「子宮ポリープ」は”手術”しないとダメ?妊娠への影響や主な症状も医師が解説!

子宮ポリープは手術が必要なのか、悪性の可能性はあるのかなど、不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。
子宮ポリープのほとんどは良性ですが、まれに悪性の場合もあるため注意が必要です。
子宮ポリープがみつかったときは、手術で切除して組織を検査し、がんかどうか確認することがあります。
本記事では、子宮ポリープの治療法・手術に加え、原因・症状・診断方法などについても解説するので、ぜひ参考にしてください。

監修医師:
馬場 敦志(宮の沢スマイルレディースクリニック)
目次 -INDEX-
子宮ポリープとは?
子宮ポリープは子宮にできる腫瘤で、子宮頸管ポリープと子宮内膜ポリープの2つに分けられます。子宮ポリープがどのような病気なのか、子宮頸管ポリープと子宮内膜ポリープそれぞれの特徴をみていきましょう。
子宮頸管ポリープ
子宮頸管の粘膜が部分的に増殖したもので、子宮の入り口部分である子宮頸管にポリープができます。大きさは1cm以下がほとんどですが、2~3cmになるケースもあるでしょう。
多くは赤みがかったピンク色で、やわらかく少しの刺激でも出血しやすい点が特徴です。検診の際に偶然発見されることもあり、複数個みつかるケースもあるでしょう。ほとんどは良性ですが、まれに悪性の場合もあります。
子宮頸管ポリープのうち、約0.1%で悪性腫瘍、約0.5%で子宮頸がんの前段階である異形成がみつかった報告もあります。良性か悪性かを肉眼だけで判断することは難しいケースが多いため、組織学的な検査による鑑別が大切です。
子宮内膜ポリープ
子宮の奥にある内膜に発生するポリープで、大きいものだと数cmになる場合があります。超音波検査で偶然みつかるケースもあり、複数個できることも珍しくありません。多くは良性ですが、一部は悪性の可能性もあるため注意が必要です。
閉経後女性の子宮内膜ポリープのうち、約1~10%で子宮体がんや子宮体がんの前段階である子宮内膜異型増殖症がみつかったという報告があります。
閉経後かつ乳がん治療薬のタモキシフェンを服用していると子宮内膜ポリープができやすく、3~10.7%が悪性だったという報告もあります。
出血や内膜肥厚などがみられるときは悪性の可能性も考慮し、組織学的検査を行った方がよいでしょう。また、子宮内膜ポリープが受精卵の着床を妨げ、不妊症を引き起こすことがあると考えられています。
原因不明の不妊症のうち、16.5~26.5%に子宮内膜ポリープがみられたと報告されています。不妊の原因がポリープの場合は、切除すれば妊娠率が高まる可能性があるでしょう。
子宮ポリープの治療法・手術
症状がなければ経過観察することもありますが、症状が出ている・不妊症の原因と考えられる・悪性の可能性がある場合などは治療を行います。治療法は、ホルモン治療と切除術です。
年齢・症状・妊娠希望などを考慮したうえで、適した治療法を選択します。
ホルモン治療
女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲスチンのホルモン剤を投与する、カウフマン療法とよばれるホルモン治療を行うことがあります。繰り返しホルモン剤を投与して月経のような出血を起こし、ポリープが出血と一緒にはがれ落ちることを期待します。
しかし、子宮ポリープに対するホルモン治療の有効性は確かではありません。何度か治療してもポリープが取り除けない場合は、切除術を行ったほうがよいでしょう。
切除術
症状改善や悪性かどうかの診断には、子宮鏡による切除術が有効です。腟から子宮内にスコープを入れ、ポリープを切除・摘出します。個数が少なかったり小さかったりする場合は、麻酔なしで日帰り手術できるケースが多いでしょう。
ポリープが大きい場合や切除時の出血多量の可能性がある場合は、入院して麻酔下で手術します。痛みは少ないケースがほとんどで、術後に少量の出血を伴うことがあります。切除しても数年で再発する場合があるので、術後も定期的に婦人科で受診しましょう。
子宮ポリープの原因・症状
子宮ポリープができる原因や症状には、どのようなものがあるのでしょうか。症状を知っておくと医療機関を受診する目安がわかり、早期発見・早期治療につながります。
子宮ポリープの原因・症状を解説するので、ぜひ参考にしてください。
原因
子宮頸管や子宮内膜にポリープができる原因は明らかになっていません。ただし、発症には女性ホルモンが深く関係していると考えられています。また、子宮内の炎症・分娩・流産・細菌感染などによる影響も指摘されています。
症状
子宮頸管ポリープ・子宮内膜ポリープに共通する主な症状は、不正出血です。しかし、目立った自覚症状が出ない方もいます。子宮頸管ポリープは組織がもろいため出血しやすく、排卵期・性交後・激しい運動後などに出血がみられることがあるでしょう。
