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「卵巣がんはエコー検査」で調べられる?検査費用や他の検査も医師が解説!

 公開日:2025/11/04
「卵巣がんはエコー検査」で調べられる?検査費用や他の検査も医師が解説!

卵巣がんは卵巣にできる悪性の腫瘍で近年増加傾向にあります。初期では自覚症状がないといわれています。気付いたときには、がんが広範囲に進行していることが少なくありません。 ほかのがんと比べ早期発見が難しいため、治療は難しい傾向にあります。しかし早期発見できればほかのがんと同じく治療が効果的であるため、検査を積極的に受けましょう。 本記事では、エコー検査で卵巣がんが発見できるか、また検査の種類や費用がどのくらいかかるのか解説しています。検査を受ける際の参考にしてください。

馬場 敦志

監修医師
馬場 敦志(宮の沢スマイルレディースクリニック)

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筑波大学医学群医学類卒業 。その後、北海道内の病院に勤務。 2021年、北海道札幌市に「宮の沢スマイルレディースクリニック」を開院。 日本産科婦人科学会専門医。日本内視鏡外科学会、日本産科婦人科内視鏡学会の各会員。

卵巣がんとは?

卵巣は子宮の両脇に1つずつある臓器で、卵子の放出とエストロゲンとプロゲステロン2種類の女性ホルモンを分泌している大切な臓器です。
卵巣がんとは、卵巣にできる悪性の腫瘍です。卵巣は腫瘍ができやすいですが良性の場合が多く、卵巣に腫瘍ができたからといってがんとは限りません。卵巣は、骨盤内におさまっている臓器のため、初期の段階では自覚症状がほとんどないといわれているのが特徴です。
自覚症状がある場合は卵巣がんが進行している可能性があります。心当たりがある場合は、婦人科で詳しく調べてもらうようにしましょう。

卵巣がんはエコー検査で調べられる?

卵巣がんを発見するためにはエコー検査が有効な方法です。ただし、エコー検査のみでがんの診断を行うわけではありません。エコー検査以外の検査も行い、総合的にがんの診断をしているのです。
エコー検査にはお腹に超音波をあてて検査を行う腹部超音波検査と、腟内に器具を挿入して検査を行う経腟超音波断層法検査があります。
検査はベッドに横になり、身体の表面に滑りをよくするゼリーをつけ、超音波プローブをあてていきます。超音波プローブから画像をうつしだし、臓器の状態を調べてがんの有無を確認する検査です。

腹部超音波検査

腹部に超音波をあてて卵巣がんの有無を調べます。卵巣がんの場所や大きさ、腫瘍と周囲の臓器との位置関係などを調べるためにとても重要な検査です。
超音波検査は身体への負担が少なく、1回の検査で臓器の現状を把握できるメリットがあります。

経腟超音波断層法検査

腟に超音波を発している器具を挿入し、卵巣がんの有無を調べる検査です。腹部超音波検査に比べて、臓器に近い場所で検査が可能なため、卵巣や骨盤内の状態をくわしく調べられます。検査時間は1〜2分程と短い時間です。

その他の卵巣がんの検査の種類

卵巣がんは、エコー検査以外にも診断に必要な検査があります。すべての検査結果を確認したうえで、その後の治療方針を決定していきます。
卵巣がんの検査にはどのようなものがあるのでしょうか。検査の詳細をくわしく解説していきます。少しでも検査に対する不安が解消されれば幸いです。

触診・内診

卵巣や周囲の臓器の状態をくわしく調べるため婦人科にて診察を行います。触診は腹部に触れながら診察をし、卵巣の状態を確認する方法です。内診は腟から指を挿入し卵巣の状態を確認する方法です。

直腸診

直腸診は、直腸や周辺の臓器の状態を確認するために行う検査です。卵巣は直腸に近いため、がんが進行すると直腸に広がる恐れがあります。肛門から直腸へ指を挿入し、腫瘍ができていないかを確認する検査です。

CT検査

リンパ節への転移や、遠隔転移がないかくわしく調べるためにCT検査を行います。検査はさまざまな角度からX線をあてて撮影し、連続的に身体の断面を画像にする検査です。
CT検査により、がんの有無や大きさや転移の有無などが調べられます。

MRI検査

MRI検査は、がんの有無やほかの臓器への転移はないかなどをくわしく調べるために行います。強力な磁場を発生させた巨大な装置の中に入り、電波を身体にあててさまざまな角度から断面図をうつしだす検査です。
MRI検査により骨盤の内部の状態をくわしく調べ、腫瘍やリンパの腫れなども確認します。

