髄移植は効果的な治療法の一つです。再発や難治性の患者さんに対して行われることが多く、化学療法でがん細胞を減少させた後に健康な骨髄を移植します。移植には、同種移植と自家移植があります。同種移植は、患者さんの免疫機能を高め、白血病細胞の排除を助ける効果が期待されますが、合併症や拒絶反応のリスクも伴います。患者さんの状態や病状に応じて治療法が選択されます。
急性骨髄性白血病についてよくある質問
ここまで急性骨髄性白血病の20代の生存率などを紹介しました。ここでは急性骨髄性白血病についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
急性骨髄性白血病は遺伝しますか?
根来 和輝 医師
急性骨髄性白血病は、遺伝による発症ではないとされています。ほとんどの場合、後天的な要因や環境要因が発症に関与していると考えられます。 しかし、一部の遺伝子異常を持つ子どもや、ダウン症などの遺伝性疾患を持つ場合、急性骨髄性白血病のリスクが高まるとされています。家族に白血病の患者さんがいる場合でも、遺伝的リスクは高くありません。
急性骨髄性白血病が再発する可能性はありますか?
根来 和輝 医師
急性骨髄性白血病は、治療後に再発する可能性があります。再発のリスクは初回治療からの期間や治療効果によって異なりますが、治療開始から2〜3年以内が注意すべき時期です。 再発の症状には、発熱や倦怠感、出血傾向、貧血などが現れることがあります。また、血液検査で白血球や血小板の数値が異常になることも再発のサインです。再発が疑われる場合は、早めに医師に相談して検査を受けることが大切です。
まとめ
ここまで急性骨髄性白血病の20代の生存率についてお伝えしてきました。急性骨髄性白血病の20代の生存率の要点をまとめると以下のとおりです。- ・急性骨髄性白血病とは、骨髄で異常な白血球が急速に増殖する血液のがんで、短期間で症状が進行する病気
- ・急性骨髄性白血病の20代の生存率は治療の効果や個人の健康状態により異なるが、5年生存率は40〜50%程度とされる
- ・急性骨髄性白血病は初回治療から2〜3年以内に再発するケースが多く、再発のリスクは治療効果や病状によって異なる


