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「白血球が10000超え」は何のサイン?3つの原因と受診の目安を医師が解説!

 公開日:2026/04/15
「白血球が10000超え」は何のサイン?3つの原因と受診の目安を医師が解説!

白血球数が10000を超えたら?メディカルドック監修医が、風邪やストレスなどの原因、再検査の目安や疑われる病気を解説します。

上田 莉子

監修医師
上田 莉子(医師)

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関西医科大学卒業。滋賀医科大学医学部付属病院研修医修了。滋賀医科大学医学部付属病院糖尿病内分泌内科専修医、 京都岡本記念病院糖尿病内分泌内科医員、関西医科大学付属病院糖尿病科病院助教などを経て現職。日本糖尿病学会専門医、 日本内分泌学会内分泌代謝科専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本医師会認定産業医、日本専門医機構認定内分泌代謝・糖尿病内科領域 専門研修指導医、内科臨床研修指導医

白血球とは?

健康診断や定期採血で、「白血球が多い」と指摘された経験はありませんか。
そもそも白血球とは何で、どうなると白血球の数が増えるのでしょうか。また、どの程度までの白血球の値の上昇が危険で、どの程度までであれば様子見が可能なのでしょうか。
白血球の基準値は、3,300〜8,900 /μLです。
この記事では、白血球が10,000 /μLを超える場合に考えられる疾患や、受診すべき診療科について解説します。

血液中の白血球の役割と働き

白血球は、身体の免疫システムの主体となる細胞で、ウイルスや細菌などの外敵や、腫瘍細胞などと戦い身体を守るための主な戦力です。
例えば、細菌感染が起こると、白血球が感染の起こっている箇所まで血流に乗って集まり、細菌を食べるように白血球の中に取り込みます。また、細菌の持っている目印を記憶する白血球や、細菌を攻撃する「抗体」という武器を作って血中にばらまく白血球も存在しています。
このように、白血球には、様々な種類があります。

白血球の種類(好中球/好酸球/好塩基球/リンパ球/単球)

白血球の種類によって、戦うことのできる敵の種類や、戦う方法が異なります。白血球には、大きく分けて好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球・マクロファージという種類があります。

  • 好中球:白血球の約50〜70%を占めます。細菌感染の初期防御に関わり、病原体を取り込むことで殺菌します。主に細菌感染で増加する白血球です。急性のストレスでも増加することがあります。
  • 好酸球:主に寄生虫と戦う白血球です。他に、気管支喘息などのアレルギー性の病気に関与しています。寄生虫感染やアレルギー疾患で増加する白血球です。
  • 好塩基球:通常、白血球の中でも5%未満と最も少ないのが好塩基球です。炎症を起こす体内物質を放出することで、アレルギー反応に関与しています。
  • リンパ球:「免疫」といって身体を守る防御システムの構築の中心となる細胞です。NK細胞、B細胞、T細胞などに分かれます。
  • 単球・マクロファージ:血液中では単球、組織に移行するとマクロファージと呼ばれます。取り込んだ病原体の持つ特徴をリンパ球に教え、免疫システムを誘導します。

白血球の数は血液検査で調べられる?

白血球の数は血液検査で調べることができます。検査依頼の方法次第で、さらに詳細な白血球の種類ごとの調査もできます。

血液検査の「白血球数」の基準値と再検査が必要な数値・結果

ここまでは診断されたときの原因と対処法を紹介しました。再検査・精密検査を受診した方が良い結果がいくつかあります。以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。

血液検査の「白血球数」の基準値

白血球の基準値は、3,300〜8,900 /μL程度です。
男女別の基準値もありますが、白血球の場合数値間にさほど大きな差はないと考えてよいでしょう。
白血球の値が10,000 /μLを超えて感染症状を伴う場合や、何度測定しても10,000 /μLを超えている場合は、その他の症状を考慮して診断と治療ができる適切な医療機関を受診する必要があります。

