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「納豆」で「尿酸値」はどうなる?控えた方が良い食べ物と対処法も医師が解説!

 公開日:2026/03/26
「納豆」で「尿酸値」はどうなる?控えた方が良い食べ物と対処法も医師が解説!

尿酸値が高いと納豆は控えるべき?メディカルドック監修医が、納豆と尿酸値の関係や、豆腐などの大豆製品が痛風に与える影響、正しい食事のポイントを解説します

伊藤 陽子

監修医師
伊藤 陽子(医師)

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浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

尿酸値とは?

尿酸値とは血液中の尿酸の濃度の値です。尿酸とはプリン体という物質が体内での代謝後に残った老廃物です。プリン体は核酸やアデノシン三リン酸(ATP)の構成成分です。ATPは体を動かすエネルギー源となる物質であり、核酸はDNAやRNAといった遺伝情報を伝える物質でありどちらも体内で重要な役割を担っています。

プリン体は体内で作られる以外にも、食べ物からも取り込まれます。プリン体の過剰摂取は尿酸値を上げるリスク因子です。尿酸値の高い状態が続くと、痛風発作や痛風結節が起こりやすいです。また、高尿酸血症は高血圧、慢性腎臓病、心疾患、脳梗塞などを合併しやすいことがわかっています。

尿酸値が高くなる仕組みと原因

尿酸値が高くなる原因は、尿酸の排泄と産生のバランスが崩れることです。尿酸の産生が過剰になる主な原因は、プリン体や肉類、内臓類の過剰摂取やアルコールの過剰飲酒などです。慢性腎臓病は尿酸の排泄が低下します。また、肥満やメタボリックシンドロームでは、尿酸の産生亢進と尿酸排泄低下の両方が影響し尿酸値が高くなります。このように、尿酸の排泄と産生のバランスが崩れることで尿酸値が高くなるのです。

尿酸値が高い状態を放置すると痛風以外にも健康リスクが

尿酸値が高い状態で放置されると、痛風以外にも健康リスクが生じる危険があります。尿酸値が高い状態が持続することは、尿酸が関節や臓器に沈着して痛風関節炎をおこしたり、腎障害などを発症するリスクとなります。

また、メタボリックシンドローム、高血圧、糖尿病、心疾患や脳血管障害などが合併しやすいです。

納豆を食べると尿酸値は上がる?

納豆はプリン体含有量が中等度に分類される食品です。
納豆は適量の摂取では尿酸値には影響がないと言われています。
しかし、1日に何個も摂取したり、肉や魚などの主菜にプラスして納豆を食べるなどの組み合わせでは、プリン体の過剰摂取になり、尿酸値を上げる可能性があります。

納豆に含まれるプリン体と尿酸値の関係

納豆は100g中にプリン体を113.9mg含む食品です。プリン体含有量は中程度です。
プリン体は体内で分解されると尿酸になります。プリン体の過剰摂取は尿酸値が上がる原因の一つです。
納豆1パック(40g)中のプリン体はおよそ45.6mgと多くないです。しかし肉や魚などプリン体が多い食品との組み合わせによっては、1日のプリン体の摂取量が過剰になる可能性があります。

含有量の目安 含有量(100gあたり) 代表的な食品
極めて多い 300mg~ 鶏レバー、干物(マイワシ)、白子(イサキ、ふぐ、たら)、あんこう(肝酒蒸し)、太刀魚、健康食品(DNA/RNA、ビール酵母、クロレラ、スピルリナ、ローヤルゼリー)など
多い 200~300mg 豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシ、大正エビ、オキアミ、干物(マアジ、サンマ)など
中程度 100~200mg 肉(豚、牛、鶏)類の多くの部位、魚類、納豆、ほうれんそう、ブロッコリースプラウトなど
少ない 50~100mg 肉類の一部(豚、牛、羊)、魚類の一部、加工肉類、ほうれんそう(葉)、カリフラワー
極めて少ない ~50mg 野菜類全般、米などの穀類、卵(鶏、うずら)、乳製品、豆類、きのこ類、豆腐など

尿酸値が高い人が納豆を食べ過ぎるとどうなる?

