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「眼底検査(散瞳検査)後」は”要注意”?当日の過ごし方と見つかる病気を医師が解説!

 公開日:2026/03/02
「眼底検査(散瞳検査)後」は”要注意”?当日の過ごし方と見つかる病気を医師が解説!

眼底検査後の注意点はご存じですか?メディカルドック監修医が眼底検査の種類と基本的な流れ、検査後の注意点、見つかる病気、検査後の対処法などを解説します。

栗原 大智

監修医師
栗原 大智(医師)

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2017年、横浜市立大学医学部卒業。済生会横浜市南部病院にて初期研修修了。2019年、横浜市立大学眼科学教室に入局。日々の診察の傍らライターとしても活動しており、m3や日経メディカルなどでも連載中。「視界の質=Quality of vision(QOV)」を下げないため、診察はもちろん、SNSなどを通じて眼科関連の情報発信の重要性を感じ、日々情報発信にも努めている。日本眼科学会専門医。

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眼底検査とは?

眼底検査とは、目の奥にある眼底と呼ばれる部分を直接観察する検査です。眼底には、網膜・視神経・血管など、視力にとって重要な組織が集まっており、さまざまな目の病気だけでなく、全身の病気のサインが現れることもあります。自覚症状が少ない段階の異常を見つけるためにも、眼底検査は重要な役割を果たします。

眼底検査の目的と重要性

眼底検査では、目の奥にある網膜、視神経、血管の状態を詳しく確認します。これにより、単に「見えているかどうか」だけでなく、視力低下の原因や、将来的に視力へ影響する可能性のある異常を評価することができます。具体的には、網膜に出血やむくみがないか、視神経にダメージが起きていないか、血管が細くなったり曲がったりしていないかといった点を観察します。眼底検査によって、緑内障や糖尿病網膜症、加齢黄斑変性、網膜剥離、視神経の異常などの兆候を早期に発見できることがあります。また、高血圧や糖尿病など全身疾患の影響が目に現れていないかを確認する目的でも行われます。

眼底検査の種類と基本的な流れ

眼底検査には、大きく分けて散瞳薬を使用する検査と散瞳薬を使わない検査があります。
散瞳薬を使用する検査では、点眼薬で瞳孔を一時的に広げ、眼底を隅々まで詳しく観察します。視野の周辺部まで確認できるため、精密な検査が可能です。一方、散瞳薬を使わない検査では、瞳孔を広げずに撮影や観察を行うため、検査後すぐに日常生活に戻りやすいという利点がありますが、観察できる範囲は限られます。
検査自体は数分程度で終わることが多く、散瞳薬を使用する場合は、点眼後に20〜30分ほど待ってから検査を行います。検査前に特別な準備は不要ですが、散瞳検査が予定されている場合は、当日の運転を控える必要があります。

眼底検査後は何に注意すれば良い?

眼底検査、とくに散瞳薬を使用した検査の後は、一時的に見え方が変化することがあります。多くは時間とともに自然に回復しますが、検査後の過ごし方にはいくつか注意点があります。

散瞳薬を使用する眼底検査(散瞳検査)後の目の状態と注意点

散瞳薬を使用すると、瞳孔が大きく開いた状態になります。この影響は個人差がありますが、通常は数時間から半日程度続き、長い場合は翌日まで残ることもあります。散瞳中は、ピントが合いにくくなり、特に近くが見えづらく感じることがあります。また、光がまぶしく感じやすくなるのも特徴です。これらは薬の作用による一時的なもので、時間が経てば自然に元に戻ります。翌日にはほとんどの場合、通常の見え方に戻りますが、まれに違和感が続く場合があり、その場合は眼科へ相談しましょう。

眼底検査後の行動・日常生活に対する注意点

眼底検査後はさまざまな注意点があります。

  • 検査当日の運転:散瞳薬の影響で視界がぼやけるため、車やバイクの運転は避けましょう。
  • 仕事や日常生活:細かい作業や長時間の画面作業は、見えにくさを感じることがあります。
  • 屋外での眩しさ対策:光を強くまぶしく感じやすいため、サングラスや帽子を使用すると楽に過ごせます。
  • スマートフォンやパソコンの使用:使用自体も禁止ではありませんが、無理をせず、目が疲れたら休憩を取ることが大切です。
  • コンタクトレンズ:検査当日の装用は控えるようにしましょう。
  • 目薬:普段使用している点眼薬であれば問題ないことが多いですが、新たに使用する場合は医師に確認すると安心です。

このように、さまざまな注意点があるため、疑問点があれば主治医に相談しましょう。

「眼底検査」の主な結果と再検査が必要な所見・分類例

ここまでは診断されたときの原因と対処法を紹介しました。再検査・精密検査を受診した方が良い結果がいくつかあります。以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。