血液検査の「白血球数」の異常値・再検査基準と内容

基準値の3,300〜8,900/μLを下回る場合、上回る場合は異常値と考え精査を進めます。

  • どのような検査を行うのか:発熱や咳、腹痛などの症状がある場合は感染症を疑い、胸部レントゲンやCT検査を追加します。感染症を積極的に疑いにくい場合は、白血球分画(種類)の検査を追加し、血液疾患が疑われる場合は腹部超音波(腹部エコー)や骨髄検査を行うこともあります。
  • 検査費用:項目や追加検査の種類によりますが、一般的な採血であれば数千円程度(3割負担時)です。
  • どこで再検査・精密検査を依頼するのか:総合内科や内科、場合によっては血液内科などで検査を依頼することが多いです。
  • 再検査・精密検査の緊急度:健康診断のコメントに従って速やかに受診してください。高熱や激しい痛みがある場合は即日の受診が必要です。
  • 再検査結果に応じた治療内容:細菌感染であれば抗菌薬治療、アレルギーであれば抗アレルギー薬、血液疾患であれば専門的な化学療法などが検討されます。

白血球数10000超えの時、体はどんな状態?

白血球が増える主なパターンには、

  • 身体を守るために白血球が増えている場合:細菌などが侵入し、それに対抗するために白血球が動員されています。白血球が多いこと自体での症状はないことがほとんどです。
  • 血液のがんで白血球が増えている場合:骨髄などで異常な白血球が無制限につくられています。夜間の寝汗や、意図しない体重減少などの症状が出る可能性があります。

白血球数が高くなる主な原因とは?

風邪や細菌・ウイルス感染症

呼吸器感染症、胃腸炎などの風邪では、白血球が身体を守るために増殖します。こうした感染症の場合、感染症が改善すれば白血球増加は数週間で元の状態に戻ることが多いです。一方で、肺炎に至ってしまったり、身体のどこかで細菌のたまり(膿)が出来てしまったりした場合は、白血球増加が長引くことがあります。

ストレスや喫煙などの生活習慣

ストレスが大きい時や、喫煙をしている場合にも、白血球数が高くなることがあります。この場合は、詳しい白血球の種類を検査して異常ながん細胞の有無を確認し、異常がなければ経過観察となる場合も多いです。禁煙を継続した後、白血球数が低下するのを確認して診断をつけます。

薬の副作用やアレルギー反応

薬の副作用やアレルギー反応でも、白血球が上がることがあります。薬は、ステロイドの含まれる薬剤で、白血球増加がよくみられます。また、アレルギーでは好酸球という種類の白血球が上昇しやすいです。この場合も、白血球をその種類までみることで原因を推定することができます。

「白血球数」の異常で気をつけたい病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「白血球数の増加」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

白血球増加症

白血球増加症とは、末梢血中の白血球数が正常上限を超えて増加している状態を指します。成人では一般的に白血球数が10,000/μL以上で白血球増加症と呼ばれます。まずは内科を受診し、炎症反応(CRP)などの数値と合わせて原因を調べます。数値が極端に高い場合は血液内科の精査が必要です。

肺炎・気管支炎

肺炎や気管支炎は、肺や気管支という肺の手前の部分に病原体が感染し起こる病気です。身体を守るために白血球数が異常値を示します。発熱や咳、痰が増えたり、呼吸困難感が出たりするのが特徴です。通常の風邪が1週間以上長引いていて、かつ悪化傾向にあるときは内科や呼吸器内科を受診してください。

虫垂炎

虫垂炎は、腸の虫垂と言う場所に炎症が起こり、腹痛や嘔気・嘔吐をきたす病気です。俗に「盲腸」と呼ばれます。身体を守るために白血球数が異常値を示します。むかつきをともなう心窩部不快感や、腹痛があり、発熱を伴う場合は、内科や消化器内科を受診してください。

