健康診断で「γ-GTPが低い」と言われたら?医師が病気のリスクなど徹底解説!
健康診断でγ-GTP(ガンマGTP)が低いと言われたらどうすべき?Medical DOC監修医が血液検査の見方や基準値・主な原因と病気のリスク・対処法などを解説します。
監修医師:
川島 峻(新宿アイランド内科クリニック)
目次 -INDEX-
健康診断・血液検査で「γ-GTPが低い」と診断されたときに考えられる原因と対処法
健康診断で「γ−GTPが低いですね」と言われることは多くないかもしれません。お酒を飲むことでγ−GTPの数値が高くならないか心配になる方が多くいらっしゃいますが、一方で、γ−GTPが低いという場合にも注意は必要です。γ-GTPが低下した場合には、たんぱく質の摂取低下による体調不良が示唆されます。この記事では、γ-GTPが低いと言われた時にどのようにすればいいか、解説したいと思います。
γ-GTPが低くALTが高いと診断されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法
γ-GTPが低く、ALTが高い場合には、低たんぱくや低栄養状態も懸念されます。病的な体重減少など高度な低栄養では低血糖以外にも肝機能障害となることが報告されます。摂取カロリーが消費カロリーと比べて少ない、体重減少などが見られている場合には、急ではなく少しずつ摂取カロリーを多くするように栄養の取り方を見直してみてください。
女性でγ-GTPが低いと診断されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法
卵巣から分泌される女性ホルモンは、γ-GTPを低下させる働きがあります。このため、男性よりも女性のほうが、γ-GTPの値に関して正常値・異常値ともに低いです。また、女性では妊娠している場合では女性ホルモンの分泌が多いため、γ-GTPは低くなる傾向があります。むくみ、疲れやすさなどがあれば低栄養が示唆されますので、栄養摂取の方法を見直してみるとよいでしょう。
妊娠中にγ-GTPが低いと診断されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法
妊娠中には妊娠前と比べてγ-GTPが低くなる傾向がありますが、この理由は前述の通り、妊娠中では女性ホルモンが分泌されているためです。ASTやALTの値に異常がなく、自覚症状として、疲れやすさや浮腫などがなければ経過をみてよいでしょう。
健康診断の「γ-GTP」の見方と再検査が必要な「γ-GTPが低い」に関する数値・結果
ここまでは診断されたときの原因と対処法を紹介しました。
再検査・精密検査を受診した方が良い結果がいくつかあります。
以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。
「γ-GTP」の基準値
一般的にγ−GTPの基準値は男性で50IU/L以下、女性で30IU/L以下とされております。下限値とは特には一定な基準はありませんが、男女ともに100 IU/L以上を超える場合には肝疾患が疑われますので、内科や小児科を受診されることをおすすめします。
判定 | γ−GTP |
---|---|
基準値 | 男性:50IU/L以下 女性:30IU/L以下 |
肝疾患の疑い | 100IU/L以上 |
「γ-GTPが低い」ときの再検査内容
γ-GTPが低い場合には緊急性はありませんが、倦怠感・むくみ・気力の低下など生活に支障がある場合には、血液検査で総たんぱく濃度、アルブミン値、その他の肝機能・腎機能、電解質・血糖などの検査項目に関して再検査を行います。自覚症状がなければ、何かのきっかけで血液検査を実施する際に、担当医師に伝える程度でよいでしょう。
γ-GTPが低いことのみを理由とした治療は特にはありませんが、体重減少や倦怠感などの自覚症状と、栄養摂取不足や肝疾患・腎疾患の有無を含めて、栄養指導、必要に応じた治療が実施されることがあります。
「γ-GTPが低い」で考えられる病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「γ-GTPが低い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
低たんぱく
低たんぱく血症(総タンパク濃度が低い)や低アルブミン血症(アルブミン値が低い)の場合を認めた場合には、その多くは摂取不足が考えられます。その一方で、肝機能障害や腎機能障害(ネフローゼ症候群など)でも低たんぱく血症となる場合があります。むくみ、倦怠感など生活への支障があれば受診を推奨します。肝機能・腎機能の障害の原因となる疾患に応じた治療が行われることもあります。内科を受診して相談するのがよいでしょう。
「γ-GTPが低い」ときの正しい対処法・改善法は?
γ-GTPが低いと判定された場合には、肉・魚・大豆などのタンパク質の摂取が十分であるかどうか、振り返ってみることをおすすめします。基本的には、食生活を振り返ってみること、ビタミン類をしっかりととり、6時間以上の睡眠をとることが重要となります。
「γ-GTPが低い」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「γ gtpが低い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
肝機能検査でγ-GTPが低いとどんな病気のリスクがありますか?
川島 峻 医師
低栄養、低たんぱく血症が考えられます。
血液検査でγ-GTPの数値が10以下だと危険でしょうか?
川島 峻 医師
γ-GTPが10以下の場合には、栄養状態のマーカーである総蛋白・アルブミン、血糖の低下がなければ、危険な状態ではありません。
γ-GTPが低いのは病気なのでしょうか。
川島 峻 医師
特別な疾患ではありませんが、飲酒習慣がない方では低下傾向になります。また男女を比較した場合では女性では低下傾向であります。
お酒が弱いこととγ-GTPが低いことは関係ありますか?
川島 峻 医師
ほとんど関連はないと考えてよいです。
まとめ 健康診断でγ-GTPが低いと言われたらたんぱく摂取量が少ない可能性があります!
γ-GTPが低い場合には、たんぱく摂取量が少ない可能性があります。体重減少が明らかである、全身倦怠感やむくみがある場合には低栄養が示唆されるために食生活の習慣を改める必要があります。同時に、たんぱくが低下する肝機能障害や腎疾患でないことも確認はしたほうがよいでしょう。
「γ-GTPが低い」で考えられる病気
「γ-GTPが低い」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
内分泌科の病気
- 低栄養
- 低たんぱく血症
消化器科の病気
- 肝機能障害
γ-GTP低い場合には、主に低タンパクや低栄養状態が示唆されます。