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「子宮頸がん検診の費用」はいくらかかるかご存じですか?助成制度も医師が解説!

 更新日:2025/10/03
「子宮頸がん検診の費用」はいくらかかるかご存じですか?助成制度も医師が解説!

子宮頸がん検診を受けたい場合、いくらかかるのかご存じですか?メディカルドック監修医が保険適用、助成があるのか、検診の流れや注意点、発見できる病気・疾患についてご紹介します。

木村 香菜

監修医師
木村 香菜(医師)

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名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。

子宮頸がん検診とは?

子宮頸がんは、子宮の入口にあたる子宮頸部に発生するがんです。主な原因はヒトパピローマウイルス(HPV)感染で、多くの場合、性交渉を介して感染します。感染しても多くは自然に排除されますが、一部は長期的に残り、細胞の異常増殖を引き起こしてがん化することがあります。初期段階ではほとんど自覚症状がなく、進行すると不正出血や性交時の出血、下腹部痛などが現れます。そのため、早期発見のためには定期的な検診が重要です。日本では20歳以上の女性を対象に、2年に1回の受診が推奨されています。

子宮頸がん検診の費用はいくらぐらい?

子宮頸がん検診の費用は、受診する場所や検査方法、助成制度の有無によって大きく異なります。ここでは、自治体の助成制度、保険適用、自費診療の3つのケースに分けて解説します。

自治体の検診クーポン・補助を使用する場合の子宮頸がん検診の費用

費用の目安をご紹介します。なお、これらは2025年時点の例になります。
・名古屋市
自己負担500円です。
なお、特定の年齢の方は無料で受診できます。
・横浜市
自己負担は細胞診検査は1,360円、HPV検査は2,000円です。
自治体により年齢制限や回数制限があるため、事前に自治体ホームページや保健センターで確認が必要です。 補助を受ける場合は、送付される受診券やクーポン券を持参することが条件となります。忘れると全額自己負担になることもあるため注意しましょう。

保険適用となった場合の子宮頸がん検診の費用

通常、無症状の方が受ける子宮頸がん検診は保険適用外ですが、以下のような症状がある場合は保険適用となります。 ·不正出血がある
·性交時出血がある
·下腹部痛や異常なおりものがある
·子宮頸部異常の経過観察中
費用の目安は、3割負担の場合以下のようになります。 ·初診料+子宮頸部細胞診:約2,000円
·HPV検査を追加する場合:+約2,500円

自費診療となった場合の子宮頸がん検診の費用

以下の場合は保険適用外で全額自己負担となります。 ・無症状での任意検診
・人間ドックのオプションとして受診
・自治体助成の対象外年齢や回数での受診
費用の目安は以下のようになります。
・子宮頸部細胞診(単独):約3,000〜4,000円
・HPV検査付き:約5,000〜6,000円
HPV検査はがん化リスクの高い型の有無を調べる重要な検査ですが、費用が高めのため、医師と相談して必要性を判断しましょう。

子宮頸がん検診と乳がん検診は同時に受けられる?

自治体や医療機関によっては、子宮頸がん検診と乳がん検診を同日に受けられる場合があります。時間と交通費の節約にもなりますが、予約時に同日実施が可能か確認しておきましょう。

子宮頸がん検診当日の流れと注意点

子宮頸がん検診を受ける際には、以下のような点に注意しましょう。

子宮頸がん検診の注意点

受診券やクーポン券、保険証を持参するようにしましょう。生理中は出血の影響で正確な判定ができないため避けるほうがよいかもしれません。詳細については、検診を受けようとする医療機関に問い合わせましょう。結果通知までには、2週間ほど要することが多いと考えられます。

子宮頸がん検診の流れ

まずは、問診票の記入をします。そして、内診台で子宮頸部の細胞を採取(細胞診)します。必要に応じてHPV検査やコルポスコピー検査を追加することもあります。結果は、郵送または後日面談で伝えられます。