細胞診・組織診

細胞診は胸水や腹水などにがん細胞がないか調べるために行う検査です。手術前に胸水や腹水がたまっているのを発見したら、皮膚から針を刺して細胞を検査する場合があります。
組織診は、手術で切除した卵巣の組織を標本にして顕微鏡でくわしく調べる検査です。良性か悪性かの判断や組織型の判断を行います。
検査結果は2〜3週間と時間がかかりますが、正確な診断が確定する大事な検査です。手術前に悪性や境界悪性と判断されたとき手術中に診断を行い、切除の範囲を決める場合があります。

腫瘍マーカー検査

腫瘍マーカーは、がん細胞によって作られるタンパク質で、卵巣がんでは血液中のCA125の値を測定することが一般的です。
CA125の値が高ければ卵巣がんの疑いがありますが、がんとは限りません。腫瘍マーカー以外の検査結果をふまえて総合的に判断しています。

卵巣がんの検査費用

卵巣がんの早期発見のために、積極的に検査を受けたいと考える方は少なくないのではないでしょうか。卵巣がんの検査費用がどのくらいかかるのか、検査費用に保険の適用はあるのか、気になる方もいるでしょう。
こちらでは、卵巣がんの検査費用や保険適用の情報をまとめました。病院に行く際はぜひ参考にしてください。

保険適用の有無

健康保険に加入していれば、保険が適用され自己負担が軽減されます。検査費用は、病院の先生が治療のために必要と判断した検査は保険適用されますが、健康診断や人間ドックでは適用されません。
また市区町村や職場などの検診では、少ない負担で済む場合があります。

検査費用の相場

卵巣がんの検査費用は各病院で相場が変わってきます。主な検査費用は下記の通りです。
  • 経腟超音波検査 5,000円前後
  • 腫瘍マーカー  2,000~3,000円前後
経腟超音波検査と腫瘍マーカー検査がセットになっている病院もあります。
その他検査が必要になる場合は、別途費用がかかります。かかりつけの病院に確認しましょう。

卵巣がんのエコー検査についてよくある質問

ここまで卵巣がんのエコー検査やその他の検査などを紹介しました。ここではエコー検査の頻度やがんの確定診断のよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

卵巣がんのエコー検査はどのくらいの頻度で受けたらよいですか?

卵巣がんは自覚症状がないため、気がついたときにはかなり病状が進行している可能性があります。進行が速いがんでもあるため、早期発見がとても重要です。超音波検査を年に一度受けることが早期発見につながります。子宮がん検診といった婦人科検診の際、一緒に見てもらうようにしましょう。

エコー検査だけでは卵巣がんの確定診断はできませんか?

エコー検査は腫瘍の発見はできますが、悪性と断定できるものではありません。エコー検査以外に、CTやMRIや腫瘍マーカーなどの検査結果をふまえて良性か悪性かを判断します。また、5cmをこえる腫瘍の場合は判断が難しいため、手術で摘出した腫瘍の組織を検査し確定診断をします。

編集部まとめ

卵巣がんの診断には、エコー検査に加え、複数の検査結果を総合的に考慮します。エコー検査は卵巣の様子がリアルタイムに把握できる有効な検査方法です。 特に経腟超音波断層法検査は、卵巣に近い場所でのエコー検査が可能なので、早期発見に大変役立つ検査法です。積極的に受けることをおすすめします。 卵巣がんは、気がついたときには進行している可能性が高いがんです。早期発見をするためにも、年に一度はエコー検査を受けるようにしましょう。

卵巣がんと関連する病気

卵巣がんと関連する病気は4個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する病気

遺伝性乳がん卵巣がん症候群はBRCA1またはBRCA2遺伝子に生まれつき変化があることにより、乳がんや卵巣がんなどのがんが発生しやすくなってしまう病気です。ご家族に乳がんや卵巣がんにかかった経験がある方はいませんか?
乳がんや卵巣がんの家系では、遺伝性乳がん卵巣がんにかかるリスクが高いため担当医に相談してみましょう。卵管がんや腹膜がんはがんが発生する場所が違いますが、腫瘍の性質はとても似ています。

卵巣がんと関連する症状

卵巣がんと関連している、似ている症状は5個程あります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • お腹がはる
  • 胃腸障害
  • 頻尿や便秘
  • 体重減少
なお、上記のような症状は卵巣がん特有のものではありません。ほかの病気でも同じような症状がでる場合があります。気になる症状がある場合は、婦人科でくわしく調べてもらいましょう。

この記事の監修医師

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