納豆を1日1パック(40g)の摂取であれば、尿酸値に影響を与えないと報告されています。
納豆1パック(40g)のプリン体含有量は45.6mgです。納豆1パック(40g)あたりのプリン体含有量は多くありません。

また、大豆たんぱく80gの摂取では尿酸値が上がるという報告もあります。大豆たんぱく80gの摂取ではプリン体の過剰な摂取になり、尿酸値の上昇につながる可能性も考えられます。

納豆を1日に2パック、3パックと大量に摂取すると、プリン体の摂取量は多くなりがちです。

納豆の摂取は1日1パック(40g)程度とすることがおすすめです。

尿酸値が高い人でも納豆や豆腐などの大豆製品を食べてよい?

乾燥大豆100g中にはプリン体が172.5mg、納豆100g中にはプリン体が113.9mg、豆腐100g中にはプリン体が20.0mg含まれています。
大豆そのものより大豆製品の方がプリン体の含有量は少ないです。これは大豆を加工する際の変化によるものと考えられています。また、大豆製品は水分量が多いほど、プリン体の含有量が少ないです。

プリン体は体内で分解されると尿酸になり、プリン体の過剰摂取は尿酸値を上げるといわれています。そのため、尿酸値が高い場合にはプリン体の摂取量を制限することが推奨されています。

納豆や豆腐はプリン体を含む食品です。尿酸値が高いからといって、プリン体を含む食品を食べてはいけないわけではありません。プリン体の1日の摂取推奨量は400mgです。納豆や豆腐以外の食品も合わせて推奨量におさまるように摂取しましょう。

大豆製品と痛風リスクの関係性は?

大豆製品は肉や魚に比べるとプリン体含有量が少ない食品です。
肉や魚を80〜100g使った主菜にすると、プリン体およそ140〜180mgになります。大豆製品のプリン体は、納豆1パック(40g)は45.6mg、豆腐100gでは20.0mgです。
プリン体は体内で分解されると尿酸になり、プリン体の過剰摂取は尿酸値を上げるといわれています。尿酸値が高い状態が続くことは、痛風発作を発症するリスク因子です。
1日に1食でも大豆製品を主菜に置き換えると、プリン体の1日の摂取推奨量の400mg以下を達成しやすくなります。

納豆と一緒に摂ることで尿酸値を「下げる」効果が期待できる食品とは?

尿酸値を下げる効果が期待できる食品は、食物繊維、乳製品(特に低脂肪の乳製品)などです。

食物繊維の摂取量が多いほど、高尿酸血症の発症リスクが低いと報告されています。野菜や海藻、きのこは食物繊維を多く含む食品です。また、野菜や海藻などは、尿をアルカリ化させる作用があり、これらを多く摂ることで、尿酸の排泄が高まり尿酸値が下がりやすくなります。

ヨーグルトにはプリン体の吸収を抑制する作用、牛乳は尿酸の排泄を促進する作用があり、尿酸値を低下させる効果が期待できると報告されています。ただし、乳製品の過剰摂取はカロリーオーバーにつながる可能性があるため、食べすぎにならないよう注意してください。

また、DASH食(野菜、果物、ナッツ、低脂肪乳製品、全粒穀類、鞘豆類を多く摂り、肉類、食塩、甘味飲料を減らした食事)や地中海食(野菜、果物、ナッツ、全粒穀物、豆類を毎日、魚を週2回食べ、肉類、菓子類の摂取が少ない食事)は尿酸値を低下させる食事スタイルであると報告されています。

尿酸値が高い人が控えたほうが良い食品とは?

