【闘病】右足に感じたわずかな違和感。正体は難病だった《慢性炎症性脱髄性多発神経炎》(2/2ページ)

楽しく笑って過ごしたい

編集部
現在の体調や生活などの様子について教えてください。
塩見さん
基本的には自立してほとんどのことは出来ますが、外を歩くのは杖がないと不安です。疲労が溜まりやすいうえに抜けにくく、全ての動作が通常の2〜3倍は時間がかかってしまうようになりました。 3〜4日動いて1日ゆっくり休むといった生活です。毎日、入院中に作ったトレーニングメニューを実施しており、後は、積極的に外出するようにはしています。薬は、ステロイド(プレドニゾロン)と神経修復のお薬(メコバラミン)、あとは胃腸薬(パリエット)と便秘薬(マグミット)を飲み続けています。
編集部
慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)を意識していない人に一言お願いします。
塩見さん
難病は、いつどこで、誰がなるかわかりません。なってからじゃないと、意識もしません。なので、ならないようにと祈るばかりです。
編集部
医療従事者に望むことはありますか?
塩見さん
現在でも、医療従事者の方達は現場で頑張ってくれていると思います。ただ、自分の病気に関わらず、新薬や新治療法を切望している方は沢山います。小さな命が懸命に闘いながら生きています。そんな方達が、ひとりでも多く安心できるようにと思います。
編集部
最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。
塩見さん
これを目にする方がどういった方かは分かりませんが、健康な方であるならば、今のご自分の境遇が決して当たり前ではないのだと、いかに幸運なことなのかと考えてみてほしいと思います。難病を持っている人は、難病を持っているからこそ、毎日を幸せに生きようと一生懸命です。それは、私が前向きな人間だからなどではなく、そうならざるを得なかったのです。楽しく笑って人生を過ごしたいと思うのは、どんな人でも一緒だと思います。
編集部まとめ
「右足にちょっと違和感」というところからわずか半日で、足を引き摺らないと歩けなくなったという塩見さん。突然の発症と数々の検査、そして「原因不明の病気で完治しない」と言われた上での治療、様々な思いがあったと思います。当たり前の生活は決して当たり前ではないのだと考えさせられました。塩見さん、ありがとうございました。