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「健康診断前日の飲酒」は何の検査でバレる? 医師が再検査の有無と対処法も解説!

 公開日:2026/02/12
「健康診断前日の飲酒」は何の検査でバレる? 医師が再検査の有無と対処法も解説!

健康診断前日にお酒を飲んだらどうなる?メディカルドック監修医が健康診断前日にお酒を飲んだ時の影響や対処法を解説します。

木村 香菜

監修医師
木村 香菜(医師)

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名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。

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健康診断前日にお酒を飲むのはなぜ注意が必要なのか?

健康診断前日の飲酒は、検査結果に影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。

お酒が体に与える影響とは?

アルコールは体内に入ると、主に肝臓で分解・代謝されます。この過程で肝臓には負担がかかり、血液中の酵素値や脂質代謝に変化が生じます。また、アルコールには利尿作用があり、体内の水分バランスを乱すことも知られています。
さらに、飲酒後は自律神経の働きが変化し、血圧や脈拍に影響することもあります。これらの変化は一時的なものであっても、健康診断という「体の状態を数値で評価する場面」では無視できません。

なぜ前日に飲酒すると正確な健診結果が出ないのか?

健康診断前日には、飲酒や激しい運動を避けるように指示する医療機関も多いと考えられます。ここでは、なぜ前日の飲酒が問題となるのかについて解説します。

健康診断前日の飲酒が特に影響しやすい検査項目

飲酒の影響はすべての検査に及ぶわけではありませんが、注意すべき項目があります。

健康診断前日の飲酒による血液検査(肝機能など)への影響

健康診断の前に飲酒をすると、採血結果には以下のような影響がみられるケースがあります。

項目 詳細
肝機能(特にALT) 少量でも飲酒すると、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)値が上昇する可能性があります。
中性脂肪(TG) アルコール代謝過程で生じるアセトアルデヒドが脂肪の分解を抑え、合成を高めるため、数値が高くなる可能性があります。飲酒後12時間後がピークといわれています。
血糖値 アルコールの作用による脱水や代謝の変化により、検査結果の精度が低下する可能性があります。

なお、飲酒と同時に大量の食事をとると、総コレステロール(TC)やHDLコレステロール、LDLコレステロールにも影響が現れることもあります。具体的には、これらの数値は低くなり、中性脂肪(TG)は高くなるケースもあります。

健康診断前日の飲酒による尿検査への影響

アルコール摂取によって、蛋白尿が出る可能性が指摘されています。飲酒と蛋白尿の関連性やメカニズムについてはさらなる検討が望ましい状況だという点には注意が必要ですが、検査の正確性を高めるためには、前日の飲酒は控えた方がよいでしょう。

健康診断前日の飲酒による血圧測定への影響

アルコールを飲みすぎると、一時的に血圧が上昇します。そのため、健診当日に普段よりも高い血圧が測定されることもあります。

健康診断前日のお酒は何時間前までならOK?目安と注意点

飲酒の可否は検査内容や体質によって異なりますが、一般的な目安があります。

健診前の飲酒は何日前・何時間前なら良いとされるのか

飲酒による中性脂肪への影響は、12時間以上は続く可能性があることをさきほど解説しました。そう言った理由もあり、健康診断の前日にはアルコール摂取は控えることが望ましいと考えられます。そのため、「前日の夜までなら大丈夫」と自己判断せず、少なくとも前日は飲酒しないように気をつけましょう。

健康診断前日のお酒は控えましょう

正確な検査結果のためには、健康診断前日のお酒は控えましょう。どうしても飲みたい場合には、少なくとも検査の12時間前までとし、しっかりと水分を補給しましょう。一緒に脂っこいものを食べると、さらに検査への影響が強まることもあります。飲み会などがあるときには、できればノンアルコールのものを選ぶようにしましょう。

健康診断前日にお酒を飲んでしまった時の対処法は?

誤って飲酒してしまった場合でも、落ち着いて対応することが大切です。

健康診断前日に飲酒をしたら検査は受けられない?

