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「脂肪吸引手術」の当日の流れ・術後ダウンタイムを短くするコツを教えて!【医師が解説】

 公開日:2023/08/03
「脂肪吸引手術」の当日の流れ・術後ダウンタイムを短くするコツを教えて!【医師が解説】

気になる部分の脂肪を減らすことができ、即効性の高い「脂肪吸引」。興味があるものの、「ダウンタイムが長いのは困る」という人も多いと思います。そこで今回は、脂肪吸引の流れやダウンタイムを短くするコツなどについて、「豊洲内科・糖尿病/形成・美容外科クリニック」の澤口悠先生に解説していただきました。

澤口 悠

監修医師
澤口 悠(豊洲内科・糖尿病/形成・美容外科クリニック)

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関西医科大学医学部医学科卒業。その後、関西医科大学附属病院初期臨床研修医、関西医科大学総合医療センターや大阪府済生会野江病院に形成外科医として勤務、埼玉医科大学総合医療センター形成外科助教や都内大手美容クリニック分院長を務める。2023年より「豊洲内科・糖尿病/形成・美容外科クリニック」に勤務。日本形成外科学会形成外科専門医。日本創傷外科学会、日本美容外科学会(JSAPS)、日本美容外科学会(JSAS)の各会員。日本化粧品検定1級。

脂肪吸引はどのような流れでおこなわれるの?

脂肪吸引はどのような流れでおこなわれるの?

編集部編集部

脂肪吸引は、どのような流れでおこなわれるのですか?

澤口 悠先生澤口先生

まずはカウンセリングを受けていただき、具体的に体のどの部分の脂肪が気になるのかなど、お悩みをお聞きします。人によって「上半身に脂肪がつきやすい」「下半身が気になる」とお悩みが違うので、カウンセリングではそのあたりをじっくりとお聞きします。また、これまでの病歴や服用している薬の有無などもヒアリングさせていただきます。

編集部編集部

その後は?

澤口 悠先生澤口先生

具体的な手術方法や使用する医療機器、費用、手術によるリスク、ダウンタイムなどについて詳しくご説明します。患者さんに納得いただいてからご契約となり、手術日を予約していただきます。契約が決まったら、血液検査もおこないます。脂肪吸引は静脈麻酔による手術となるため、身体状況を確認するのが目的です。

編集部編集部

手術当日は、どのように進められるのですか?

澤口 悠先生澤口先生

当日の体調や内服薬の確認をした後、術前術後の違いを把握するため吸引部位のサイズを測定したり、写真撮影をおこなったりします。吸引部位のマーキングをしてからオペ室へご移動いただき、全身を消毒した後に心電図・血中酸素濃度測定器・血圧計を装着していただきます。医療機関によって多少前後するかと思いますが、だいたいこのような流れで進みます。

編集部編集部

その後、いよいよ手術になるのですね。

澤口 悠先生澤口先生

はい。手術は静脈麻酔でおこなわれるので、眠っている間に手術が終わります。一般的な手術時間は部位にもよりますが、顔だと30分程度お腹や足だと長くても3時間以内に終わります。脂肪吸引に加えて、豊胸の脂肪注入などもおこなうと約4時間かかる場合もあります。

脂肪吸引手術の仕組みについて知りたい

脂肪吸引手術の仕組みについて知りたい

編集部編集部

脂肪吸引手術は、どのような仕組みになっているのですか?

澤口 悠先生澤口先生

簡単に説明すると、脂肪吸引手術では皮下に専用の吸引管(カニューレ)を挿入して、皮下脂肪を取り除きます。様々な形や太さのカニューレがあるので、吸引したい脂肪の場所や深さに合わせて選択します。

編集部編集部

カニューレを挿入するのに、どれくらいメスを入れる必要がありますか?

澤口 悠先生澤口先生

当院では、5mmくらいの傷を数カ所につけてカニューレを挿入して、チュメセント液と言う特殊な麻酔液を使用します。このチュメセント液が脂肪と反応することで脂肪の乳化が起こり、脂肪が溶けた状態になったところをシリンジの陰圧を用いて吸引するという仕組みです。

編集部編集部

吸引した後は、どうするのですか?

澤口 悠先生澤口先生

麻酔液を絞り出してから傷跡を縫合し、包帯を使って患部の圧迫をおこないます。術後にしっかり圧迫固定をすることで患部の内出血を防ぐとともに、手術後の腫れを抑える効果を期待できます。

編集部編集部

術後、通院する必要はありますか?

澤口 悠先生澤口先生

基本的には手術翌日、1週間後、1カ月後、3カ月後、6カ月後に来院して経過を見せていただきます。脂肪吸引をおこなった患部が回復し、完了するのは3~6カ月後が目安です。

脂肪吸引手術のダウンタイムはどれくらい? 短くするには?

脂肪吸引手術のダウンタイムはどれくらい? 短くするには?

編集部編集部

脂肪吸引手術のダウンタイムには、どのような症状がみられるのですか?

澤口 悠先生澤口先生

代表的な症状は、痛み、むくみ、内出血、皮膚のつっぱり感、乾燥による皮膚のかゆみなどです。手術をした部位によってダウンタイムの期間は異なりますが、痛みは術後3日程度で引き、内出血は1週間~10日程度むくみは約1カ月でおさまります。手術をおこなった部位は術後1~3カ月で馴染んできます。

編集部編集部

ダウンタイムを短くするにはどうしたらいいですか?

澤口 悠先生澤口先生

術後2~3日をピークに痛みが出ることが多いのですが、この時期は圧迫着を着用したり、寝る際にクッションを敷いたりして患部を保護することで痛みの軽減が期待できます。また、炎症を起こして腫れている場合には冷やしたり、体が冷えてむくんでいる場合には温めたりすると症状の改善に役立つでしょう。

編集部編集部

そのほか、術後に気をつけることはありますか?

澤口 悠先生澤口先生

手術の7日後を目途に、無理のない範囲でマッサージやストレッチをおこなうと、筋肉がほぐれて回復が早まります。また、脂肪吸引後、飲酒は2~3日控えましょう。腫れやむくみが長引く恐れがあります。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

澤口 悠先生澤口先生

脂肪吸引の手術後の痛みのピークは2~3日程度で、徐々に痛みが引いてきます。なかには、念のため手術翌日は会社などをお休みする患者さんもいらっしゃいますが、日常生活を送るのに不便を感じることはないと思います。脂肪吸引というと、大きな手術だととらえてしまう人も多いかもしれませんが、思っているほど過酷な手術ではありません。脂肪吸引手術を受けると見た目が劇的に変化するので、患者さんからの満足度は高いですね。ダウンタイムを気にして手術を受けようか迷っているのであれば、ぜひ一度カウンセリングで医師に相談をしていただきたいと思います。

編集部まとめ

「自己流でダイエットをしてもいつも失敗してしまう」「部分痩せをしたい」という人におすすめな脂肪吸引。ダウンタイムなど気になることがあれば、まずはカウンセリングで医師に尋ねてみましょう。多くの場合、カウンセリングは無料で受けられるので、迷っていたらまずは相談してみてはいかがでしょうか。

医院情報

豊洲内科・糖尿病/形成・美容外科クリニック

豊洲内科・糖尿病/形成・美容外科クリニック
所在地 〒135-0061 東京都江東区豊洲5-2-12 豊洲BAYSIDEクリニックビル5F
アクセス ゆりかもめ「豊洲駅」 徒歩1分
東京メトロ有楽町線「豊洲駅」 徒歩2分
診療科目 内科、糖尿病内科、内分泌内科、皮膚科、形成外科、美容外科、美容皮膚科

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