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「子宮ポリープ」の短時間で終わる”検査”はご存じですか?症状も医師が解説!

 公開日:2026/01/28
「子宮ポリープ」の短時間で終わる”検査”はご存じですか?症状も医師が解説!

ポリープと聞くと大腸や胃にできるものとイメージする方もいるのではないでしょうか。実は、子宮の入り口や子宮の内側にもポリープは発生します。

子宮にポリープがあると、どのような症状が現れ、日常生活はどう変化するのでしょうか。ポリープがあるのかを調べる検査やポリープの治療には、痛みが伴うのか不安に思う方もいるでしょう。

今回は子宮ポリープの検査・症状・治療について解説します。子宮内膜ポリープと子宮頸管ポリープの違いも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

馬場 敦志

監修医師
馬場 敦志(宮の沢スマイルレディースクリニック)

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筑波大学医学群医学類卒業 。その後、北海道内の病院に勤務。 2021年、北海道札幌市に「宮の沢スマイルレディースクリニック」を開院。 日本産科婦人科学会専門医。日本内視鏡外科学会、日本産科婦人科内視鏡学会の各会員。

子宮ポリープとは

子宮ポリープとは、子宮の入り口や内膜に発生するポリープです。発生する場所により子宮頸管ポリープ子宮内膜ポリープに分類されます。
子宮の入り口に近い、頸管に発生するのが子宮頸管ポリープです。不正出血を認めることもありますが、自覚症状がなく定期検診で発見されるケースも少なくありません。
子宮内膜ポリープは子宮の内膜に発生し、不正出血と過多月経が主な症状です。ポリープの大きさや位置によっては不妊症の原因になります。

子宮ポリープの検査

子宮ポリープと診断するには、がんをはじめとする別の病気との鑑別が必要です。子宮ポリープの可能性があるときには、どのような検査をするのでしょうか。
検査方法・所要時間・検査によってわかることを解説します。

子宮内膜ポリープ:SHG検査(超音波検査)

SHG(ソノヒステログラフィー)とは、子宮内に生理食塩水を注入し超音波検査を行う検査です。生理食塩水によって子宮内腔がふくらみ、突出している子宮内膜ポリープが超音波モニターに映し出されます。
通常の超音波検査ではわかりにくい病変の観察が可能な短時間で終わる検査です。

子宮内膜ポリープ:子宮鏡検査

腟から細いスコープを入れて子宮内腔を観察する検査です。ポリープの位置・大きさ・個数がわかります。
ファイバースコープを用いた子宮鏡検査は、外来または日帰り入院で実施可能です。検査時間は約5〜10分間程度、無麻酔で行います。
細さ3ミリ程のスコープを導入している医療機関では、検査前の子宮頸管を拡張するための前処置が不要で、従来よりも検査による痛みが少なくなりました。

子宮内膜ポリープ:子宮内膜組織診

子宮内膜組織診は内診台で子宮内膜表面の組織を掻き取り、顕微鏡でがんの有無を調べる検査です。
検査結果がわかるまでには1週間〜10日程かかり、細胞診だけでは診断できない、がんの有無を鑑別する重要な検査と位置づけられています。なお、乳がん治療薬のタモキシフェンを服用している患者さんで不正出血や子宮内膜の肥厚を認めた場合は、子宮内膜組織診が必須です。

子宮頸管ポリープ:内診

内診で見つかった子宮頸管ポリープは、基本的にはその場で切除が可能です。大きなサイズのポリープやポリープの根元が太い場合は、別日の切除となります。
切除したポリープは病理検査を行い、がんの有無がわかるのはおおよそ2週間後です。切除後に少量の出血が数日続くことがありますが、切除による痛みは少ないとされています。
別の疾患との鑑別が必要な場合は、切除前に経腟超音波検査を行うケースもあります。

子宮ポリープの症状

子宮ポリープの症状として、月経異常や生殖機能への影響が表れます。月経は他人と比較しにくいため、1人で悩んでおられる方もいるでしょう。
ここからは、子宮ポリープに見られる症状を紹介します。ご自身や身近な方に次のような症状がないか確認してみてください。

不正出血

不正出血とは、月経時期以外の出血です。正常な月経の周期は25日〜38日とされています。月経不順の女性は、不正出血との区別がつきにくいので注意が必要です。
血の混じったおりものが出たり、性交渉や激しい運動後に出血したりするタイプの不正出血もあります。頸管粘膜が増殖した子宮頸管ポリープは、接触によって出血しやすいのが特徴です。
内膜腺や血液を含む子宮内膜ポリープは、過多月経・不正出血を引き起こすことがあります。子宮がんをはじめ、子宮腺筋症や子宮筋腫などさまざまな病気の症状となりうる不正出血は、原因追究が重要です。
放置せず、婦人科で受診をおすすめします。