膀胱炎・腎盂腎炎

膀胱炎は、膀胱に病原体が繁殖して炎症が起こる病気で、排尿時の痛みや頻尿をきたします。腎盂腎炎は腎臓の一部に感染をきたし、発熱や倦怠感、悪寒などを起こします。重症感染症に発展しやすいため、内科や泌尿器科を早期に受診する必要があります。

白血病

白血病は、白血球のがんであり、白血病細胞が異常に増殖してしまう病気です。寝汗、体重減少、随伴して血小板が増えている場合は、脳梗塞を発症する危険性もあります。また、異常な白血球が増えるため正常な白血球が少なくなり、感染症にかかりやすくなります。血液内科での迅速な診断と治療が必要です。

膠原病

白血球が増加する膠原病には、成人Still病(高熱、皮疹、関節痛)、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(喘息、好酸球増加)、リウマチ性多発筋痛症(肩の痛み)などがあります。これらの疾患が疑われる場合には、内科、とくに膠原病内科を受診します。

「白血球数が10000超えた」時の正しい対処法・改善法は?

白血球数増加がみられた場合、まずは、風邪など感染症に罹患していないか体調を確認します。そうでなければ、普段飲んでいる薬で白血球が増える作用のあるものがないか、他に随伴する症状がないかを確認しましょう。タバコを吸っている方は、タバコを辞めてみるのも方法のひとつです。十分な睡眠とバランスの取れた食事をとり、過度なストレスを避ける生活を心がけてください。

「白血球数が10000超え」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「白血球数が10000超え」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

白血球が多すぎると、自覚症状としてどんなことが起こりますか?

上田 莉子医師上田 莉子(医師)

白血球数が増えているだけで起こる症状はありません。しかし、感染症などから身体を守るために増えている場合は、発熱や咽頭痛、腹痛などの症状が現れる場合があります。血液のがんで増えている場合(白血病)は、寝汗や体重減少、感染症にかかりやすくなるなどの症状が生じることが多いです。膠原病でも皮疹や喘息などの様々な症状が出現します。疑わしい場合、なるべく早く病院を受診してください。

白血球数はいくつから異常値と言えますか?

上田 莉子医師上田 莉子(医師)

10,000 /μL程度を超えたり、3000 /μLを下回ったりした場合、さらに白血球の種類を精査したりするなど注意して診ることが多いです。

血液検査で白血球が1万近い数値でした。血液内科を受診すべきでしょうか?

上田 莉子医師上田 莉子(医師)

まずは一般内科を受診して、随伴する症状があれば診察してもらったうえで、必要に応じて白血球の種類(白血球分画)を検査してもらいましょう。その結果次第で、血液内科の受診を考慮するのでよいと考えます。

まとめ 健康診断で「白血球数が10000超え」と言われたら随伴する症状に注目!

白血球数が増えている場合、随伴する症状に注意が必要です。病院では、感染症らしさや白血病らしさを問診や身体診察で確認した後、血液検査や画像検査を追加して診断を進めていきます。白血球が多いと言われたら、まずは内科を受診し、重大な病気が隠れていないかを精査してもらいましょう。

「白血球数が10000超え」に関連する病気

「白血球数が10000超え」から医師が考えられる病気は11個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

消化器系の病気

お腹の炎症に関連する疾患

呼吸器・泌尿器系の病気

感染症に関連する疾患

血液・膠原病系の病気

全身性の疾患

  • 白血球増多症
  • 成人Still病
  • 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
  • リウマチ性多発筋痛症

一言:随伴する症状に特徴的なものがあれば、血液疾患や膠原病系が否定できません。特に、寝汗や皮疹、関節痛など疑わしい症状がある場合は早めに病院を受診してください。

「白血球数」に関連する症状

「白血球数」に関連する症状は10個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

白血球数増加に伴うサイン

一言:悪寒戦慄というのは、歯ががたがたいうほど震えるという状態です。皮疹や寝汗、関節痛なども危険な病気のサインですので、早めに医療機関を受診しましょう。

この記事の監修医師