子宮頸がん検診の見方と再検査が必要な子宮頸がん検診 に関する結果

子宮頸がん検診の見方と再検査が必要な子宮頸がん検診の見方について解説していきます。

子宮頸がん検診の結果・所見の例

従来はパパニコロウ分類で異常の程度を示していました。現在ではベセスダシステムが主流となっており、細胞の異常やHPV感染の有無などをより詳細に報告しています。

子宮頸がん検診で精密検査・再検査が必要な結果の例

子宮頸がん検診で、以下のような結果が出た際には、精密検査が必要となります。
・再検査結果に応じた治療内容ASC-US(意義不明な異型扁平上皮細胞)
・LSIL(軽度扁平上皮内病変)
・HSIL(高度扁平上皮内病変)
ASC-USの場合には、HPV検査による判定が望ましいと考えられます。LSIL、HSILの場合は、速やかに婦人科で精密検査(コルポスコピー、生検など)を受けましょう。

「子宮頸がん検診」で発見できる病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「子宮頸がん検診」で発見できる病気・疾患を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

子宮頸がん

HPV感染が主な原因となります。初期は無症状ですが進行すると不正出血や性交時出血が見られます。早期なら円錐切除で治療可能ですが、進行例では手術や放射線治療が必要です。症状があれば婦人科を早めに受診しましょう。

子宮筋腫

子宮の筋肉にできる良性腫瘍で、過多月経や下腹部痛、不妊の原因にもなります。小さい場合は経過観察、大きい場合は手術治療が必要です。月経異常や貧血が続く方は婦人科で相談しましょう。

卵巣腫瘍

卵巣にできる良性・悪性の腫瘍で、初期は無症状のことが多いですが、大きくなると下腹部膨満感や頻尿などの症状が現れます。悪性が疑われる場合は精密検査が必要です。婦人科での超音波検査が診断に有効です。

卵巣がん

自覚症状に乏しく発見が遅れやすいがんで、進行すると腹部膨満や体重増加が現れます。治療は手術と抗がん剤が中心です。早期発見が重要ですが、現時点では卵巣がんの早期発見に有効な検診はありません。下腹部の違和感など気になる症状がある場合には、婦人科を受診してください。

子宮体がん

閉経後女性に多く、不正出血が代表的症状です。リスク要因としては、エストロゲン過剰や肥満などが考えられています。治療は子宮摘出術が基本です。不正出血があれば早めに婦人科を受診し、子宮体部の検査を受けることが勧められます。

子宮内膜症

子宮内膜に似た組織が子宮外で増殖する病気です。月経痛や性交痛、不妊の原因になります。ホルモン療法や手術で治療が可能です。月経痛が強い、鎮痛薬が効かないといった症状があれば婦人科へ相談してください。

子宮頸がん検診の費用」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「子宮頸がん検診の費用」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

子宮頸がん検診はいくらから受けることが可能ですか?

木村 香菜木村 香菜 医師

自治体助成を利用すれば無料〜数百円、自費だと3,000円以上が目安です。

子宮がん検診は自費診療がほとんどですか?

木村 香菜木村 香菜 医師

無症状の方は原則自費ですが、症状があれば保険適用になります。

20代の女性が2年に1度子宮頸がん検診を受けると費用は総額どれくらいですか?

木村 香菜木村 香菜 医師

自治体助成を利用すれば数百円〜数千円、自費のみなら1〜2万円程度と考えられます。婦人科超音波検査などをつけると、より高額になる可能性があります。

婦人科で子宮頸がん検診を受けるときHPV検査の費用は高いですか?

木村 香菜木村 香菜 医師

自費では2,000円程度追加されることが多いでしょう。

まとめ 子宮頸がん検診の費用は自治体助成の活用によって安くなる

子宮頸がん検診の費用は、自治体助成を活用すればほとんど負担なく受けられます。一方、自費や人間ドックでは数千円以上かかることもあります。症状がある場合は保険適用の可能性もあるため、早めに婦人科を受診しましょう。

「子宮頸がん検診」の異常で考えられる病気

「子宮頸がん検診」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。 子宮頸がん検診では、内診などによってさまざまな病気がわかることがあります。対象年齢の方は、きちんと検診を受けるようにしましょう。

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