「眼底検査」の結果と所見・分類例

正常な眼底では、網膜に出血やむくみがなく、視神経乳頭の形や色も問題ありません。血管の太さや走行にも異常がみられず、黄斑部(ものを見る中心部分)もはっきり確認できます。このような場合は、特に治療や追加検査は不要で、定期的な検査で経過観察を行います。
一方で、眼底検査で注意が必要なのは、網膜出血、黄斑部の変化、視神経の陥凹拡大、血管の狭細化や蛇行などが認められた場合です。例えば、出血や白い斑点が見られる場合は糖尿病網膜症や高血圧性変化が疑われますし、視神経の異常は緑内障の可能性を示します。黄斑部に異常がある場合は、加齢黄斑変性など、視力に直結する病気が隠れていることもあります。これらの所見がある場合は、放置せず詳しい検査が必要になります。

「眼底検査」で異常が見つかった場合の所見・分類や精密検査が必要な内容

眼底検査で異常を指摘された場合は、その内容に応じて再検査や精密検査が行われます。眼底検査は異常を見つけるための検査であり、原因や重症度を詳しく調べるために追加の検査が必要になることがあります。精密検査では、OCT(光干渉断層計)で網膜や視神経の状態を詳しく調べたり、視野検査で見える範囲を確認したりします。検査費用は内容によって異なりますが、保険診療であれば数千円程度が一般的で、複数の検査を行うと1万円前後になることもあります。再検査や精密検査は、多くの場合、最初に受診した眼科で受けられますが、専門的な治療が必要な場合は病院を紹介されることもあります。受診の緊急度は所見によって異なり、急な視力低下や出血が疑われる場合は早急な受診が必要です。一方、軽度の変化であれば、数週間から数か月以内の再検査となることもあります。再検査の結果、経過観察のみで済む場合もあれば、点眼治療やレーザー治療、注射、手術などが必要になることもあります。異常を指摘された際は、受診のタイミングや治療の必要性について医師の説明をよく確認することが大切です。

「眼底検査」で見つかる病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「眼底検査」で見つかる病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

網膜剥離

網膜剥離は、目の奥にある網膜が本来の位置からはがれてしまう病気です。網膜は光を感じ取り、映像を脳へ伝える重要な役割を担っているため、剥離が進行すると視力が大きく低下します。強い近視がある方や加齢、目の外傷、網膜に小さな穴が開いていることなどが主な原因です。初期の段階であればレーザー治療で進行を防げる場合もありますが、剥離が進んでいる場合は手術が必要になります。急に飛蚊症が増えた、稲妻のような光が見える、視野の一部が欠けたと感じた場合は、できるだけ早く眼科を受診することが重要です。

緑内障

緑内障は、視神経が徐々に障害され、視野が少しずつ狭くなっていく病気です。眼圧の上昇が主な原因とされていますが、眼圧が正常でも発症するタイプもあります。初期にはほとんど自覚症状がなく、気づかないうちに進行するのが特徴です。治療は眼圧を下げる点眼薬が基本で、進行度によってはレーザー治療や手術が行われることもあります。一度失われた視野は元に戻らないため、健康診断や眼底検査で指摘された場合は早めに眼科を受診しましょう。

白内障

白内障は、水晶体が濁ることで視界がかすんだり、まぶしさを強く感じたりする病気です。最も多い原因は加齢ですが、糖尿病、外傷、薬の影響などによって起こることもあります。進行はゆっくりなことが多く、初期は日常生活に大きな支障が出ない場合もあります。見えにくさが進み、生活に不便を感じるようになった段階で手術が検討され、濁った水晶体を人工レンズに入れ替える治療が行われます。見え方の変化やまぶしさが気になり始めたら、眼科で相談しましょう。

ぶどう膜炎

ぶどう膜炎は、虹彩や毛様体、脈絡膜といったぶどう膜に炎症が起こる病気です。自己免疫疾患や感染症が原因となることもありますが、原因が特定できない場合も少なくありません。目の充血や痛み、かすみ、まぶしさなどの症状が比較的急に現れるのが特徴です。治療は炎症を抑える点眼薬や内服薬が中心で、原因に応じて抗菌薬や免疫を調整する治療が行われることもあります。症状を放置すると視力低下につながることがあるため、異変を感じたら早めの受診が必要です。

糖尿病網膜症

糖尿病網膜症は、糖尿病による血管障害が網膜に起こる病気です。血糖値が高い状態が続くことで網膜の血管が傷み、出血やむくみが生じます。初期には自覚症状がほとんどありませんが、進行すると視力低下や失明の原因になることがあります。治療の基本は血糖コントロールで、進行度に応じてレーザー治療や注射治療、手術が行われます。糖尿病と診断された方は症状がなくても定期的に眼底検査を受け、見えにくさを感じた場合は早めに眼科を受診しましょう。

「眼底検査後」の正しい対処法・不調時の改善法は?

