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「貧血検査の費用」は?保険適用の有無や検査の流れなどを徹底解説!【医師監修】

 更新日:2025/07/16
「貧血検査の費用」は?保険適用の有無や検査の流れなどを徹底解説!【医師監修】

貧血検査の費用はいくら?Medical DOC監修医が貧血検査の費用・保険適用の有無・自費診療の費用・検査の流れなどを解説します。

伊藤 陽子

監修医師
伊藤 陽子(医師)

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浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

貧血検査の費用はいくらかかるの?

健康診断の結果などで“貧血がある”と言われたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?特に女性の方では、鉄欠乏性貧血を指摘されたことがある方も多いと思います。 また、日ごろの生活で息切れがしたり、疲れやすかったリ、動悸があったりと、貧血を疑う症状があり貧血の検査をしたいと考えている方もいるのではないでしょうか? 今回の記事では、貧血検査を希望する場合、どのぐらい費用がかかるかについて解説いたします。

保険適用となった場合の貧血検査の費用

症状があり、医師が貧血を疑って血液検査をする場合や、健康診断などで貧血を指摘され再検査が必要であると判断される場合には保険が適用されます。 この場合の血液検査は最低限の貧血の有無の確認のみであれば保険診療(3割負担で)600円程度(診察料別)となります。 しかし、多くの場合貧血の原因について調べることとなります。鉄分やビタミンB12、葉酸などの栄養素の不足、血液疾患がないか、腎不全など他の病気の影響で貧血となっていないか、消化管出血が考えられないかなど、原因はさまざまです。これらの原因を調べる検査は診察をした医師により原因が検討され、血液検査や便潜血検査など必要項目の検査をします。その項目の数や種類により費用は変わります。 例えば、鉄欠乏性貧血が考えられ、フェリチン値を追加するのであれば、1300円程度(3割負担)。腎不全など疑われ、クレアチニン、尿素窒素を追加するのであれば1060円程度(3割負担)。追加する項目、検査により費用はさまざまです。

自費診療となった場合の貧血検査の費用

症状はないが、貧血があるかを検査したいという健康診断の意味合いで血液検査を希望される場合には、自費検査となります。 一般的な貧血の値を見るのみであれば約2000円程度となりますが、診察料も別途必要となります。自費診療はそれぞれの医療機関により価格を決めるため、受診する医療機関に問い合わせをしてください。

貧血検査はどこでできるの?

貧血検査は、採血検査ができる医療機関であれば、どの医療機関でも検査をすることは可能です。女性は月経過多が原因となって貧血を起こしていることも多く、この場合には婦人科で貧血検査をする場合もあります。また、妊娠時にも貧血を起こすこともあり、妊婦検診の際に貧血が疑われた場合には産婦人科で貧血検査を行うことも少なくありません。一般的には内科を受診することをお勧めします。

貧血検査の結果の見方と再検査が必要な数値

ここまでは貧血検査について基本的なことを紹介しました。 再検査・精密検査を受診した方が良い結果がいくつかあります。 以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。

貧血検査(ヘモグロビン)の基準値

基準値 ・男性 13.0~16.6g/dL ・女性 11.4~14.6g/dL 赤血球に含まれるヘモグロビン(血色素)の量が減る事を貧血といいます。男性で13g/dL、女性で11g/dL以下となると、貧血と診断されますが、この程度の値ではあまり自覚症状が出ないことが多いです。また、徐々に貧血が進んだ場合には、かなりヘモグロビン値が低くても気が付かない方も少なくありません。男女ともに10g/dL以下となると中等度から重度の貧血であり、精密検査や治療が必要となります。健診などでヘモグロビン値(Hb)が10g/dL以下である場合には早めに医療機関を受診しましょう。また、ここまで貧血が進行していなくとも、今までのHb値と比べ急激に低下した場合には、消化管出血などの何かしら病気が隠れていることが考えられます。早急に、内科を受診して相談しましょう。

