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男性更年期障害を予防するために大事なコトとは

公開日:2022/06/17  更新日:2022/06/21

女性の更年期は一般的に知られていますが、男性にも更年期障害があるのをご存知でしょうか。そして、なかなか相談できずに悩んでいる人も少なくないそうです。一体、男性の更年期障害とはどのようなものなのでしょうか。また、どのようにすれば予防できるのでしょうか。「代官山パークサイドクリニック」の岡宮先生に解説していただきました。

岡宮 裕医師

監修医師
岡宮 裕(代官山パークサイドクリニック 院長)

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杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院腎臓・内分泌・代謝内科入局。その後、横浜市立市民病院、静岡赤十字病院、練馬総合病院などに勤務。2009年、「代官山パークサイドクリニック」を開院。「体に負担の少ない、一人ひとりに最適な治療」をモットーに、症状やニーズにじっくりと耳を傾けながら診療をおこなっている。

男性の更年期障害とは?

男性の更年期障害とは?

編集部編集部

女性だけでなく、男性にも更年期障害があると聞きました。本当ですか?

岡宮 裕医師岡宮先生

はい。まだそれほど知られていませんが、男性にも更年期障害があります。男性の更年期障害は、「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)」とも呼ばれています。

編集部編集部

どのような症状が現れるのでしょうか?

岡宮 裕医師岡宮先生

女性の更年期障害と同様に、症状は身体症状と精神症状にわけられます。身体症状では、のぼせや多汗、全身倦怠感、頭痛、めまい、耳鳴り、ED(勃起不全)、筋肉や関節の痛み、筋力低下、頻尿などがみられます。一方で、精神症状では不安感に襲われたり神経質になったりするほか、うつ症状やイライラ、不眠、無気力、記憶力や集中力の低下などの症状が出ることがあります。

編集部編集部

身体症状と精神症状、どちらも現れるのですか?

岡宮 裕医師岡宮先生

いいえ。必ずしもそういうわけではなく、人によって症状は様々です。ただし、男性の場合は女性の更年期障害に比べて、精神症状が出やすい傾向があります。

編集部編集部

そもそも、なぜ男性にも更年期障害が起こるのですか?

岡宮 裕医師岡宮先生

男性の更年期障害が起こるのは、主に精巣で分泌される男性ホルモンの「テストステロン」が減少するからです。テストステロンは男性らしさに大きく関係しており、性機能を正常に保ったり、筋肉や骨を強くしたりする働きを担っています。発症する時期として最も多いのは、50~60代です。しかし、個人差が大きく、早ければ30代くらいで発症する人もいます。

編集部編集部

症状はどのように現れるのですか?

岡宮 裕医師岡宮先生

男性の場合、女性の更年期障害と違って、閉経という大きなイベントがありません。そのため、心身の変化は非常に緩やかです。しかし、仕事や家庭などで大きなストレスとなるようなことが起きると、それをきっかけにして急激に症状が進むという場合があります。

男性更年期障害は予防できる?

男性更年期障害は予防できる?

編集部編集部

男性の更年期障害は予防することができるのですか?

岡宮 裕医師岡宮先生

男性の更年期障害を予防するのに大切なことは、生活習慣の見直しです。とくに、十分な睡眠を取ることは、テストステロンの分泌を促進させるため、予防になるでしょう。

編集部編集部

ほかにもあればお願いします。

岡宮 裕医師岡宮先生

同じく、テストステロンの分泌を促進するという観点で言えば、栄養バランスの取れた食事や適度な運動も予防に一役買います。食事面では、タンパク質を多く含む肉や魚を積極的に摂取しましょう。また、運動面は、筋肉を動かすだけでなく、筋肉そのものを増やすことも、テストステロンを分泌してくれます。

編集部編集部

基本的には「食事・睡眠・運動」が予防の柱なのですね。

岡宮 裕医師岡宮先生

そうですね。ほかには、「人とのリアルなつながり」も好影響をもたらすとされています。例えば、趣味を通じて他人から評価されたり、認められたりする経験は更年期障害の予防に効果的です。また、好きな趣味に打ち込む経験や恋愛をしてドキドキ感を味わうことなどもテストステロンの分泌を促します。

男性更年期障害はどうやって治療する?

男性更年期障害はどうやって治療する?

編集部編集部

男性更年期障害の治療法も知っておきたいです。

岡宮 裕医師岡宮先生

まずは問診により、現在の状態や既往歴を伺います。その後、採血をしてテストステロンの数値を調べます。男性更年期障害の診断がついたら、テストステロンの補充療法や漢方薬など投薬治療をおこないます。

編集部編集部

テストステロンを補充することもできるのですか?

岡宮 裕医師岡宮先生

はい。注射と塗り薬によって補充することができます。個人的には、効果を考えると注射によるテストステロンの補充をおすすめしています。ただし、テストステロンを投与すると精子を作る機能が制限されることがありますし、前立腺がんや肝臓病がある場合にはテストステロンの投与をおこなうことができません。加えて、睡眠時無呼吸症候群の人や多血症の人も、テストステロンを補充すると症状が悪化するリスクがあるので、その場合は医師にご相談ください。

編集部編集部

治療にあたって注意すべきことはありますか?

岡宮 裕医師岡宮先生

女性の更年期障害と違って、男性の更年期障害は長期化しやすい点には注意が必要です。女性の場合は閉経前後の10年間くらいに症状が現れるとされていますが、男性の場合は長ければ生涯続くこともあります。そのため、じっくり病気と向き合い、長期的に生活習慣を変えることが必要になります。男性更年期障害の予防や治療は、QOLを上げて健康で長生きすることに役立つので、ぜひポジティブに取り組んでいただきたいですね。

編集部編集部

ほかに、治療での注意点はありますか?

岡宮 裕医師岡宮先生

男性で更年期障害に悩む人は、しばしば心理的なトラブルを抱えている場合もあるため、場合によっては精神科医などによるメンタルケアが必要になることもあります。更年期障害を発症する時期は、ちょうどうつ病の好発時期と重なります。もし、「うつっぽいな」という自覚があったら、早めに精神科へ受診して相談をするようにしましょう。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

岡宮 裕医師岡宮先生

女性の場合、友達や家族に悩みを相談したり、共有したりする人が多いのですが、男性の場合は悩みを誰にも相談せず、1人で抱え込む人が多い傾向にあります。男性ならではの特徴かもしれませんが、男性更年期障害は長期にわたって続く問題です。「もしかして、更年期障害かな」と思ったら、ぜひ医療機関を頼ってください。悩んでいるのは自分だけではないと気がつけば勇気が出ると思いますし、医師による適切な診断で不調を解消できると思います。

編集部まとめ

男性更年期障害の予防には、規則正しい生活習慣のほかに、人とのリアルなつながりも重要とのことでした。男性更年期障害は少しずつ知名度が上がってはいるものの、まだまだ広く知られていません。また、男性更年期障害に詳しい医師の数も少ないのが現状です。もし気になることがあったら、まずはかかりつけ医に相談し、専門医を紹介してもらうのも1つの手です。

医院情報

代官山パークサイドクリニック

代官山パークサイドクリニック
所在地 〒150-0034 東京都渋谷区代官山町 16-1カスティヨ代官山 2F
アクセス 東急東横線「代官山駅」 徒歩2分
診療科目 内科、漢方内科