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【医師解説】脂肪吸引のリスク・デメリット! 脂肪吸引施術で後悔・失敗しないために知っておきたいことは!?

 公開日:2023/05/05
【医師解説】脂肪吸引のリスク・デメリット! 脂肪吸引施術で後悔・失敗しないために知っておきたいことは!?

「脂肪吸引」はエステなどと異なり、れっきとした医療行為です。だからこそ、実績のある医師からの正しい知識は前もって得ておきたいところ。そこで「脂肪吸引施術」について、美容外科医の深堀純也先生(WOM CLINIC GINZA統括医師)にMedical DOC編集部が話を聞きました。

※本記事で扱われている治療は保険適用外の治療になります。リスクや副作用など担当医師から説明を受け、ご自身が納得した形で治療を受けるようにしましょう。

深堀 純也

監修医師
深堀 純也(WOM CLINIC GINZA)

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2020年よりWOM CLINIC GINZA統括医師。脂肪吸引、特にフェイスラインの脂肪吸引を得意とし、あらゆる施術においてダウンタイムをできるだけ少なく、仕上がりを良くすることを心がけている。現在までの症例数は顔の脂肪吸引だけで約7000人、口コミの数は約2000件にのぼる。国内はもちろんのこと、海外から来院する患者も多い。

脂肪吸引にはどんな施術方法・種類があるの? 超音波を使った 「ベイザー」って何? 脂肪吸引注射との違いは?

脂肪吸引にはどんな施術方法・種類があるの? 超音波を使った 「ベイザー」って何? 脂肪吸引注射との違いは?

編集部編集部

脂肪吸引とは、どんな施術なのですか?

深堀 純也先生深堀先生

脂肪吸引はカニューレと呼ばれる細い管を使って、余分な皮下脂肪を取り除く施術のことです。顔や二の腕、ウエストまわり、太ももなど皮下脂肪がたまりやすい部位の部分痩せが可能なため、「ダイエットが続かない」「部分痩せをしたい」という方におすすめの施術です。

編集部編集部

どんな方法があるのですか?

深堀 純也先生深堀先生

大きく分けると、脂肪を吸引する方法が2種類あります。採血する時のように注射器(シリンジ)の押し子を引くことによって、手動で脂肪を吸引する「シリンジ法」と、機械を使って掃除機のように吸引する方法があります。いずれも、皮膚の切開は3~5mm程度のため、大きく目立つような傷跡は残りません。

編集部編集部

それぞれメリット、デメリットがあるのですか?

深堀 純也先生深堀先生

シリンジ法は、大量の脂肪吸引が必要なウエスト周りや太ももなどには不向きという反面、陰圧が細かくコントロールできるため、数cc単位でのきめ細かな吸引が可能であるのがメリットと言われていました。しかしながら、機械技術の著しい進歩により、現在は機械でも非常に細やかな吸引ができるようになっており、シリンジ法をしのぐほどです。また、機械による吸引は、それぞれの機械によってメリット・デメリットが異なります。

編集部編集部

では「ベイザー」という言葉を見かけるのですが、これはなんですか?

深堀 純也先生深堀先生

ベイザーは脂肪吸引する機械ではなく、特殊な超音波で脂肪を溶かし、バラバラにすることで脂肪を吸引しやすくする機械です。皮下脂肪の90%が除去できるというものになります。出血量も少ないため、痛みや腫れなどのダウンタイム症状を軽くすることができます。脂肪を柔らかくするという一手間を加えてから吸引するので、より多くの脂肪除去が可能で、さらに皮膚の引き締め効果もあると言われています。通常の脂肪吸引で取りきれなかった脂肪も取りやすくなるので、一度脂肪吸引を行って、思うような結果が出なかった方への再施術(修正症例)などでも威力を発揮します。

脂肪吸引で後悔・失敗しないために 脂肪吸引のリスクを医師に質問! 死亡事故や合併症、傷跡や感染症の恐れはない?

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編集部編集部

では、脂肪吸引する際に注意することはありますか?

深堀 純也先生深堀先生

医療行為ですので、稀ではありますが傷跡の引きつれや傷跡からの感染、内出血による血腫や凸凹、知覚異常などの合併症を起こすリスクはあります。また、多くの場合は麻酔を使いますので、麻酔によるリスクもありますね。

編集部編集部

麻酔によるリスクにはどんなものがあるのですか?