尿酸値が高い人が控えた方が良い食品は、プリン体を多く含む食品や果糖、アルコールなどです。また、過剰なエネルギー摂取にならないよう適正量のエネルギー摂取にしましょう。

プリン体を多く含む食品は肉類や魚類、レバーなどの内臓、白子などです。100g中のプリン体の含有量が中程度や少ない食品でも、多量の摂取はプリン体の摂取量も過剰になってしまうため、摂取量にも注意しましょう。プリン体の一日の推奨摂取量は400mg程度です。

果糖は代謝される際にプリン体の分解が亢進し、尿酸値を上げるといわれています。果糖を含むジュース類や果物のジュース類は控えましょう。

アルコールは体内で代謝される際にプリン体の分解が亢進することや、尿酸の排泄を低下させるため尿酸値が上がりやすくなります。また、ビールはプリン体を多く含むので、アルコールの中でも尿酸値を増加させやすいです。
アルコールの摂取量の目安は1日に日本酒なら1合、ビールなら350〜500ml(販売元によりプリン体の含有量は異なります。)、ウィスキーなら60mlです。

肥満やメタボリックシンドロームがあると、尿酸値が高いことが報告されています。適正量のエネルギー摂取にすることで尿酸値低下の効果が期待できます。

「尿酸値」の異常で気をつけたい病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「尿酸値」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

高尿酸血症・痛風

高尿酸血症の診断は、血清尿酸値が7.0mg/dL以上です。高尿酸血症が進行し、関節や臓器に結晶化した尿酸がたまり、炎症を起こした状態が痛風発作です。痛風発作は足の親指の付け根に激痛や発赤が現れることが多いです。

高尿酸血症・痛風の発症は、メタボリックシンドロームや過剰飲酒、過食などの生活習慣、遺伝が影響します。

高尿酸血症・痛風は生活習慣病です。生活習慣の改善が重要です。食事では適正量のエネルギー摂取、飲酒制限、プリン体や果糖の適量摂取、適正量の水分補給などが大切です。

健康診断などで尿酸値の高値を指摘されたら、はやめに内科を受診しましょう。足の親指の付け根に突然痛みがでるなど、痛風発作の疑いがある場合は整形外科や内科を受診しましょう。

尿路結石

尿路結石とは、尿路(腎臓・尿管・尿道・膀胱)に結石ができる病気です。腰背部の激痛や血尿が出るなどの症状が現れます。高尿酸血症の主な原因は食習慣の乱れ、遺伝などです。

尿路結石は再発率が高いといわれています。再発を予防するには食事や適度な運動など、生活習慣の改善を行います。食事で気をつけることは、1日2000mL以上の飲水、バランスのよい食事、動物性たんぱく質の過剰摂取をしない、減塩、肥満を解消するなどです。

結石が小さい場合は、自然に排出される場合があります。背中に激痛が現れたり、血尿がある場合はすみやかに泌尿器科を受診しましょう。

慢性腎臓病(CKD)

慢性腎臓病(CKD)は腎臓の働きの低下やタンパク尿が出るなど腎臓の障害が持続した状態です。腎臓の機能が低下すると、尿酸の排泄が低下し、尿酸値が上がる場合が多いです。反対に尿酸値が高いことが腎機能の低下に関連することも報告されています。

慢性腎臓病(CKD)の主な原因は高血圧や糖尿病、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病、喫煙などです。

慢性腎臓病(CKD)の食事療法として、減塩、たんぱく質やエネルギーを適正量摂取することが大切です。尿酸値の高値や腎機能の低下を指摘されたり、むくみや倦怠感、貧血などの症状がある場合は、早めに腎臓内科を受診しましょう。

尿酸値を効率よく下げるための正しい対処法は?

