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子どもの拒食症が1.6倍に、コロナ禍によるストレスが原因か

 更新日:2023/03/27

国立成育医療研究センターは10月21日、拒食症と新たに診断された20歳未満の患者が、2020年度は前年度比で約1.6倍に増えたとの調査結果を発表しました。このニュースについて猪又医師に伺いました。

猪又 雅彦 医師

監修医師
猪又 雅彦(いのまたクリニック 院長)

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福井医科大学(現・福井大学)卒業。その後、複数の病院で内科・循環器内科医として救急医療に携わる。2017年、「いのまたクリニック」を開院。日本内科学会、日本循環器学会、日本心臓病学会、日本心不全学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本睡眠学会、日本災害医学会の各会員。

拒食症とは?

今回の調査対象になった拒食症について教えてください。

猪又 雅彦 医師猪又先生

拒食症と呼ばれる症状は神経性やせ症といい、摂食障害の1つです。

男性より女性に多く、特に10~20代と比較的若い年代の人がなりやすいと言われています。食事を摂ることに何かしらの問題があり生活に支障をきたしているという状態ですが、食事を摂ることについての異常ではなく、何かしらの心理的問題が原因とされています。

そのため、アルコールや薬物への依存、抑うつ、パーソナリティ障害といった精神的な疾患を合併する恐れがあります。深刻なケースでは、心身ともに疲弊して命を絶とうとすることもある深刻な病気です。

今回発表された内容とは?

今回発表された内容について教えてください。

猪又 雅彦 医師猪又先生

今回の調査は、国立成育医療研究センターが全国19都府県の計26医療機関と協力しておこなったものです。

2020年度にはじめて外来診療を受け、拒食症と診断された男性は28人、女性は230人と、それぞれ前年度に比べて約1.6倍に増えたことが明らかになりました。新たに入院した患者についても、男性は1.5倍と女性は約1.4倍に増加した結果となりました。

国立成育医療研究センターは患者が増加した背景については、緊急事態宣言や学校の休校などの生活環境の変化によるストレス、子どもたちが感染対策のために家に引きこもっていること、行事などのアクティビティが中止になったこと、友達に会えないこと、新型コロナウイルス感染症への不安などがあると推測されるとしています。

子どもの拒食症を防ぐために大事なことは?

子どもの拒食症を防ぐためにできることはありますか?

猪又 雅彦 医師猪又先生

給食を食べなくなった、朝食を食べない、肉や魚、油ものを極端に嫌う、料理の本やテレビ番組に特に興味が強くなった、自分の腕や足が太いと言って不機嫌になることが多い、やせているのに以前より活発になって椅子に座ろうとせず、マラソンなど運動を過剰にしたがる、自分が食べることよりも、家族に食事を摂らせようとする、家族が食事を残すと怒るなど、色々なサインがあるはずです。普段から子どものことを観察し、いち早く気づき、理解することが大事です。

子どもが拒食症になると、母親は自分の育て方が悪いと考えがちですが、それは間違いです。無理やり食べさせたり、不安をぶつけたり、食事や体型のことで注意したりせず、温かく寄り添うように見守ってあげてください。また、言葉にして子どもをたくさん褒めてあげましょう。

大切なのは、食行動や体型にかかわらず、存在そのものを認めて、愛してあげることです。家族だけで不安を抱え込まずに、医療機関を上手に利用し、医療者と一緒に解決策を考えていきましょう。

まとめ

今回の調査によって、新型コロナウイルスによる社会の変化が子どもの拒食症にまで影響を及ぼしていたことが明らかになりました。調査した国立成育医療センターによると、拒食症は本人が病気を認めずに医療機関での受診が遅れがちになるとのこと。そのため、周りの家族や教育機関が気を配り、深刻な状況になる前に内科や小児科医などのかかりつけ医を受診することが重要になるということです。

この記事の監修医師