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【闘病】ただの風邪だと思っていたら、心臓が動いていなかった《劇症型心筋炎》(2/2ページ)

 更新日:2025/02/21

問題なく日常生活をおくれるまでに回復

問題なく日常生活をおくれるまでに回復

編集部編集部

病気になってから、「これは良かった」という経験はありますか?

西田育枝さん西田さん

Instagramでハッシュタグ検索すると、劇症型心筋炎になった方が写真を載せていたり、良好な経過を報告していて、それを見て安心しました。もちろん全てが良い情報ではありませんでしたが、それでも自分と同じ経験をした方がいて、とても励みになりました。私もInstagramに「#劇症型心筋炎」と投稿するようになりました。すると身内の方が急に劇症型心筋炎になったなどのDMが来るようになり、答えられる範囲でお返事しています。その人によって重症度や経過も違うので、私の経験が全てではありませんが、何か少しでも役に立てば、と思っています。

編集部編集部

治療やリハビリ中の心の支えとなったものは、何でしたか?

西田育枝さん西田さん

怖くて眠れない日が何日かありました。でも、毎日見舞いに来てくれる夫に会うと、自分でも心が落ち着くのが分かりました。私の家族も夫の家族もほぼ毎日来てくれて、精神的にすごく支えてもらったと思います。

編集部編集部

ご友人にも助けられたそうですね。

西田育枝さん西田さん

千羽鶴がいくつも届いてビックリしたのですが、友達が折ってくれたことを知った時は本当に嬉しかったです。夫が私の友達にお願いして応援ムービーを集めてくれて、それを見た時「あぁ早く元気になりたい」とリハビリする気力を沸き立たせてくれました。

編集部編集部

医師や看護師など、医療関係者の存在はどうでしたか?

西田育枝さん西田さん

基本的に夫が説明を聞いていたのですが、医療の知識が無くても分かるよう説明してくださったそうで、よく理解できたそうです。1番お世話になった先生や看護師さんたちは本当に優しく、良くしてくださったと今でも言っています。

編集部編集部

医療関係者に伝えたいことはありますか?

西田育枝さん西田さん

入院して知りましたが、医療関係者の方々は優しい人が多いと思いました。患者さんの気持ちに寄り添うホスピタリティがあふれる人が多かったですね。退院すると決まると、関わってくれた病院の人たちが大勢集まってくれました。「良かった」と泣いてくれた方もいて、感謝の気持ちを伝えきれないくらいでした。

編集部編集部

現在の体調、生活、仕事の様子を教えてください。

西田育枝さん西田さん

心臓に負担をかけ過ぎないよう、塩分過多には注意していますが、日常生活をおくるには何も問題ありません。現在も少し心電図異常はありますが、年1回の定期検診で経過観察をしています。

編集部編集部

もし昔の自分に声をかけるとしたら、どんな助言をしますか?

西田育枝さん西田さん

最初の胸の苦しさは、周囲に「ただの風邪で大袈裟だな」と思われたくない一心で、はっきり意思表示できなかったのですが、苦しいときは、はっきり言うべきだよと伝えたいです。

編集部編集部

劇症型心筋炎を知らない方へ、一言お願いします。

西田育枝さん西田さん

風邪のウイルスがほかの臓器に行き、重病化する事があります。ただの風邪と思っても、自分で少しでも違和感を感じたらすぐに病院に行き、きちんと自分の症状を全て話してください。関係無いような症状(私の場合背中が痛い)も、実は関係があるかもしれません。また、劇症型心筋炎は診断が遅れ、手遅れになることが多い病気だそうで、私の場合は早期発見でき、レアな手術に成功、退院できたことまで全てが奇跡だと言われました。1番最善なのは、風邪を重症化させないことだと思いますが、風邪を予防すること、無理をしないことも大事だと思います。

編集部まとめ

今回は治療の緊急性が高い劇症型心筋炎について、術前から術後について、その貴重な体験を事細かにお聞きすることができました。術後の経過については、ほかの病気でも通じる部分があると思います。身近な風邪を侮らず、早期に受診し、症状をしっかり伝えることも重要と思いました。

この記事の監修医師

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