子どもが夜中や休日に発熱… そんなときは救急車? 救急外来とどっちがいい?【医師解説】

子どもが休日や夜中に突然発熱すると、「救急車を呼ぶべき? 救急外来?」と迷うことも多いはず。そんなとき、あらかじめ適切な対応を知っておくことで、緊急時にも落ち着いて対処できます。しばキッズクリニックの柴先生に、詳しく教えてもらいました。
※2025年7月取材。

監修医師:
柴 徳生(しばキッズクリニック)
子どもが休日や夜中に熱を出した 救急車、救急外来などの使い分けは?

編集部
夜中に子どもが急に高熱を出しました。まず何をすればいいですか?
柴先生
最初に見た方がよいのは「呼吸」「意識」「水分がとれているか」です。熱が高くても機嫌がよく、水分も取れているなら、まずは落ち着いて対応しましょう。けいれんを起こした、ぐったりしている、呼吸が苦しそう、などの症状があれば、救急対応が必要になります。慌てずに観察しましょう。
編集部
救急車を呼ぶのは、どんなときですか?
柴先生
呼吸が明らかに苦しそう、けいれんが止まらない、意識がはっきりしない、唇が紫色である、呼びかけに反応しないといった場合には、命に関わる可能性もあります。そのようなときには119番も検討してください。
編集部
救急外来はどんなときに行くべきでしょうか?
柴先生
高熱が続いて水分が取れない、嘔吐や下痢がひどいなど、すぐに診てもらいたいが命の危険はなさそうな場合には救急外来が適しています。車やタクシーで行ける状況なら、まずは近隣の夜間・休日診療所を検討しましょう。
編集部
夜間緊急往診というものもありますが。
柴先生
夜間緊急往診を行っている医療機関があるなら、体調は悪いけれど救急車を呼ぶほどではない、けれど外出も難しい、というときにはよいと思います。医師が自宅に来て診察してくれるため、小さな子どもがいる家庭や、夜間の移動が難しい家庭には非常に便利です。ただし、エリアや時間帯によって対応が異なるので、ご自分の住んでいる地域が対応範囲かどうか、事前に調べておくと安心です。
「いざ」というとき迷ったらどうすればいい?

編集部
救急車を呼んでいいか迷ったとき、どうすればいいですか?
柴先生
迷ったときは「#7119(救急安心センター事業)」や「#8000(小児救急電話相談)」を活用しましょう。#7119は24時間対応で看護師が症状を聞き、救急搬送が必要かどうかを判断してくれます。また、#8000は子どもの救急医療に特化した相談窓口で、営業時間は地域により異なりますが、夜間や休日に子どもが体調を崩したときに相談するのに便利です。
編集部
夜間緊急往診は、どんな人でも利用できるのでしょうか?
柴先生
対応エリアや時間帯、年齢制限などは医療機関によって異なりますが、多くの夜間往診サービスは子どもから高齢者まで広く対応しています。電話で症状の聞き取りをしたあと、往診が必要と判断されれば、自宅に医師が来てくれます。ただし、呼吸困難や意識障害などの重篤な症状の場合には対応できず、救急車を呼ぶことを勧められる場合もあります。
編集部
夜間に緊急で受診するか迷う人も多いと思います。
柴先生
たしかに、判断に迷うことも多いと思います。「熱が出ているけれど元気に遊んでいる」など、経過観察で済む場合もありますから、落ち着いて判断しましょう。特に夜間は医師などの医療資源が限られており、そこでは重症患者が優先されます。本当に救急の人が受診できるように、冷静に判断することが必要です。迷ったら、先述の相談窓口を活用するとよいでしょう。
休日や夜中に発熱したとき、家庭でできること

編集部
発熱したとき、家庭で最初にするべきことは?
柴先生
まずは子どもの様子をよく観察することです。元気があるか、水分はとれているか、顔色や呼吸はどうかを確認しましょう。熱を測るだけでなく、全体の様子を見ることが大切です。
編集部
解熱剤はすぐに使ってもいいのでしょうか?
柴先生
解熱剤は、熱を下げるために使うのではなく、熱でつらそうなときに使ってください。ぐったりしている、食事や水分がとれない、眠れないといった場合には使用してもよいと思います。
編集部
自宅に解熱剤を用意しておくと便利ですね。
柴先生
はい。ただし、子どもによっては解熱剤が合う子と合わない子がいます。たとえば熱が上がるときに強く悪寒がする子の場合、解熱剤を使わない方がよいこともあります。なぜなら解熱剤を使っていったんは熱が下がっても、効果が切れてしまうとまた上がることがあるためです。そのとき、強い悪寒がして、かえってつらくなってしまうことがあるのです。このように、子どもによって解熱剤を使うのがよいか、悪いかが異なるので、何度か使ってみて経験的に学んでおくとよいと思います。
編集部
夜間や休日に備えて家庭で用意しておくべきものはありますか?
柴先生
体温計、子ども用解熱剤、経口補水液、氷嚢(のう)、保冷剤などを備えておくと安心です。また、救急外来や夜間往診の連絡先、かかりつけ医の情報もメモしておきましょう。連絡先はスマートフォンに登録しておくと便利です。いざというときに慌てないために、日頃から備えておきましょう。
編集部
最後にメディカルドック読者へのメッセージがあれば。
柴先生
夜間や休日に発熱で受診しても、発熱の初期段階では原因が特定できないことも多いので、意識や呼吸状態が安定していれば、まずは自宅で様子を見るのでもよいと思います。また、救急搬送後や救急外来を利用したあとは、翌日以降、改めて受診することが大切です。症状は刻々と変わっていて、時間をあけると異なる症状が出始めることもあるので、正しく診断するには平日日中に再診することがとても重要です。救急車や救急外来というと、つい焦ってしまい、冷静な対応が難しくなることもありますが、そういうときこそぜひ落ち着いて、適切な判断をしてほしいと思います。
編集部まとめ
夜間や休日などに子どもが熱を出すと焦ってしまう保護者も多いはず。しかしそんなときこそ落ち着いて対応を。また、平時から「いざというとき、どう行動するか」を考えておくと非常時に役立つと思います。
医院情報

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| 診療科目 | 小児科 |
| 診療時間 | 午前: 月~金 8:30~12:00 土 8:30~13:00 (予約制) 午後: 月~金 14:00~18:00(予約制/14:00~15:00は予防接種と健診優先) |
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