貧血検査の再検査内容

貧血を指摘された場合、再度採血をして血液中のヘモグロビン値を測定します。この検査で貧血が一時的なものか、持続しているか、さらに貧血が進行しているのかを見極めることができます。 貧血が進行すると、心不全をきたすこともあり、健康診断で貧血を指摘された場合には、なるべく早めに受診することが必要です。特にヘモグロビン値10g/dL以下の場合には早急に内科を受診しましょう。 この検査の費用としては保険適用(3割負担)で約600円程度です。 しかし、貧血が持続していたり、さらに進行している場合には、原因について詳しい血液検査を行ったり、消化管出血が無いか便潜血検査を追加する場合があります。

貧血検査の目的と当日の流れ

貧血検査をする場合の目的と当日の流れについてここでは解説いたします。

貧血検査の目的

貧血検査の目的は、現在貧血があるのか、貧血の程度、以前と比較して進行しているものなのかを調べるものです。 実際貧血がある場合には、その原因について調べると共に、重度の貧血で命の危険性がある場合には輸血などの緊急治療を行うかを判断します。 原因が分かれば、その原因に対しての治療を行います。

貧血検査の前日の注意点

貧血検査を予定している場合に、特に前日に注意する点はありません。通常通りに過ごしていただければ問題ないです。

貧血検査の当日の流れ

当日の検査の流れとしては、医療機関を受診した後、診察で貧血が疑われる場合、もしくは健診などで貧血を指摘され、再検査であれば血液検査は保険適用されます。 採血は通常の採血と特に変わりありません。腕を駆血し、採血する場所を消毒した後に、注射針を血管にさしてそこから血液を採取します。採血が苦手であったり、気分が悪くなることが以前あった場合には、事前に申し出ると横になって採血をすることができる場合もあります。

貧血検査の当日の注意点

当日の注意点としては、脱水にならないように十分に水分を摂取しましょう。脱水となると、見かけ上ヘモグロビン値が上昇するため貧血が改善しているように見えます。しかし、このヘモグロビン値の上昇は脱水が解消されると低くなるため、貧血が改善したわけではありません。正確なヘモグロビン値を評価するためにも、脱水とならないように気をつけましょう。

「貧血検査の費用」についてよくある質問

ここまで貧血検査の費用などを紹介しました。ここでは「貧血検査の費用」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

貧血検査の初診ではどれくらいの費用がかかりますか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

貧血の検査では、保険適用される場合、3割負担で600円程度となります。また、初診の診察料は医療機関により異なりますが、3割負担で約900円~となります。自費診療の場合には医療機関で異なるため、必ず事前に問い合わせをしましょう。

一般内科で貧血検査を受診することはできますか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

一般内科で貧血検査をすることは可能です。しかし、原因を調べ、原因によっては他科を紹介する必要がある場合もあります。

まとめ 貧血検査の費用は余裕をもって用意すべし!

貧血の検査をする場合、ヘモグロビン値を含めた貧血の評価に関しては、動悸や息切れ、倦怠感などの症状があり、保険適用となった場合には、3割負担でおよそ600円程度となります。しかし、実際貧血がある場合には、個々の原因の精密検査を行う必要があります。そのための検査費用は、原因によりさまざまです。受診する際には、少し余裕をもって費用を用意することをお勧めします。

「貧血検査」の異常で考えられる病気

「貧血検査」から医師が考えられる病気は10個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

腎泌尿器系の病気

血液系の病気

消化器系の病気

  • 胃・十二指腸潰瘍
  • 胃がん
  • 大腸ポリープ、大腸がん

婦人科系の病気

  • 月経過多(子宮内膜症、子宮筋腫など)
貧血がある場合には、さまざまな病気の可能性が考えられます。動悸や倦怠感などの症状がみられた場合、まず内科を受診し、貧血があるか検査をしましょう。また、貧血がある場合、原因についても調べることが大切です。

この記事の監修医師