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「生理中に人間ドックを受診」することはできる?検査できない項目や対処法などを医師が解説!

 更新日:2025/07/16
「生理中に人間ドックを受診」することはできる?検査できない項目や対処法などを医師が解説!

生理中に人間ドックを受診することはできる?Medical DOC監修医が生理中に検査できない項目や生理が重なってしまったときの対処法などを解説します。

木村 香菜

監修医師
木村 香菜(医師)

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名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。

生理中に人間ドックを受診することはできる?

生理中にも人間ドックや健康診断を受けられるかについて解説します。

生理中に人間ドックを受診することはできる?

生理期間中でも人間ドックは受診可能です。一方、尿検査や便潜血検査、子宮頸がん検診など、避けるべき項目もあります。乳がん検診についても、生理中・生理前では乳房が張っていると痛みを感じることもあるので、避けた方が良いでしょう。詳しくは、受診しようとする医療機関に問い合わせるようにしましょう。できれば、生理周期を把握して、生理の出血日を避けて日程調整すると良いでしょう。

生理中に健康診断を受診することはできる?

人間ドックと同様に、生理期間中にも健康診断の受診は可能です。ただし、受診できる項目に制限があったり、あるいは結果が正確に出なかったりするため、注意が必要です。

生理中に尿検査を受診することはできる?

生理期間中の尿検査は避けた方が良いでしょう。生理中は尿検査を不可とする医療機関も多いでしょう。生理期間中には、出血が尿に混ざると尿潜血検査が陽性になってしまうことがあるからです。医療機関によっては、生理による出血の影響が出ることを了承した上で尿検査を実施しています。しかし、尿潜血検査が陽性と判定された際には、生理周期以外の時期に再度検査をすることが勧められます。

生理中に大腸がん検診を受診することはできる?

大腸がん検診といえば、便潜血検査を指すことが大半です。生理期間中には便潜血検査は避けることが望ましいです。生理期間中には、大腸からの出血か区別できないことも想定されます。そのため、生理期間中は大腸がん検診を受診不可と定めている自治体もあります。ご自身の居住している自治体の大腸がん検診の注意事項を確かめておきましょう。もし生理期間中に検査した場合に陽性だった際には、月経血が混ざっていることだけが原因とは言い切れません。もし便潜血検査陽性だった場合でも、必ず大腸内視鏡検査を受けるようにしましょう。

生理中に婦人科検診を受診することはできる?

婦人科検診には、子宮がん(子宮頸がんや、子宮体がん)、乳がん検診が含まれます。 子宮頸がん検診では子宮細胞診検査を行います。ただし、生理中や生理直後の子宮細胞診検査は避けることが望ましいと考えられます。生理中には血液の混入などにより、検体を正しく調べられない場合があるからです。医療機関によっては生理5日ほど経ち、生理による出血(経血)の量が少ない期間であれば検査可能としています。生理期間中は、検査を行わないと定めている自治体や病院もあります。また、乳がん検診についても、生理前や生理期間中は避けた方が良いでしょう。この時期は乳房が張りやすく、マンモグラフィなどの検査で痛みを感じる場合があるからです。

生理が遅れている場合、人間ドックや健康診断を受診することはできる?

生理が遅れている場合、妊娠している可能性があります。人間ドックや健康診断を受けることはできます。しかし、妊娠の可能性を考慮し、一部の検査項目は受けられません。放射線被爆の影響があるX線検査(胸、肺、胃、乳房マンモグラフィ、CTなど)、MRI、子宮がん検診、肺機能検査は実施できないとしている医療機関が多いです。生理が遅れており、万が一にも妊娠の可能性がある際には、一度健診を受けようとする医療機関へ問い合わせてみましょう。

生理中に受診できない検査項目

それでは、ここからは生理中には避けた方がよい検査項目を解説していきます。

子宮頸がん検診 検査できない項目

・検査できない理由について 子宮頸がん検診は生理後に受けることが推奨されます。生理中は血液や組織片が混入し、細胞の採取が困難になり、検査結果に影響が出る可能性があります。