眼底検査・散瞳検査後の正しい過ごし方

眼底検査、とくに散瞳薬を使用した検査の後は、数時間から半日ほど、見え方が一時的に変化することがあります。これは薬の作用によるもので、多くの場合は時間の経過とともに自然に回復します。検査当日は無理をせず、目を休ませることを意識して過ごすことが大切です。散瞳中はピントが合いにくく、特に近くの文字が見えづらくなることがあります。そのため、細かい作業や長時間の読書、スマートフォンの操作は控えめにしましょう。また、車やバイク、自転車の運転は視界が不安定になるため避けてください。屋外では光をまぶしく感じやすいため、サングラスや帽子を使うと楽に過ごせます。

眼底検査の散瞳薬の影響で視界が不安定な場合の対処法

散瞳薬の影響で視界がぼやけたり、まぶしさを強く感じたりする場合は、無理に目を使わず、自然に回復するのを待つことが基本です。明るい場所では照明を少し落としたり、屋外では日差しを避けたりすると症状が和らぐことがあります。スマートフォンやパソコンの使用は完全に禁止ではありませんが、画面との距離を保ち、短時間で区切るようにしましょう。目が疲れたり違和感を覚えたりした場合は、すぐに使用を中断してください。普段使用している点眼薬がある場合は、医師から特別な指示がなければ使用しても問題ありません。

眼底検査後の目・体調に異常があった場合の対処法

眼底検査後の不快感の多くは一時的なものですが、強い症状や違和感が続く場合は注意が必要です。

  • 強い目の痛み、急激な視力低下、激しい頭痛、吐き気、片側の目だけの異常が現れた場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
  • 目のかすみやまぶしさが長時間続く場合や、目の充血や痛みが強い場合は眼科を受診してください。
  • 激しい頭痛やしびれ、意識の異常など、目以外の症状を伴う場合は、内科や脳神経内科などの受診が必要になることもあります。

「眼底検査後の注意」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「眼底検査後の注意」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

眼底検査後に視界がぼやけるとき、症状は翌日まで残りますか?

栗原 大智栗原 大智 医師

散瞳薬を使用した眼底検査後は、数時間から半日ほど視界がぼやけたり、まぶしく感じたりすることがあります。多くの場合は当日中に回復しますが、中には翌日まで軽い見えにくさが残ることもあります。通常は自然に改善しますが、翌日になっても見えにくさが続く場合は、眼科へ相談しましょう。

散瞳検査の後、車の運転やスマホを見るのは控えた方が良いですか?

栗原 大智栗原 大智 医師

散瞳検査当日の車やバイク、自転車の運転は控えてください。見えにくさやまぶしさによって、事故のリスクが高まるためです。スマートフォンやパソコンの使用は絶対に禁止ではありませんが、ピントが合いにくく目が疲れやすいため、短時間にとどめ、無理をしないことが大切です。

眼底検査後は何時間後からコンタクトを使用できますか?

栗原 大智栗原 大智 医師

診察後すぐにコンタクトレンズをしても問題ありません。しかし、コンタクトレンズをしても見えにくさはありますので、その点は知っておくとよいでしょう。

遠視が強い人が瞳孔を開く眼底検査を受けると急性緑内障になる危険性がありますか?

栗原 大智栗原 大智 医師

遠視が強い方は、もともと眼内の構造上、急性緑内障を起こしやすい場合があります。そのため、散瞳薬の使用によって眼圧が上昇するリスクが完全にゼロとはいえません。ただし、眼科では事前にリスクを確認し、慎重に検査を行います。検査後に強い目の痛みや頭痛、吐き気が出た場合は、すぐに眼科へ連絡してください。

まとめ 眼底検査後は見えにくさの持続時間に注意!

眼底検査、特に散瞳検査の後は、一時的に視界がぼやけたり、まぶしさを強く感じたりすることがあります。これらの症状は多くの場合、時間の経過とともに自然に改善しますが、検査当日は無理をせず、目を休ませることが大切です。眼底検査後の正しい過ごし方を知っておくことで、不安なく検査を受け、目の健康を守ることにつながります。

「眼底検査」の異常で考えられる病気

「眼底検査」から医師が考えられる病気は9個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

眼底は目の奥の健康状態を映す場所です。眼底検査の異常は、目の病気だけでなく、全身の病気を見つけるきっかけになることもあります。

「眼底検査」の異常で考えられる症状

「眼底検査」から医師が考えられる症状は7個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

眼底のサイン

  • 視界がぼやける
  • 視界がかすむ
  • 物がゆがんで見える
  • 視野の一部が欠ける
  • まぶしさを強く感じ
  • 片目だけ見えにくい
  • 飛蚊症

眼底検査の異常は、見え方のトラブルだけでなく、体からのサインであることもあります。症状が続く場合や気になる変化があれば、早めに医師へ相談しましょう。

この記事の監修医師