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ホルモンバランスが乱れると太るってホントなの?

 更新日:2023/03/27

生理のある女性の場合、なにかにつけて関連付けられるのが「ホルモンの乱れ」。はたしてホルモンは、体重の増減にも関わっているのでしょうか。だとしたら閉経後は、はたまた男性の場合はいかに。気になる疑問を「銀座有楽町内科」の山村先生に解決していただきました。

山村聡

監修医師
山村 聡(銀座有楽町内科 院長)

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九州大学医学部卒業。昭和大学で助教を勤めたほか、複数のクリニックで糖尿病・内分泌診療に従事。2019年、東京都中央区に位置する「銀座有楽町内科」の院長に就任。治療はもちろん、病気になりにくい体質・健康づくりを提案している。日本内科学会認定内科医、日本旅行医学会認定医。日本糖尿病学会、日本内分泌学会、日本甲状腺学会の各会員。

若い女性に起こり得ること

若い女性に起こり得ること

編集部編集部

女性のホルモンバランスって、ダイエットの話題でよく耳にします。

山村聡山村先生

そうかもしれませんね。女性の体は妊娠に備えて水分や脂肪をため込みますし、その逆に消費・排出しようとします。この両極端な動きを、2種類の女性ホルモンでコントロールしているのです。したがって、ホルモンバランスが崩れて「ため込もう」とする働きが強くなると、結果として太ってしまいます。

編集部編集部

どうすれば、ホルモンバランスを整えられるでしょうか?

山村聡山村先生

定番かもしれませんが、栄養バランスと規則正しい睡眠です。偏食や夜更かしなどは、なるべく控えてください。油というと「悪者のイメージ」があるかもしれませんが、脂質はホルモンをつくる重要なエネルギー源になります。オメガ3やオメガ5などを含む良質なオイルを摂取しましょう。糖質制限ダイエットもやり方次第で、かえってストレスホルモンが分泌され、バランスを崩しかねません。

編集部編集部

ホルモンバランスの乱れと年齢は、関係ありますか?

山村聡山村先生

30代になると、昇進・異動・結婚や出産など、ライフスタイルの変化するイベントが起きてきますよね。慣れない環境で、ストレスからホルモンバランスが乱れることは、大いに考えられます。よき相談相手や理解あるパートナーの存在が求められるでしょう。

更年期後の女性に起こり得ること

更年期後の女性に起こり得ること

編集部編集部

一方で、「更年期太り」も心配です。

山村聡山村先生

いわゆる「更年期太り」の原因は2つ考えられ、「ホルモンバランスの乱れ」と、「基礎代謝量の低下」です。閉経によって一定周期で揺れ動いていた“振り子”が止まってしまうため、ホルモンバランスの乱れは顕著に起こります。他方、老化による基礎代謝量の低下は誰にでも起こり得ることなので、まずは食事量の見直しをしてみましょう。

編集部編集部

更年期前では、生理がホルモンバランスを整える周期だったわけですよね?

山村聡山村先生

そういうことです。加えて更年期の女性は、男性ホルモンの分泌が相対的に増えてきます。男性ホルモンは「体づくり」に関わっているため、筋肉や脂肪を付けようとするでしょう。基礎代謝量の低下によって消費しきれていないカロリーが、どんどん“脂肪”に変わっていくイメージです。

編集部編集部

更年期対策としては、食事量と代謝量を上げるスポーツでしょうか?

山村聡山村先生

そのとおりです。スポーツなら、脂肪を燃やしやすい有酸素運動がおすすめです。実施するタイミングとしては、摂取したカロリーが消費されやすい“食後”を推奨します。運動が苦手であれば、漢方薬なども検討してみてください。ただし、市販薬も含めたお薬には「合う・合わない」がありますので、医師と相談のうえで処方してもらうといいでしょう。

編集部編集部

お腹まわりなど、決まった場所に脂肪がたまってしまいます。

山村聡山村先生

脂肪は、「肝脂肪→お腹の中の内臓脂肪→お腹まわりの皮下脂肪」という順でたまっていきます。その一方、取れていく順も同様ですので、“肝脂肪が取れていない段階”だと、お腹まわりはへこみません。脂肪減のステージが進むまで、根気よくカロリーコントロールと適度な運動を続けてください。

男性にも更年期は訪れる

男性にも更年期は訪れる

編集部編集部

他方、男性には更年期がないから楽ですよね?

山村聡山村先生

男性にも更年期はありますが、女性のように顕著に訪れないだけです。やはり、男性ホルモンの分泌も、年齢とともに低下していきます。加齢に伴う男性ホルモンの低下によって引き起こされる症状を「LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)」とも呼んでいます。

編集部編集部

やはり、カロリーコントロールと適度な運動がカギでしょうか?

山村聡山村先生

運動は、男性ホルモンの分泌量を維持するためにも必要です。よく言われる話ですが、“朝の勃起”が続いているようなら、男性ホルモンの分泌量はある程度、維持されているはずです。わかりやすい指標なので、運動を取り入れる目安にしてみてください。

編集部編集部

その一方で、メタボによる生活習慣病も怖いですよね?

山村聡山村先生

そうですよね。やはり、カロリーコントロールと適度な運動がカギとなることは間違いありません。男性の場合、今回のテーマである「ホルモンバランスの乱れ」が“顕著には”訪れにくいだけで、気付かないうちに起きています。当然にして、健康管理が求められるでしょう。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば。

山村聡山村先生

男女問わずですが、スクワットや腕立て伏せなどの筋肉に負荷をかける「レジスタンス運動」も有効です。適宜、有酸素運動と組み合わせてみてください。食事でのカロリーコントロールと同様、運動にもバランスという発想を取り入れてみてはいかがでしょうか。

編集部まとめ

女性の場合のホルモンの乱れは、閉経前なら「振り子が片方に寄る」ことで生じ、閉経後なら「振り子が止まる」ことで起きます。男性は、体をつくるホルモンの分泌が少なくなることで、いわゆる「中年腹」に至るようです。また、加齢とともに基礎代謝は減るのが道理なので、食事量に気をつけましょう。加えて、室内にこもるばかりでなく、運動によるエネルギー消費増にも留意したいところです。

医院情報

銀座有楽町内科

銀座有楽町内科
所在地 〒104-0061 東京都中央区銀座4丁目1番先 北数寄屋ビルB1F
アクセス JR「有楽町駅」徒歩3分
東京メトロ「銀座駅」 徒歩1分
診療科目 内科、美容皮膚科

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