尿検査 検査できない項目

・検査できない理由について 生理中の血液が尿に混ざり、生理中の尿検査では結果が誤って出る可能性があります。血液の混入により、尿潜血反応が陽性になったり、尿中の赤血球やタンパク質の値が異常に高く表示されたりする可能性があり、正確な診断ができなくなります。

便潜血検査 検査できない項目

・検査できない理由について 便潜血検査は、消化管からの出血を調べる検査です。この検査も、生理中は避けたほうがよいです。生理血が便に混入すると、偽陽性となり、不要な追加検査や誤診につながることがあります。

経膣超音波検査 検査できない項目

・検査できない理由について 経膣超音波検査は、生理後に行うほうが望ましい検査です。生理中は出血により視認性が低下し、正確な画像が得られにくくなるためです。

腫瘍マーカー検査 検査できない項目

・検査できない理由について 健康診断や人間ドックのオプションとして、腫瘍マーカーというものをがん検診の一環で測定することができます。腫瘍マーカーの一つであるCA125は、生理中や妊娠初期、閉経の影響によっても影響を受けることがあります。生理中にCA125を含む腫瘍マーカーの検査を受ける際には、その解釈の仕方に注意が必要です。

生理周期と人間ドックや健康診断が重なったときはどうすればいい?

それでは、生理期間と人間ドック・健康診断がかぶってしまった場合にどのような対応をするべきか、説明します。

検査日を変更する 重なった場合の対処法

・対処法について もし可能であれば、検診日を生理が終わった後に変更するのが確実です。職場健診などで、なかなか日程変更が難しいこともあるかもしれませんが、一度医療機関に日程変更ができるか問い合わせてみましょう。生理と人間ドックあるいは健康診断の日程が重複しないように計画してみることもおすすめです。

生理中でも施行可能な検査のみを先に受ける 重なった場合の対処法

・対処法について 血液検査やX線検査、心電図検査などは生理中でも問題なく行うことができます。そのため、生理中にもできる検査を先に受け、影響がある項目は後日に再度受けるように調整しましょう。

医療スタッフに事前に伝える 重なった場合の対処法

・対処法について 生理中にどうしても受診しなければならない場合には、あらかじめ健診を受けようとする医療機関のスタッフに生理中であることを伝えましょう。生理によって検査に影響が出る可能性をスタッフも把握できます。その上で、必要であれば後日再検査を提案してくれる場合もあります。

「生理中の人間ドック」についてよくある質問

ここまで生理中の人間ドックについて紹介しました。ここでは「生理中の人間ドック」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

生理中に検便を行うことはできますか?

木村 香菜木村 香菜 医師

可能であれば、生理中には検便検査は行わない方が良いと考えられます。生理中の出血が便に混入し、検査結果に影響を与えることが懸念されるからです。特に便潜血検査では、血液が混入すると偽陽性の結果が出てしまい、不要な追加検査や誤診につながる可能性があります。そのため、検便検査は生理後に行うのが望ましいです。もし、生理中にはどうしても検便が必要な場合には、健診機関の医療スタッフに相談しておきましょう。

まとめ 人間ドックの受診は生理期間中には避けた方が無難

今回の記事では、生理中に人間ドックや健康診断が受けられるかどうかについて解説しました。生理中でも多くの検査を受けることができます。一方で、尿検査や便潜血検査、子宮頸がん検査などの婦人科検診は、生理中には避けた方が無難です。なかなか、自分の生理の日程と健康診断の日程とのすり合わせが難しいこともあるでしょう。しかし、生理と人間ドック・健康診断の日が重複しても、後日検査を受けられることが大半と考えられます。きちんと検査を全て受けましょう。

「人間ドック」の異常で考えられる病気

「人間ドック」から医師が考えられる病気は22個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

消化器系の病気

内分泌内科系の病気

腎臓内科・泌尿器科系の病気

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