【体験談】喉の違和感がことの始まり。胃全摘となった食道胃接合部がん(2/2ページ)

同じ大変な想いをしている人のため、自分の経験を発信していきたい

編集部
現在の体調や生活はどうですか?
Caonnyさん
調子を取り戻せたのは術後1年程でした。少しずつできることを増やしていきました。昨年の3月までは抗がん剤治療をしていたのですが、抗がん剤治療を終えてから、更に元気になった気がします。抗がん剤治療自体はそこまで辛くなかったつもりでしたが、副作用で末梢神経障害、倦怠感や味覚障害、脱毛などもありカツラ生活だったので、そういったものから解放されたことも大きいと思います。治療を終え、昨年の4月から段階的に仕事復帰もしています。今は週4回の常勤勤務もできるまでになりました。プライベートも大切にしたいので仕事はこれ以上増やさず、両立できればと考えています。今は日々穏やかにを大切に充実した生活を送っています。
編集部
最悪の時期を乗り越えた今、やりたいことはありますか?
Caonnyさん
※Adolescent and Young Adult(思春期・若年成人)の頭文字をとったもので、15歳〜30歳代くらいまでの世代を表す。
編集部
医療機関や医療従事者に望むことはありますか?
Caonnyさん
先生を始め、看護師さんの励ましの言葉や共感や寄り添う姿勢が非常に励みになりました。病気になった私たちが頼れる存在は、医療従事者の方しかいません。その判断、言葉が、私たちの後の人生を左右することもありますし、とても大きな力を持っています。日々、色々な患者様がいらっしゃると思いますが、決して流れ作業にはしないでほしいと思います。一人ひとりと向き合って治療にあたっていただきたいと思います。
編集部
読者に向けてのメッセージをお願いします。
Caonnyさん
特に今まで問題もなく、健康に過ごしていました。自分に限って大丈夫だろうと、がんになるなんて想像もしていませんでした。私がこれまでを振り返って、唯一後悔していることを挙げるなら、2019年4月に喉の違和感を感じたとき、すぐに受診をしなかったことです。普段どんなに健康な方でも、いつもと違う症状を少しでも感じたら、まずは受診されることをお勧めします。
編集部
最後に、伝え残したことなどあればどうぞ。
Caonnyさん
がんと闘う皆さん、道半ばの私ですが、ここまでに沢山の苦難を乗り越えて今に至ります。もう、こんなについてないのは私だけじゃないかと思うほど大変なことが続きました。それでも、どうにかなるものですし、時間が解決してくれることも多かったです。何よりも家族や友人、同僚など沢山の人に支えてもらって乗り越えることができました。今は再発にビクビクしてしまうこともありますが、日々を大切に過ごすよう心がけています。まだ子どもも諦めていません。抗がん剤治療中に月経が止まり、子どもを諦めていたのですが、治療後に月経が再開しました。婦人科も受診して、排卵があることも確認できてほっとした今日この頃です。とはいえ既往や年齢からもハイリスクであることには間違いないですし、妊娠できるかはわかりません。主治医の先生と相談しつつ、これからもやりたいことを達成したいと思います。みなさんもどうぞ、諦めないで日々を大切にお過ごしください。
編集部まとめ
2歳のお子さまがいながらがん宣告を受け、治療をしながら自分がいなくなった時のためにお子さまに手紙を書いていたという母としての強い愛情に心を打たれました。また、「自分に限って大丈夫だろう」と、違和感を感じても受診を先延ばしにしてしまったという当時のCaonnyさんに共感される方も多いと思います。若くて健康な人にとっても、がんは決して他人事ではありません。気になる症状があったら、まずは受診しましょう。Caonnyさん、ありがとうございました。