健康診断前日にお酒を飲んでしまっても、多くの場合、検査自体は受けることが可能です。少量の飲酒であれば、当日に体調が安定していれば実施されるケースが一般的です。
ただし、飲酒量が多かった場合や、肝機能・脂質・血糖値などに影響が出やすい検査項目では、結果の正確性が下がる可能性があります。そのため、医療機関の判断によっては、結果の参考扱いとなったり、後日の再検査を勧められたりすることもあります。自己判断で受診を中止するのではなく、受付や医師に状況を伝えたうえで指示を仰ぐことが大切です。

健康診断当日に水分補給をしっかりと行いましょう

前日に飲酒をすると、アルコールの利尿作用により体内の水分が不足しやすくなります。脱水状態のまま健診を受けると、血液検査や尿検査の結果に影響が出ることがあります。
健診当日は、医療機関からの指示を守ったうえで、水や白湯などの無糖・無カフェインの飲み物で水分補給を行いましょう。スポーツドリンクやジュース、アルコールは控えてください。なお、胃カメラやバリウム検査、腹部超音波検査などが予定されている場合は、飲水制限があることもあるため、事前の案内を必ず確認しましょう。

健康診断の問診票には虚偽のない内容を記載しましょう

前日の飲酒について「書かないほうがよいのでは」と迷う方もいるかもしれませんが、問診票には正確な情報を記載することが重要です。飲酒の有無や量が分かっていれば、医師は検査結果を解釈する際に考慮できます。反対に、事実と異なる内容を記載すると、数値の変化を病気と誤って判断してしまう可能性があります。
健康診断は評価や合否を決める場ではなく、体の状態を正しく知るためのものです。正直に伝えることが、結果的に自身のためになります。

健康診断前日にお酒を飲んだら再検査の可能性もある?

前日の飲酒が原因で肝機能や中性脂肪、血糖値などに異常が出た場合、一定期間の生活習慣改善後に再検査を行うことがあります。再検査は「異常が確定した」という意味ではなく、一時的な変動かどうかを見極めるための対応です。医師から指示があった場合は、禁酒や食事内容の見直しを行ったうえで再検査を受けましょう。
なお、検査結果に影響するのは飲酒だけではありません。前日の過度な運動、睡眠不足、脂っこい食事、ストレス、体調不良なども数値を変動させる要因となります。健診前はできるだけ普段どおり、落ち着いた生活を心がけることが大切です。

健康診断で正確な結果を得るための前日・当日の過ごし方は?

健診前後の行動が、結果の信頼性を左右します。

健康診断前日におすすめの食事や飲み物は?

脂っこい食事や過食を避け、消化の良い食事を心がけましょう。飲み物は水やノンカフェイン飲料が適しています。

健康診断当日の注意点は?

指示された絶食・絶飲を守り、喫煙や激しい運動は控えましょう。体調不良がある場合は、無理せず医療機関へ相談してください。

「健康診断とお酒」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「健康診断とお酒」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

健康診断前日にお酒を飲むと何の検査項目に影響が出ますか?

木村 香菜木村 香菜 医師

肝機能、脂質、血糖、尿検査、血圧などに影響が出る可能性があります。

健康診断前日にお酒を飲んだ場合、どうしたら良いでしょうか?

木村 香菜木村 香菜 医師

問診票に正確に記載し、当日は十分な水分補給を行ってください。

健診の2日前のアルコールは尿検査の数値に現れますか?

木村 香菜木村 香菜 医師

量や体質によりますが、影響が残る場合もあります。

晩酌を健康診断の前だけやめても肝機能は良くならないでしょうか?

木村 香菜木村 香菜 医師

一時的な改善は見られることがありますが、根本的な改善には継続した生活習慣の見直しが必要です。

健康診断後はすぐに飲酒をしても大丈夫でしょうか?

木村 香菜木村 香菜 医師

特に制限がなければ可能ですが、当日の体調を見ながら判断しましょう。また、胃カメラ検査や大腸カメラ検査でポリープを切除した場合などは、当日の飲酒は控えるよう指示されるかと考えられます。受ける検査に応じて、きちんと医療機関の指示に従うことが大切です。

まとめ 健康診断前日にお酒を飲んだら検査結果に影響が出る可能性あり!

健康診断前日の飲酒は、検査結果に影響を及ぼす可能性があります。正確な結果を得るためには、前日の飲酒を控え、当日は指示を守って受診することが大切です。
もし飲んでしまった場合でも、正直に申告しましょう。検査結果により、必要に応じて再検査を受けることで、体の状態を正しく把握できます。

「肝機能や飲酒習慣」から考えられる病気と特徴

「肝機能や飲酒習慣」から医師が考えられる病気は12個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

循環器系

消化器内科系

代謝内分泌系

血液内科系

  • 大球性貧血(巨赤芽球性貧血)

過度なアルコール摂取により、これらのような病気が引き起こされることがあります。

この記事の監修医師