貧血

子宮内膜ポリープでは、過多月経や過長月経による貧血症状がみられる場合があります。過多月経とは、経血量が多い状態です。
月経が8日以上続く過長月経も出血量が多くなるため、貧血による息切れ・疲れやすさ・頭痛などの症状が現れることがあります。

不妊症

子宮内膜ポリープは、卵子に向かう精子の移動や受精卵の着床を妨げる原因になります。不妊症とは、避妊せずに性生活を続けて1年以上たっても妊娠に至らない状態です。
不妊症の原因には、男性因子・女性因子・原因不明のケースがあります。子宮内膜ポリープが原因となる不妊治療で第一選択となるのは、ポリープの切除です。

子宮ポリープの治療

子宮ポリープの治療は、経過観察や外科手術が一般的です。経過観察となった場合、切除しなくても問題ないのか不安になる方もいるかもしれません。
ここからは、経過観察・外科手術・手術によって切除したポリープの病理検査について紹介します。

経過観察

子宮ポリープは治療を必要とせず、経過を観察するケースもあります。経過観察になる子宮ポリープは、以下のとおりです。

  • 細胞診や組織診での異常がない
  • 自覚症状がなく、将来的に不正出血の原因となる可能性の低い形状をしている
  • ポリープのサイズが小さい

しかしながら、自然消滅するポリープはほぼありません。経過観察中にポリープが大きくなり、症状が出てきたときには、外科手術を検討します。

外科手術

子宮ポリープの外科手術の一般的な手法は、子宮鏡下切除術です。子宮鏡下切除術は腟から子宮のなかにスコープを入れ、子宮鏡の先端にある電気メスで病変を切除します。
ポリープの状態によっては、無麻酔での日帰り手術が可能です。外来での処置や日帰り手術がむずかしい場合は、入院して脊椎麻酔や硬膜外麻酔、全身麻酔下での手術となります。
一般的には2泊3日程度の短期入院となり、早期の社会復帰が可能です。

切除したポリープの病理検査

切除したポリープは、病理検査で細胞や組織の診断をします。病理検査で得られる情報は、以下のとおりです。

  • 良性か悪性かの判断
  • 悪性腫瘍の種類
  • 悪性腫瘍の範囲
  • 再発のリスク
  • 追加手術の必要性

外科手術の2〜3週間後に行う術後検診で、切除したポリープの病理検査の結果が伝えられます。

子宮ポリープの検査についてよくある質問

ここまで子宮ポリープの検査・症状・治療法などを紹介しました。ここでは「子宮ポリープの検査」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

検査のために受診するタイミングを教えてください。

月経がある年代の患者さんの子宮鏡検査は、月経周期によっては正確な所見が得られにくくなるおそれがあります。月経終了直後から排卵期までに検査するのが、ベストなタイミングです。一方、内診は月経中でも可能です。不正出血がみられたら、出血している状態でも躊躇せず婦人科で受診してください。

検査に痛みはありますか?

痛みをどう感じるかには個人差はありますが、子宮鏡検査は違和感や軽い生理痛程度の痛みと感じる患者さんがほとんどです。子宮内膜組織診は痛みを伴いますが、麻酔を必要としない程度の痛みが一般的です。痛みの少ない吸引組織診を行う医療機関もあります。

編集部まとめ

今回は子宮ポリープの検査や、子宮内膜・子宮頸管ポリープの症状・治療を解説しました。

検査には痛みを伴う場合もありますが、子宮ポリープは悪性腫瘍との鑑別が重要な疾患です。子宮頸がんと子宮体がんは、早期に発見できれば5年生存率は90%以上といわれています。

不正出血がある場合は、外来での処置や短期入院をしてポリープを切除します。経過観察となった場合も放置せず、子宮ポリープの大きさや形状の変化を定期的に確認することが大切です。

子宮ポリープと関連する病気

「子宮ポリープ」と関連する病気は6個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する病気

乳がん治療薬のタモキシフェンを服用中の患者さんの子宮内膜ポリープ出現率は8〜36%、そのなかの3〜10.7%に悪性所見がみられたと報告されています。

子宮ポリープと関連する症状

「子宮ポリープ」と関連している、似ている症状は6個程あります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 過多月経
  • 過長月経
  • 閉経後の性器出血
  • 貧血
  • 不妊症

不正出血や貧血を症状とする病気は多岐にわたり、重大な病気のサインであることも少なくありません。原因追究が重要になるため、できるだけ早い受診をおすすめします。

この記事の監修医師