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便秘や軟便の薬ってどんな種類があるの? 選ぶ基準を教えて!

公開日:2021/11/03  更新日:2021/11/02

便秘や下痢は、もともとの体質や普段の食生活に深く関係するため、多くの人が困っている症状の一つではないでしょうか。今回は、市販の便秘薬や下剤、整腸剤を選ぶときに注意するべきポイントを「薬剤師」の中山さんに詳しく伺いました。

中山 歩実

監修
中山 歩実(薬剤師)

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星薬科大学卒業後、大学病院や市立病院で研鑽を積んだのち、現在は神経疾患やリハビリ等をメインとする病院で薬剤師として勤務。「一人ひとりの人生に寄り添った薬物療法を提供すること」を目標に、薬剤師やライターとして活動中。日病薬病院薬学認定薬剤師、麻薬教育認定薬剤師。

便秘薬選びは便秘のタイプを見極めるのが大切

便秘薬選びは便秘のタイプを見極めるのが大切

編集部編集部

お腹が張るような便秘には、どの様な便秘薬がおすすめですか?

中山 歩実中山さん

お腹が張っている、便意が弱いなどの症状は、腸の動きが悪いのが原因です。このタイプの便秘には、腸の動きを良くする作用のある「刺激性下剤」が効果的です。刺激性下剤の成分にはビサコジル、センナ(センノシド)、ピコスルファートなどがあり、多くの種類の便秘薬が市販されています。このタイプの便秘薬は効果がでるまでに6時間以上はかかるので、服用する時間帯は生活リズムに合わせて調節が必要です。

編集部編集部

便が硬い便秘にはどんな便秘薬がおすすめですか?

中山 歩実中山さん

便に水分を含ませてやわらかくしてくれる「塩類下剤」がおすすめです。塩類下剤の成分は酸化マグネシウムで、様々な種類の便秘薬が市販されています。それほど即効性のある薬ではありませんが、早ければ1~2時間ほどで効果を感じられます。しかし、あまりにも便が硬くなってしまっていると、効果が感じられにくい可能性があります。また、人工透析の治療を受けている方は、塩類下剤の服用には注意が必要です。薬の成分である酸化マグネシウムが体内に蓄積することで、手足に力が入りにくい、低血圧といった症状があらわれる可能性があります。人工透析の治療中や腎臓に問題をかかえている方でも服用できる下剤は、ほかにも種類はありますので、医師に確認してみてください。

編集部編集部

便秘薬は癖になると聞いたことがありますが、本当でしょうか?

中山 歩実中山さん

長い間、大量に刺激性下剤を服用し続けると癖になり、効果が感じられにくくなる可能性があります。気づかないうちに同じ成分の薬を多く飲んでしまうことを防ぐため、市販薬を購入する際は、薬剤師に確認することをおすすめします。便秘の症状が重い場合は、癖になりにくいタイプの処方薬も多くありますので薬局で相談してみましょう。

編集部編集部

刺激性下剤と塩類下剤は、一緒に服用しても大丈夫でしょうか?

中山 歩実中山さん

異なる作用のある下剤を組み合わせて服用した方がいい場合と、組み合わせることによって副作用が強くでてしまう場合があります。一種類の薬の服用で効果がでにくいような重い便秘症の方は、病院を受診することをおすすめします。

軟便は薬の服用時に注意が必要

軟便は薬の服用時に注意が必要

編集部編集部

軟便や下痢になりやすい人には、どのような下痢止め薬がおすすめですか?

中山 歩実中山さん

緊張や冷えによる突発的な下痢には、「ロペラミド塩酸塩」という成分の入った下痢止め薬がおすすめです。比較的即効性があり、出先で「急に下痢になりそう」などの緊急時に効果が期待できます。もともと胃腸が弱くお腹がゆるくなりやすい人、おならの匂いが気になったり、お腹が張ったりといった症状がある人には、「ベルベリン」という成分が入った下痢止め薬がいいでしょう。腸の動きをゆるやかにすることで、便が大腸をゆっくり通過するようになるので、しっかり水分を吸収でき、便のゆるさが改善されます。また、軟便ではなく、「下痢」の状態が数週間以上にわたって良くなったり悪くなったりを繰り返す人や便に血が混ざっている人などは、腸の病気が隠れている可能性があるため早急に病院を受診してください。

編集部編集部

食あたりの場合は、下痢止め薬を使っても大丈夫でしょうか?

中山 歩実中山さん

基本的に、食あたりの場合は下痢止め薬を使わずに便をだした方がよいとされています。菌やウイルスなどの悪いものが体内から排出されず、治るまでに時間がかかってしまいます。食あたりの腸炎であれば、数日で症状が改善する場合がほとんどです。数日経っても治らない場合や、水分も口にできないような重い症状の場合は早急に病院を受診してください。

編集部編集部

下痢止め薬は常用しても問題ないでしょうか?

中山 歩実中山さん

もともとお腹がゆるくなりやすい体質の方もいますが、頻繁に下痢止め薬を服用しなくてはいけないほどの軟便の方は、何か病気が隠れている可能性もありますので、一度、病院を受診することをおすすめします。何も問題がない場合は、食事や生活習慣の改善も行いながら、下痢止め薬を服用してください。また、軟便や下痢の場合は「毎食後」のように決まった時間ではなく、症状に合わせて服用するのがいいでしょう。

整腸剤は便秘にも下痢にも効果あり

整腸剤は便秘にも下痢にも効果あり

編集部編集部

整腸剤には、どのような効果がありますか?

中山 歩実中山さん

整腸剤には、腸内環境を整える効果があります。整腸剤によって含まれている菌の種類が異なるため、しばらく服用してもあまり効果を感じられないようであれば、違う整腸剤を試してみるのがおすすめです。また、ヨーグルトなどの乳製品や納豆などの発酵食品にも同じような菌類が含まれているので、整腸剤と同じ腸内環境を整える効果が期待できます。

編集部編集部

なぜ、便秘にも下痢にも効果があるのでしょうか?

中山 歩実中山さん

便秘も下痢も腸内細菌のバランスが崩れることによる、腸内環境の悪化が原因でおこります。整腸剤は腸内細菌のバランスが整うように作用するので、両方の症状に効果が期待できます。

編集部編集部

整腸剤と便秘薬や下痢止め薬は一緒に服用しても大丈夫でしょうか?

中山 歩実中山さん

一緒に服用しても構いません。便秘薬や下痢止め薬を服用して、しっかりと症状を治し、さらに整腸剤でお腹の調子を整えることで、便秘や下痢になりにくい体質をつくることができます。

編集部まとめ

便秘や下痢は、症状によって効果の出る薬が異なりますので、まずは自分の症状をよく観察し、見極めることが重要であることがわかりました。重い便秘や下痢の症状が長い期間続く場合は、市販薬に頼るのではなく、病院を受診し、診断をうけることが大切です。また、整腸剤は両方の症状に作用し、腸内環境を整えるサポートをしてくれます。日常生活に上手に取り入れて、便通の改善を目指しましょう。