【闘病】子どもたちを守れない…27歳で若年性「乳がん」発症の母が日々の幸せを噛みしめる理由(2/2ページ)

子どもたちと一緒に病気と闘う、この日々が私の宝物

編集部
今までを振り返ってみて、後悔していることなどありますか?
ゆりりんさん
最初に「乳がんではなく乳腺炎です」という誤診を受け続け、納得できずに自分で乳腺クリニックに電話しましたが「妊娠中であれば産婦人科の医師に従ってください」と言われて動けずにいました。「若くても、妊娠中でも乳がんになることはある」という認識がもっと広がれば私のようなケースも減ると思います。 乳がん検診は40歳以降といわれていますが、実際は若年性の乳がんも多いことをもっと知ってもらいたいです。あと一歩、専門医にみてもらうというところまではいかなかったのが、悔しくてたまりません。
編集部
それは辛い経験ですね。それとともにもっと多くの方に知ってほしいと思いました。
ゆりりんさん
はい。初めて乳腺の先生にみてもらった時「どうしてもっと早く来てくれなかったの」と言われ、辛かったことを今でも思い出します。もちろん医師はプロフェッショナルで診断に従う必要はありますが、自分の違和感を絶対にないがしろにしてはいけないと思います。ちなみに産婦人科の先生は第1子の時からお世話になっている産婦人科のプロで、大好きな先生です。
編集部
現在の体調や生活はどうですか?
ゆりりんさん
今はステージ4の末期がんです。痛みも強いので医療麻薬の力を借りながら抗がん剤治療をしています。抗がん剤治療の副作用や体の痛みもあるのであまり元気とは言えませんが、子どもたちと一緒にいられるので日々幸せに過ごしています。その日の体調にもよりますが、なんとか家事・育児もできています。入院の度に家族と離れるのが辛く、テレビ通話でお互い泣いた日々、退院すると抱きしめてくれる子どもたちの小さな温もり、一生懸命書いてくれた手紙、似顔絵、死ぬのが怖くて一緒に泣いた日、子どもたちと一緒に病気と闘うこの日々が私の宝物です。
編集部
医療機関や医療従事者に望むことはありますか?
ゆりりんさん
若年性乳がんの存在をもっと一般の人に布教させてほしいです。また、妊娠・出産時の補助金や、家事や子育てをしながらがん治療をする人のための家事サポートやシッター制度などが手厚くなったら嬉しいです。
編集部
最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。
ゆりりんさん
この記事を読んだ方は、ぜひ乳がんについてアンテナを立ててほしいです。若い人はセルフチェックを欠かさずに、違和感があれば納得いくまで病院で診てもらってください。40歳以降の方は必ず乳がん検診を受けてほしいと思います。子どもたちと過ごす毎日を大切に私はこれからも頑張って生きていくので、皆さんもどうか毎日幸せに笑顔で当たり前ではない日々を噛み締めて過ごして欲しいと思います。
編集部まとめ
若年性乳がんの闘病について、ゆりりんさんにお話をうかがいました。乳がんは日本人の9人に1人が発症するがんです。乳がんは、検診開始年齢の40歳以前に発症することも珍しくはありません。日頃から、自分の乳房の状態を知っておき、定期的にセルフチェックをすることを習慣づけましょう。変化に気がついたら医療機関を受診することが大切です。
なお、Medical DOCでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。