「片頭痛」の特徴的な症状はご存じですか? 予防薬を飲む際の注意点や対処法も医師が解説!

頭痛に悩む日本人は多いと言われています。特に片頭痛は、日常生活に支障をきたすことも多く、適切な管理が重要なのだそうです。予防薬を使用することもできるようですが、「薬を飲み続けて問題はないの?」と不安のある人もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、片頭痛の特徴や予防法などについて、「つだぬま頭痛・脳神経外科クリニック」の寺尾先生に解説していただきました。
目次 -INDEX-

監修医師:
寺尾 健(つだぬま頭痛・脳神経外科クリニック)
頭痛の種類

編集部
実際のところ、頭痛持ちの人は多いのですか?
寺尾先生
頭痛は、多くの人が日常的に経験する症状の1つで、日本では15歳以上の3人に1人は何らかの頭痛が生じていると言われています。頭の一部または全体の痛み、場合によっては目の奥の痛みも頭痛に含まれることがあります。頭痛の原因は実に様々で、眼精疲労や睡眠不足といった生活習慣に起因することも少なくありません。
編集部
頭痛は病気なのでしょうか?
寺尾先生
病気として捉えられることは少ないかもしれませんが、頭痛自体も病気と捉えていいと考えています。また、中にはさらに大きい病気の前兆として表れる可能性もあります。頭痛にも種類があり、脳などに明らかな異常がないにもかかわらず発生する「一次性頭痛」と、脳血管疾患や脳腫瘍など、何らかの異常によって引き起こされる「二次性頭痛」があります。
編集部
二次性頭痛の場合は、何らかの異常があるのですね。
寺尾先生
そのとおりです。急激に起こる強い頭痛や、吐き気を伴う頭痛、立っていられないほどの激しい痛みが急速に悪化する場合は、くも膜下出血などの二次性頭痛の可能性があります。このような場合、適切な対応が遅れると命に関わったり、後遺症が残ったりするリスクが高まるため、速やかに医療機関を受診することが重要です。
一次性頭痛とは?

編集部
一次性頭痛についても教えてください。
寺尾先生
主な一次性頭痛としては「片頭痛」と「緊張型頭痛」があります。ほかには群発頭痛などの「三叉神経・自律神経性頭痛」も一次性頭痛です。このうち、日本人に最も多くみられるのは緊張型頭痛で、頭や後頭部が締め付けられる、重い感じがするように痛むのが特徴です。
編集部
群発頭痛はどんな頭痛ですか?
寺尾先生
群発頭痛は、片側の目の周りに、えぐられるような強い痛みが起こる頭痛です。女性よりも男性に多く、じっとしていられないほどの痛みとともに「涙が出る」「鼻水が出る」などの症状を伴います。頭痛は定期的に起こり、突然激しい痛みが15分~3時間ほど現れる時期がまとまって(群発的に)起こります。そうでないときには頭痛がないのも特徴です。
編集部
では、片頭痛は?
寺尾先生
片頭痛とは、頭の片側または両側がズキンズキンと脈打つように痛み、体を動かしたり頭を振ったりすると痛みが増す頭痛です。吐き気や嘔吐を伴うこともあり、光や音、においに対して敏感になることもあります。緊張型頭痛ほど多くはありませんが、片頭痛に悩む人も多く、日本人の約8.4%は片頭痛持ちと言われています。
編集部
そんなにたくさんいらっしゃるのですね。
寺尾先生
はい。特に20〜40代の「働き盛り」と呼ばれる年齢層に多いですが、小・中学生、高校生にもみられます。動けないほどの強い頭痛が起こるため、「登校できない」「仕事に行けない」などで社会における経済的損失も相当なものと言われています。
片頭痛の治療法・予防法

編集部
片頭痛の治療について教えてください。
寺尾先生
痛みの発作時には、鎮痛薬が用いられます。痛みの強さや頭痛が表れてからの時間などにより、いくつかの選択肢があります。また、症状に応じて吐き気を抑える薬などを併用することもあります。
編集部
片頭痛の予防療法もあるのですか?
寺尾先生
片頭痛が月に2回以上、もしくは生活に支障をきたす頭痛が月に3日以上ある場合には、予防的な薬物療法が検討されます。様々な予防療法がありますが、特に、2021年からは「抗CGRP関連抗体薬」という片頭痛に特化した予防療法も実施されています。薬物療法と合わせて、十分な睡眠や適度な運動、規則正しい生活、ストレス管理など、生活習慣の見直しも重要です。
編集部
片頭痛の予防薬は、飲み続けても大丈夫なのでしょうか?
寺尾先生
安全性や副作用を確認しながらであれば、飲み続けても問題ありません。ただ、漫然と飲み続けるのではなく、半年〜1年くらい飲み続けた後は、定期的な見直しをおこない、効果があればやめてみるなど、臨機応変に対応していくことが大事です。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
寺尾先生
頭痛で悩んでいる人は、たくさんいらっしゃいます。そして、そのほとんどが「病院にかかるほどではない」と我慢しているようですが、専門の診療科できちんと治療すれば、頭痛のない生活も望めます。「頭痛がなくなることで生活が様変わりした」「人生が変わった」という人もたくさんいるので、たかが頭痛と思わずに病院にかかってみてはいかがでしょうか。
編集部まとめ
頭痛には、きちんとした治療法があります。また、頭痛薬も正しく使用すれば決して怖いものではありません。つらい頭痛を1人で我慢せずに、専門の診療科を受診してみてはいかがでしょうか。適切な治療を受けることで、日常生活の質を大きく改善できるはずです。
医院情報

| 所在地 | 〒275-0026 千葉県習志野市谷津7-7-1Loharu津田沼1階 |
| アクセス | JR「津田沼駅」 徒歩2分 |
| 診療科目 | 脳神経外科、脳神経内科 |