医療機関の受診と投薬治療

尿酸値が高くても、自覚症状はない場合が多いです。しかし、自覚症状がなくとも尿酸値が高い状態が続くと、痛風発作や腎不全などの合併症を発症するリスク因子になります。

治療は生活習慣の改善と、合併症の有無など必要に応じて投薬治療を行います。高血圧など生活習慣病や虚血性心疾患などの合併症がある場合は、尿酸値が8.0mg/dL以上から、尿酸値が9.0mg/dL以上を持続する場合は痛風発作の発症高リスクになるため、投薬治療が検討されます。

水分補給と尿量の確保

尿量が1日2000ml以上になるように、十分な水分補給をしましょう。十分な水分摂取は、尿中の尿酸濃度を低下させる効果があるといわれています。水・お茶などを十分に摂りましょう。

ただし腎臓病や心臓病があり、水分制限の指示がある場合は医師の指示に従ってください。

ジュース類、砂糖入りのコーヒーや紅茶、スポーツドリンク、果汁ジュースなどでの水分補給はおすすめしません。果糖を多く含むものが多く、尿酸値を上げやすいためです。

運動やストレスの管理法

運動はメタボリックシンドロームを改善し、尿酸値を下げる効果が期待されます。一方で、筋トレなど短時間の高強度の運動では、尿酸値が上がりやすくなるといわれています。尿酸値を下げる効果が期待できる運動は、ウォーキングや軽いランニングなどの有酸素運動です。ストレスや睡眠不足も尿酸値が高くなる原因の一つといわれています。

「尿酸値と納豆」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「尿酸値と納豆」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

痛風持ちなのですが、納豆は食べても大丈夫でしょうか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

納豆を1日1パック(40g)の摂取であれば、尿酸値に影響を与えないという報告があります。ただし、肉や魚の過剰摂取など、他のプリン体を含む食品との組み合わせに注意が必要です。

尿酸値7以上の人が1日1パック以上納豆を食べると危険ですか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

納豆1パック(40g)のプリン体含有量は45.6mgであまり多くはありません。他の食品との組み合わせにもよりますが、1日に1パック(40g)の摂取であれば、尿酸値に影響を与えないという報告があります。2パック以上の摂取ではプリン体の過剰摂取につながることもあり、尿酸値を上げる可能性があります。1日に納豆は1パック(40g)までの摂取がおすすめです。

豆腐と納豆なら、どちらの方が尿酸値に影響が少ないでしょうか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

100gあたりのプリン体の含有量で比べると、納豆100g中にはプリン体が113.9mg、豆腐100g中にはプリン体が20.0mg含まれています。同じ量を摂取するのであれば、豆腐の方がプリン体の含有量は少なくなり、尿酸値に影響が少ないと考えられます。プリン体の含有量が少なくても、多量の摂取ではプリン体の摂取量が増えるため、適量の摂取がおすすめです。

まとめ 納豆と尿酸値のポイントは適量になるように組み合わせた摂取にしましょう!

納豆のプリン体含有量は中等度です。尿酸値が高いからといって、プリン体を含む食品を食べてはいけないわけではありません。また、プリン体の含有量が多くないからといって、多量に摂取していいわけでもありません。
高尿酸血症の食事療法で推奨されているプリン体の1日の摂取量は400mgです。プリン体は肉や魚などに多く含まれています。納豆以外の食品と合わせて1日のプリン体の推奨量におさまるように摂取しましょう。

「尿酸値」に関連する病気

「尿酸値」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

整形外科

泌尿器科

循環器科

腎臓内科

内分泌内科

尿酸値が高い状態が続くと、痛風発作や腎臓病を発症するリスクが高くなります。また、メタボリックシンドロームや糖尿病などの生活習慣病を合併していると、動脈硬化が進みやすくなるといわれています。動脈硬化の進行は脳や心疾患を発症するリスク因子です。尿酸値の高値を指摘されたら、はやめに医療機関を受診しましょう。

「尿酸値」に関連する症状

「尿酸値」から医師が考えられる症状は6個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

尿酸値異常に伴うサイン

尿酸値が高い状態が続くと、痛風発作を発症する高リスクの状態です。また、尿酸の結晶が腎臓に沈着して起こる痛風腎や高血圧など、ほかの病気を発症するリスク因子にもなります。また、腎機能の低下などによって尿酸値が高くなる場合もあります。上記のような症状が現れたらすみやかに医療機関を受診しましょう。

この記事の監修医師