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1回目にモデルナ製ワクチン接種の10~20代男性、2回目接種でファイザー選択可能に

 更新日:2023/03/27

厚生労働省は10月15日の専門部会で、10~20代男性が1回目でモデルナ製の新型コロナウイルスワクチンを打った場合でも、2回目をファイザー製ワクチンに変えて接種することを認める方針を決ました。このニュースについて工藤医師に伺います。

工藤 孝文 医師

監修医師
工藤 孝文(医師)

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みやま市工藤内科 院長・糖尿病内科医・漢方医・統合医療医。福岡大学医学部を卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。現在は、福岡県みやま市の工藤内科にて、糖尿病内科・ダイエット外来・漢方治療を専門に、地域診療を行っている。NHK「ガッテン!」「あさイチ」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などテレビ出演多数。著書は50冊以上におよび、Amazonベストセラー多数。YouTube「工藤孝文のかかりつけ医チャンネル」が現在人気を集めている。 
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会、日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。

今回決まった方針とは?

厚生労働省の専門部会で今回決まった方針について教えてください。

工藤 孝文 医師工藤先生

今回の方針は、厚生労働省が今月15日に開いた専門部会で決まりました。新型コロナウイルスワクチンの1回目と2回目のワクチンはこれまで同じ種類のものを使用することになっていましたが、1回目をモデルナ製のワクチンを接種した10~20歳代の男性については2回目接種で米ファイザー製とモデルナ製のいずれかを選べるとする方針が示されました。厚生労働省は今回決まった方針を自治体に文書で通知してファイザー製の接種希望が増えて量が不足した場合は、追加で配送する体制を整えるとしています。

2回目接種でファイザー製を選択可能になった理由は?

2回目を接種する際、ファイザー製ワクチンを選択することが可能になった理由は何でしょうか?

工藤 孝文 医師工藤先生

理由としては、心筋炎などの報告数で考慮すべき点が示されたからです。

厚生労働省によると、今月3日までに国内でモデルナ製を接種した10代男性は、100万人当たり28.83件の頻度で心筋炎などが報告されました。20代でも25.65件の頻度で報告されています。一方でファイザー製では10代男性で3.69件、20代で9.62件でした。

報告された症例の多くは回復したといいますが、今月15日の厚生労働省の専門部会でも「モデルナ製ワクチンの報告頻度が明らかに高い」と指摘を受けています。

モデルナ製のワクチン接種をどう考えればいいか?

モデルナ製ワクチンの効果が高いというアメリカCDCの報告もありますが、接種についてどのように考えたらいいでしょうか?

工藤 孝文 医師工藤先生

モデルナ製とファイザー製のいずれにおいても心筋炎が起こり得る可能性はありますので、モデルナ製が劣るということは決してありません。また、アメリカCDCの報告では確かにモデルナ製のワクチンに軍配が上がりましたが、いずれのワクチンも高い予防効果をもたらすことに違いはありません。

まとめ

スウェーデンでは30歳以下への接種を停止するなど、慎重な動きもあるモデルナ製ワクチンですが、10〜20代男性に限っては1回目にモデルナ製ワクチンを接種していても2回目にファイザー製ワクチンを選択することが可能になりました。今後もモデルナ製ワクチンの動向に注目が集まりそうです。

この記事の監修医師