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胃カメラ・内視鏡検査を受ける頻度を医師が解説 年齢・年代で必要な検査頻度は変わる?

 公開日:2024/02/15
胃カメラ・内視鏡検査を受ける頻度を医師が解説 年齢・年代で必要な検査頻度は変わる?

胃カメラや大腸カメラは、忙しさや恥ずかしさ、さらには「体の中にカメラを入れる」という恐怖感もあり、なかなか検査に踏み切れないという方も多いのではないでしょうか? そこで内視鏡検査を受ける目的や意義、推奨頻度について、消化器内科医の佐々木 大樹先生(佐々木医院院長)にMedical DOC編集部が話を聞きました。

佐々木 大樹

監修医師
佐々木 大樹(佐々木医院)

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2009年東邦大学医学部を卒業後、東邦大学医療センター佐倉病院初期に研修医として入職、その後、香取小見川医療センターでも経験を積む。2021年、佐々木医院院長に就任。日本内科学会認定医、日本消化器病学会専門医、日本内視鏡学会専門医。

健康診断や消化器内科で胃カメラ(胃内視鏡検査)を受ける頻度はどれぐらいがいい? 定期的に検査すべき理由は?

健康診断や消化器内科で胃カメラ(胃内視鏡検査)を受ける頻度はどれぐらいがいい? 定期的に検査すべき理由は?

編集部編集部

胃内視鏡検査について教えてください。

佐々木 大樹先生佐々木先生

胃内視鏡検査は、通称「胃カメラ」と呼ばれていますが、正式には「上部消化管内視鏡検査」という検査です。基本的には、胃だけではなく食道や十二指腸などを内視鏡で観察し、異常がないかを検査します。

編集部編集部

どんな病気がわかるのですか?

佐々木 大樹先生佐々木先生

胃や十二指腸の潰瘍・ポリープ・ヘリコバクター・ピロリ菌の有無、胃がん、食道がん、十二指腸がんなどのがん病変もわかります。これらのがんには、初期には自覚症状があまりないため、検査で早期発見することが大切です。

編集部編集部

では、どのくらいの頻度で受けたら良いですか?

佐々木 大樹先生佐々木先生

どのくらいの間隔で検査を受ければ良いかは、胃がんなどにかかる危険性が高いかどうかによって異なりますが、「一般的には2〜3年間隔」で受けるのが良いと考えられています。

編集部編集部

人によって異なるのですね。

佐々木 大樹先生佐々木先生

そうですね。例えば、以前にピロリ菌の除菌を受けた方や早期胃がんの内視鏡治療を受けたことのある方などは、胃がんになる可能性が比較的高いため、1年に1回の検査をお勧めします。

健康診断や消化器内科で大腸カメラ(大腸内視鏡)を受けるべき推奨頻度は? 便潜血・血便があったら検査した方がいい?

健康診断や消化器内科で大腸カメラ(大腸内視鏡)を受けるべき推奨頻度は? 便潜血・血便があったら検査した方がいい?

編集部編集部

では、大腸内視鏡検査についても教えてください。

佐々木 大樹先生佐々木先生

大腸の内部を内視鏡カメラで観察する検査です。胃カメラが口から挿入するのに対し、大腸カメラは肛門から挿入して検査します。また、胃カメラも同様ですが、検査中にポリープやがんを疑う病変があった場合には、組織を一部採取したり、ポリープの切除を行ったりすることも可能です。

編集部編集部

どんな病気がわかるのですか?

佐々木 大樹先生佐々木先生

大腸がんや大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎などのほか、大腸憩室症や虚血性腸炎、クローン病などを見つけることができます。 とくに、大腸がんの早期発見には、大腸内視鏡検査がもっとも有用です。

編集部編集部

こちらも定期的に受けた方が良いのでしょうか?

佐々木 大樹先生佐々木先生

そうですね。これといった自覚症状がなくても、定期的に受けることをお勧めします。とくに50代以上の方は、2~3年おきには検査しましょう。40代でも、まず一度は受けていただきたいと思います。

編集部編集部

理由も教えてください。

佐々木 大樹先生佐々木先生

大腸がんの患者さんは、40代以降に急激に増えてくるというデータがあるからです。早期の大腸がんなどは自覚症状がほとんどなく、また、仮に血便が出たとしても、初期の場合は量も少ないため、気づかない方も多いのです。 症状がなくても、定期的に検査しておくと早期発見につながります。もちろん、便潜血や血便などがあった場合は、すぐに検査を受けてください。

胃カメラ・大腸カメラなどの内視鏡検査の受検目安は年代や症状で変わる? 30代でも受けるべき?

胃カメラ・大腸カメラなどの内視鏡検査の受検目安は年代や症状で変わる?  30代でも受けるべき?

編集部編集部

30代の人は胃カメラ・大腸カメラなどの検査を受けなくても良いですか? 受けるとしたら頻度はどのくらいでしょうか?

佐々木 大樹先生佐々木先生

あくまで私の個人的な見解ですが、30代の場合、がんなどの病気が見つかることは稀で、検査でわかる病気の多くが潰瘍性大腸炎やクローン病などです。これらは、下痢や血便などの症状が伴うことがほとんどなので、30代の方の場合は「症状があったら検査」で良いと思います。

編集部編集部

忙しくて、つい後回しにしてしまいます。

佐々木 大樹先生佐々木先生

そういう方はとても多いようです。会社の健康診断などで「要精密検査」と指摘されても、実際に検査を受ける方は半分以下とも言われています。しかし、胃カメラも大腸カメラも、事前に下剤を飲むなどの準備はありますが、検査自体は約10~20分と短時間で終わる、安全かつ比較的確実な検査です。

編集部編集部

下剤を飲むのが辛いと聞いたことがあります。

佐々木 大樹先生佐々木先生

確かに、胃や大腸を空っぽにするために、下剤を飲んでいただくという前準備があり、それが辛いという方は多いですね。下剤に関して以前は、「液体の下剤を2リットル飲む」という方法しかなかったのですが、今は、錠剤や粉末タイプの下剤など、選択肢も増えてきており、辛さも軽減してきています。クリニックによって選択肢が異なるので、下剤に不安のある方は、まずは医師に相談してみましょう。

編集部編集部

最後に、Medical DOC読者へのメッセージがあればお願いします。

佐々木 大樹先生佐々木先生

胃カメラや大腸カメラには辛いイメージを持っている方も多いと思いますが、最近は下剤の工夫や希望に応じて鎮静剤の検討など、楽にできる方法も色々あります。症状のない病気を早期発見するのに大変すぐれた検査ですので、まずはお近くの消化器内科医に相談してみてください。

編集部まとめ

年齢ごとに、検査を受ける頻度などが異なることや、下剤などの苦痛が緩和される方法があることなどは非常に勉強になりました。検査時間も10〜20分なので、まずはお近くの病院やクリニックに相談してみてはいかがでしょうか。

医院情報

佐々木医院

佐々木医院
所在地 〒274-0813 千葉県船橋市南三咲2-11-3
アクセス 新京成線「滝不動」駅より徒歩6分
診療科目 整形外科、消化器内科

この記事の監修医師