膿のようなおりものが増えることもあります。一方、子宮内膜ポリープでは月経過多や月経過長がみられる場合があります。月経過多・月経過長により、貧血になる方もいるでしょう。
さらに、子宮内膜ポリープの大きさやできた位置によっては不妊を引き起こす可能性もあり、注意が必要です。
子宮ポリープの検査・診断方法
疑われる子宮ポリープの種類や悪性の可能性などによって、行う検査方法が異なります。子宮ポリープが疑われる場合は、次のような検査を行います。
- 腟鏡診
- 経腟超音波検査
- 子宮鏡検査
- 子宮内膜組織診
それぞれの検査・診断方法について、詳しくみていきましょう。
腟鏡診
腟鏡診は、子宮頸管ポリープの診断に用いられる検査です。腟鏡(クスコ)という細長い金属製の器具を腟の中に挿入し、腟内部や子宮の入り口の状態を確認します。子宮頸管ポリープがあれば、腟鏡診で判明します。
経腟超音波検査
子宮内膜ポリープの有無を確認するための検査です。腟の中に経腟プローブという細長い器具を挿入して超音波を当て、骨盤内を撮影します。おなかの上から超音波を当てるよりも鮮明な画像が得られるため、子宮内を詳しく観察するために重要な検査です。
経腟超音波検査では、子宮内膜ポリープの部分が白く映し出されます。子宮内膜が肥厚している時期に行うと子宮内膜とポリープの見分けが難しいため、月経終了直後から排卵期までに行います。
子宮鏡検査
超音波検査で子宮内膜ポリープが疑われる場合に行う検査で、直径5mm以下の細いスコープ(カメラ)を腟から子宮に挿入し、子宮の内側を観察します。子宮内の様子はモニターに映し出され、ポリープの有無・個数・位置・大きさ・表面の状態などを把握できます。
検査にかかる時間は5~10分程度と短く、麻酔なしで外来で行えるケースがほとんどです。子宮内の異常をみつけやすいよう、検査は月経終了から排卵期までの期間に行います。
子宮内膜組織診
子宮内膜の組織を採取して顕微鏡で検査する方法で、子宮体がんの確定診断に用いられます。子宮ポリープが悪性ではないことを確認するためには、子宮内膜組織診が重要です。
悪性の可能性が否定できない場合は切除術を行い、摘出したポリープを組織診で検査します。
子宮ポリープの手術についてよくある質問
ここまで子宮ポリープの治療法・症状・検査方法などを紹介しました。ここでは「子宮ポリープの手術」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
子宮ポリープはがん化することもありますか?
がん化する可能性はごくまれです。子宮ポリープのほとんどは良性です。ただし、閉経後女性の子宮内膜ポリープの一部には、悪性のものがみつかることがあります。子宮頸管ポリープでも、まれにがんが発見されることがあります。不正出血が続く場合や、サイズが直径1.5cm以上と大きい場合などは悪性の可能性が否定できないため、切除して組織診を行うことが重要です。
放置するとどうなりますか?
症状がなく悪性も否定できていれば経過観察も可能ですが、放置した結果不正出血を起こす可能性があります。また、不妊の原因となる場合があるため、妊娠を希望する方は放置せず検査を受けたほうがよいでしょう。症状が出ている場合や悪性が否定できていない場合は、切除して組織診で検査してもらうことをおすすめします。
編集部まとめ
子宮ポリープのほとんどは良性ですが、まれに悪性腫瘍の場合があります。また、子宮ポリープが不正出血や不妊を引き起こす可能性もあります。
ポリープが発見されたら、症状改善やがんを否定するためにも医療機関で検査・治療を受けることが大切です。
手術は難しいものではなく、大きさや個数などによっては外来でも行えます。
不正出血や月経異常などの症状がある方、ポリープの悪性を確認できていない方は、早めに婦人科で受診して検査・治療を受けましょう。
子宮ポリープと関連する病気
「子宮ポリープ」と関連する病気は3個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
いずれも子宮ポリープと同様、子宮の病気です。子宮筋腫は良性腫瘍で、子宮頸がん・子宮体がんは悪性腫瘍です。子宮ポリープが子宮のがんであるケースもまれにあるため、気になる症状があれば早めに医療機関を受診してください。
子宮ポリープ関連する症状
「子宮ポリープ」と関連している、似ている症状は5個程あります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
上記の症状は、子宮ポリープのほか子宮筋腫・子宮腺筋症・子宮のがんなどでもみられます。閉経後や月経時以外の不正出血や月経異常などの症状が続く場合は、医療機関で受診し検査を受けましょう。