深堀 純也先生深堀先生

麻酔薬を注入することで起こる中毒症状や合併症のリスクがあります。脂肪吸引の際は麻酔を2種類使うので、麻酔によるリスクも「局所麻酔中毒」と「全身麻酔による合併症」の2種類が起こり得ます。特にリスクが高いのは「全身麻酔による合併症」で、不整脈やアナフィラキシーショック、呼吸停止、術後肺炎などの合併症を起こす可能性があります。しかし、これは適正量の麻酔を正しく使い、施術中の麻酔管理や状態管理をきちんと行っていれば、防ぐことができるものです。

編集部編集部

合併症が起こりやすい人などはいるのですか?

深堀 純也先生深堀先生

心疾患や糖尿病などの基礎疾患のある方は、特に注意が必要です。また、麻酔の使用量は体重によって変わるので肥満、とくにBMI30以上の人は使う麻酔薬の量が多くなるため、合併症が起こるリスクも高くなります。さらに、脂肪吸引が2回目、3回目という人は、すでに組織が損傷していて出血しやすかったり、神経麻痺を起こしやすかったり、ほかにも皮膚の凸凹や色素沈着を起こしやすいなどの報告があります。

編集部編集部

いろいろなリスクがあるのですね。

深堀 純也先生深堀先生

そうですね。そういったリスクを事前に回避するためにも、脂肪吸引を受ける際には、実績があり、事前のカウンセリングや術後のフォローもしっかりしている医療機関を選ぶことが大事です。実績は、具体的な施術症例数や、実際に受けた人の口コミ、ビフォーアフターの症例写真なども確認すると良いでしょう。

正しく知る脂肪吸引のデメリット 副作用の危険性は?ダウンタイムはどのくらい?

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編集部編集部

そのほかに、脂肪吸引について知っておいた方が良いことなどはありますか?

深堀 純也先生深堀先生

脂肪はとても軽いため、体重は見た目ほど減らないということは知っておいた方が良いですね。あとは、脂肪吸引できるのは皮下脂肪のみで、内臓脂肪は吸引することができないため、もともと皮下脂肪ではなく内臓脂肪が多かった方などは、吸引しても細くなるのに限りがあり、見た目の満足度が得られにくいかもしれません。

編集部編集部

脂肪吸引後のリバウンドなども心配です。

深堀 純也先生深堀先生

脂肪吸引は脂肪細胞自体の数を減らすため、これまで通りの生活を続けていれば、施術後の体型を維持できることが期待できます。もちろん、残りの脂肪細胞が肥大すれば太ってしまうことはあり得ますが、それでも肥大する脂肪細胞自体が減っているため、エステや食事制限と比べると、リバウンドはしにくいかもしれません。しかし、当然のことながら、脂肪細胞が減るのは脂肪吸引を行った部位のみなので、ほかの場所は太ってしまいます。まずは食事や運動などでコントロールし、どうしても細くならなかった部分は脂肪吸引をするという考え方が適切だと思います。

編集部編集部

では、ダウンタイムについても教えてください。

深堀 純也先生深堀先生

脂肪吸引する部位によっても異なりますが、顔は2~3日、二の腕だと3日~1週間、ウエストまわりや太ももは1〜2週間程度必要です。この間は腫れや内出血、痛みなどが症状として表れます。「仕事はいつからできますか?」と聞かれることも多いのですが、最低でも2~3日程度は自宅でゆっくりする時間が確保できると良いと思います。

編集部編集部

最後に、MedicalDOC読者へのメッセージがあればお願いします。

深堀 純也先生深堀先生

脂肪吸引は、きちんとした医療機関で適切に行うことができれば、高い満足度が得られる痩身法だと思います。一方で、施術による死亡者数も少なくはないという現状もあります。「要らない脂肪を吸い出すだけ」と簡単に考えず、技術や安全性を見極めて医療機関を選んでください。繰り返しになりますが、「近いから」「値段が安いから」といった理由で安易に決めずに、医師の経歴や実績(症例数やビフォーアフターの写真など)、実際に施術を受けた方の口コミなど、しっかりリサーチして判断することをお勧めします。

編集部まとめ

「脂肪吸引施術」のリスクなどについて、専門医にお話を伺いました。脂肪吸引が、「楽に皮下脂肪が取れて、リバウンドもしにくい痩身法」であるのは確かですが、やはり、「麻酔」を使った施術であるということを忘れずに医師選び、クリニック選びをきちんと行うことが大事だと思いました。

医院情報

WOM CLINIC GINZA

WOM CLINIC GINZA
所在地 〒104-0061 東京都中央区銀座2丁目2-187 TH銀座ビル 5~7階
アクセス 東京メトロ「銀座一丁目駅」 徒歩1分
東京メトロ「有楽町駅」 徒歩2分
東京メトロ「銀座駅」 徒歩3分
診療科目 美容外科

この記事の監修医師