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【漫画付き】おたふくの予防接種は、何回受けるべきか? 大人になってからでも受けるべき?

 更新日:2023/03/27
【漫画付き】おたふく風邪の予防接種は、一度受ければ大丈夫?

子どもの頃にかかることの多い「おたふく風邪」。最近では幼少期に予防接種をしている人も多いようです。しかし、受けていないという人は中学生、大人と成長してからでも受けるべきでしょうか? また、小さな頃に受けた予防接種は、一度だけでずっと効果が持続するのでしょうか? 何回も受けた方が効果も上がるのかも……。その疑問を葛西小児科の久保政勝先生に教えてもらいました。

久保 政勝

監修医師
久保 政勝(葛西小児科 院長)

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東京慈恵会医科大学卒業。東京慈恵会医科大学附属柏病院の名誉院長、小児科客員教授を務める。その後、2011年葛西小児科の院長に就任。大学病院で長年培ってきた診療経験を活かし、町のお医者さんとして地域の子どもたちの健康を守る。

5~9歳の子どもがかかりやすい病気

5~9歳の子どもがかかりやすい病気

編集部編集部

はじめにおたふく風邪とはどういう病気か教えてください。

久保先生久保先生

ムンプスという強いウイルスが感染症を引き起こす病気で、正式には流行性耳下腺炎(りゅうこうせいじかせんえん)といいます。耳下腺という耳の下が腫れ、顔がおたふくのようになることからおたふく風邪と一般的に呼ばれています。発熱や喉の痛み、頭痛などが主な症状です。

編集部編集部

かかるのは子どもが多いのでしょうか?

久保先生久保先生

5~9歳くらいの小学校低学年の子どもがかかることがほとんどです。飛沫、接触感染するため、学校などで流行って広がることが多いようですね。

編集部編集部

どのような治療を行うのですか?

久保先生久保先生

おたふく風邪自体を治す薬はないので、基本的には対症療法です。解熱剤や鎮痛剤が処方されることがほとんどです。熱は2、3日ほどで下がりますが、耳下腺が腫れてから5日間は感染期間です。熱が下がっても、子どもはすぐの登校は避けるべきでしょう。

おたふくの予防接種は2回受けるべき

予防接種は2回受けて効果を上げる

編集部編集部

おたふく風邪の予防接種は、いつから受けられますか?

久保先生久保先生

1歳から接種することが可能です。しかし1回だけの接種では効果が薄いため、基本的には2回受けることをおすすめします。感染率が格段に下がります。

編集部編集部

2回目はいつ受けるのがよいのですか?

久保先生久保先生

1回目は1~2歳2回目は小学校入学前に受けるのがいいと思います。少なくとも1回目と2回目の間は、1ヶ月以上空けるようにしてください。ワクチン接種をしていると、万が一かかったときも、髄膜炎など合併症を起こす確率が低くなります。

編集部編集部

合併症にはどのようなものがありますか?

久保先生久保先生

多いのは「無菌性髄膜炎(むきんせいずいまくえん)」です。ひどくなると頭痛や嘔吐、首がかたくなる(枕を嫌がる)などの症状ができます。女児よりも男児の方が3~5倍多くかかります。1~2週間ほどで収まるでしょう。

大人のおたふく風邪は合併症の危険が高い

大人のおたふく風邪は合併症の危険が高い

編集部編集部

おたふく風邪は何回もかかる病気ですか?

久保先生久保先生

一度かかると、体内に免疫ができるので二度となることはありません。

編集部編集部

大人になっても子どもの頃に受けた予防接種の効果は続いていますか?

久保先生久保先生

おたふく風邪のワクチンは生ワクチンのため、時間が経つにつれて、効果は薄まってきます。子どもの頃にかからなかった人は、大人になってからもう一度受けるといいと思いますよ。大人になってからおたふく風邪になった場合、重症化することが多いのです。また妊婦はかかると大変なので注意してください。

編集部編集部

具体的にどのように重症化するのでしょうか?

久保先生久保先生

単純に治りが遅いということもありますが、さまざまな合併症を引き起こしやすくなるのが危険です。精巣炎や卵巣炎は、思春期以降におたふく風邪にかかった人がなりやすいです。心膜炎も大人がよく起こす合併症ですね。また難聴になることもあります。

編集部編集部

聴力に支障がでるのですか?

久保先生久保先生

1000人に1人の割合で、高度感音性難聴を発症しています。これは子どもでもなりますが、年齢が高いほど合併頻度も多いようです。

編集部編集部

そうならないためにも、大人でもワクチン接種が大切ということですね。

久保先生久保先生

はい。免疫力を高めるために、必ず2回受けてください。先程も言いましたが、子どもの頃に発症しなかった人は、大人になってから再度受けるといいでしょう。30代でおたふく風邪になる人も多くいらっしゃいます。万が一なったとときも、合併症にならず軽い症状ですみますよ。

編集部まとめ

おたふく風邪の予防接種は1歳から受けることが可能。しかし1回だけでは効果が薄いため、1回目を1~2歳、2回目を小学校入学前に受けておくことをおすすめします。

5~9歳の間にかかることが多いですが、大人になってからかかると、合併症を起こしやすく重症化することも。生ワクチンのため大人になってからもう一度、予防接種を受けると安心です。

医院情報

葛西小児科

葛西小児科
所在地 〒134-0084 東京都江戸川区東葛西6-23-17
アクセス 東京メトロ東西線「葛西」駅より徒歩7分
診療科目 一般小児科・小児アレルギー科

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