【闘病】まさか肩の痛みが「高安動脈炎」(指定難病)だったなんて(2/2ページ)

他人と比較する生き方ではなく自分にしかできない人生を歩んでほしい

編集部
病気と向き合っていく上で心の支えになっているものを教えてください。
堀内さん
私の場合は、やはり家族の存在が一番大きいですね。今こうして自分が存在できているのも家族のおかげだと思っています。私は家族がいなければきっと生きていなかったでしょうし、生きることを諦めていたと思います。家族の存在が自分にとって生きる原動力となっていました。
編集部
それは大切な存在ですね。
堀内さん
もちろん、衝突することもたくさんありました。それでも、今日まで生かしてくれた家族のことを私は愛しています。家族が生きているうちは生きよう。それが私の生きる意味だったのです。でも、今は家族以外にも友達や同じように病気で苦しんでいる人たちなど、たくさんの人たちからの支えがあって生きることができています。私のことを支えてくださる人たちへの感謝の気持ちを忘れずに生きていこうと思います。
編集部
現在の体調や生活などの様子について教えてください。
堀内さん
発症から8年が経ち、23歳になりました(2022年3月現在)。現在は、プレドニゾロン9mg/日、そのほかもたくさんお薬で治療を行っています。アクテムラの自己注射もしています。2月に2度目の緑内障の手術(両目)をして、今は点眼薬も多く、それも大変ですね。術後は痛みだけでなく、眼帯生活がとても辛かったです。ですが、おかげで目が見えることのありがたさを改めて思い知ることができましたし、自分にとって良い経験になったと思います。
編集部
あなたの病気を意識していない人にメッセージをお願いします。
堀内さん
病気を理解できないことは、仕方ないことだと思っています。 痛みや苦しみは本人にしか分かりませんから、それをほかの人が理解することはとても難しいことです。でも、理解しようと努力して下さる方もいて、そういう方には私も誠心誠意向き合い、病気について知ってもらいたいと思っています。やはり、自分の病気について知ってほしい気持ちはありますし、もっと多くの人たちに認知してもらえたらとも思います。読者さんにも「高安動脈炎」という病名だけでも覚えてもらうことができたら幸いです。
編集部
医療従事者に望むことはありますか?
堀内さん
まず私がこうして難病を患いながらも生きることができているのは医療従事者の皆さんが治療をして下さるおかげです。望むことがあるとすれば、どうか、しっかり話を聞いて、一人ひとりの患者に寄り添っていただけたらと思います。
編集部
最後に、読者や病気と闘っている人たちに向けてのメッセージをお願いします。
堀内さん
どんなに努力をしても全てが報われるわけではありませんでしたし、たくさんの挫折、失敗も経験してきました。諦めたこともたくさんあります。それでも、今までの経験に無意味なことなんて一つもなくて、努力も無駄になることはないと信じています。まずは、自分にできることとできないことを知り、限界を超えないようにしてください。また、頑張ることを頑張ろうとしないでください。頑張れないときは頑張らなくていいと思います。あなたはあなたの軸を持って生きてください。他人と比較する生き方は私たちには合いません。きっとあなたにしかできないことがあるはずです。そして生きることを諦めないでください。諦めることはいつでもできます。一緒に今を生きていきましょう。
編集部まとめ
今回取材させていただき、堀内さんの口から発せられる言葉はとても前向きなものが多いことに驚きました。きっとここまで辿り着くまでにはさまざまな葛藤があったことと思います。私たちにできることは、「高安動脈炎」という難病があることを知ること。お互いが相手を理解しようと努力することが大切なのだと改めて感じました。