せっかく医療痩身を受けても効果が半減するNG行動とは?【医師解説】
医学的なアプローチにより安全かつ効率的にダイエットをめざす医療痩身。しかし、せっかく医療痩身を受けても、その効果を半減させてしまう行動があります。医療痩身を受けている間は控えたい、知らずにやっているNG行動について、FIRE CLINIC院長の江越先生に教えてもらいました。
監修医師:
江越 正敏(FIRE CLINIC)
医療痩身とは?
編集部
医療痩身とはなんですか?
江越先生
医学的な根拠に基づいて、医療機関で行う痩身治療のことを医療痩身といいます。一般的なエステではエステティシャンが施術しますが、医療痩身は医師や医療従事者などが施術するという特徴があります。
編集部
どんな人に向いているのでしょうか?
江越先生
自己流のダイエットを続けても効果が見られない人、一旦痩せてもすぐにリバウンドしてしまう人などが向いています。また、できれば食事制限や運動などを避けたいという人にも向いていると思います。
編集部
医療痩身はどのような医療機関で受けることができるのですか?
江越先生
多くの美容クリニックで受けることができますし、そのほか最近では肥満外来やダイエット外来も増えているので、そのようなところでも受けることができます。
編集部
医療機関で行うということは、保険が適用になるのですか?
江越先生
いいえ。通常、医療痩身を行う際には保険が適用になりません。しかし、「BMIが35以上の高度肥満である」「BMIが25以上で糖尿病や睡眠時無呼吸症候群など、肥満が関係する病気を発症している」など、一定の条件を満たしていれば保険が適用になります。詳しくは医療機関でお問い合わせください。
医療痩身の内容とそれぞれの特徴
編集部
医療痩身にはどのような治療があるのですか?
江越先生
- 注射をする(脂肪を溶かす「脂肪溶解注射」など)
- 薬やサプリメントを服用する
- 痩身機器を使う(脂肪を冷却して排出する機器など)
- 手術をする(脂肪を吸引する手術など)
これらに加え、食事療法や運動療法などを取り入れながら痩身をめざします。
編集部
それぞれの治療法について、特徴を教えてください。
江越先生
たとえば注射や薬、サプリメントは身体的負担も少なく、手軽に行うことができますが、その反面、副作用があることも多いので注意が必要です。また痩身機器は期待した効果が得やすく、特に通常のダイエットでは難しい部分痩せも実現しやすいという特徴があります。その反面、高額になりやすいというデメリットもあります。
編集部
手術というのは、どういうものですか?
江越先生
手術にもさまざまあり、知名度の高いものに脂肪を吸引する手術があります。これは皮膚に小さな穴を開け、そこにカニューレと呼ばれる管を入れて脂肪を吸い出す方法のこと。非常に効果が高く、すぐに痩せたという実感を得られる治療法ですが、その反面、身体への負担が大きく、事故などの報告例もあります。そのほか、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの病気を併発している患者さんには、胃を小さくする手術などを行うこともあります。
編集部
それぞれの特徴を理解して、自分に適したものを選ぶ必要があるのですね。
江越先生
医療痩身にはさまざまな技術があり、それぞれにデメリットもあります。メリットだけに着目してメニューを選択するのではなく、きちんとデメリットも理解した上で選択することが大切。また施術を受けたあとも痩身効果を継続するために、日常生活で気をつけなければならないこともありますから、施術後も注意が必要です。
医療痩身の施術後にやってはいけない行為とは?
編集部
医療痩身でもリバウンドすることはあるのですか?
江越先生
一般的に、医療痩身はリバウンドしにくいと言われています。そもそもリバウンドの原因は「脂肪細胞が肥大化する」ということが多く、食事制限や運動による通常のダイエットでは一時的に脂肪細胞を小さくしても、また不摂生に戻れば脂肪細胞はあっという間に肥大化してリバウンドします。しかし、医療痩身では薬物や機器、手術などにより脂肪細胞の数そのものを減少させます。そのため本来ならリバウンドしにくいのです。
編集部
では、一度痩せたらもう太らないということでしょうか?
江越先生
いいえ。残念ながらそういうわけではありません。たとえば、脂肪吸引の治療をしたあとに暴飲暴食をすると、皮下脂肪は治療で減っても今度は内臓脂肪が増え、糖尿病や高血圧、心筋梗塞、脳梗塞などのリスクが高まるというエビデンスがあります。そのほかの治療でも、再び不規則な生活に戻ればリバウンドの危険性があります。そのため、医療痩身が成功したあとも、食事に気をつけたり、定期的な運動をしたりすることが大切です。
編集部
医療痩身で痩せても、その後も健康的な生活を維持する必要があるのですね。
江越先生
そうです。確かに医療痩身は非常に優れた効果がありますが、それだけに頼ってしまい、生活習慣を堕落させるのは良くありません。せっかく医療痩身を受けてもその効果を半減させてしまいますから、きちんとした生活習慣を維持するようにしましょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージがあれば。
江越先生
医療痩身は確かに効果の高い治療法です。脂肪細胞を減らすことができますし、一般的なダイエットに比べてリバウンドの確率も低くなります。しかし、本当に変えなければならないのは、生活習慣。以前のように暴飲暴食をしていたり、まったく運動をしなかったりしては、せっかく医療痩身で痩せても再び太ってしまうかもしれません。だからこそ、医療痩身で脂肪を減らすだけでなく、食事や運動など生活習慣を整え、ご自身のマインドを変えることが大切なのです。当院では認知行動療法といって、精神療法を取り入れたダイエットコーチングを行っています。なぜならただ痩せるだけでなく、患者さんの人生を豊かなものへ導くことが私たちの使命だと考えているから。一般に、簡単な習慣なら66日で身につくと言われています。医療痩身に取り組みつつ、約2ヶ月かけて、たとえば「朝歯磨きをするときにスクワットをする」「週1回だけでも、1駅手前で降りて歩く」など少しでも良い習慣を身につけ、人生をより豊かにしていただきたいと思います。
編集部まとめ
最近、人気の高い医療痩身。しかし、医療痩身で痩せることができても、その後の行動で効果が半減してしまうこともあります。せっかくの効果は長持ちさせたいもの。医療痩身だけに頼らず、食事や運動も気をつけましょう。
医院情報
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アクセス | JR「新宿」駅東口より徒歩6分 「新宿三丁目」駅C6出口より徒歩30秒 |
診療科目 | 美容外科、医療痩身 |