花粉症対策の薬はどれがいい? いつから始めるべき?(1/2ページ)

毎年、決まった時期にやってくる花粉症。その推定有病率は年々増加の傾向にあり、もはや現代病と言っても過言ではないでしょう。そんな花粉症に有効な対策を、耳鼻咽喉科のドクターに取材しました。なかじまクリニックの中島規幸院長に解説していただきます。

監修医師:
中島 規幸(なかじまクリニック 院長)
昭和大学医学部卒業。獨協医科大学越谷病院耳鼻咽喉科入局、同局の助教も努める。その後、東埼玉総合病院耳鼻咽喉科医長に就任。2014年、埼玉県さいたま市になかじまクリニック開院。2017年には医療法人三優会なかじまクリニック設立。おもに首より上の領域を中心とした地域医療を提供し続けている。医学博士、日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医、日本アレルギー学会、耳鼻咽喉科臨床学会、日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会、ほか参加学会多数。
即効性があるのは、ステロイド点鼻薬

編集部
ズバリ、先生がお勧めする花粉症の市販薬はどれでしょう?
中島先生
ステロイド点鼻薬がいいですね。液体の入っているボトルの先端を鼻の中に入れて、スプレーのように吹きつけるタイプのものです。のみ薬よりも早く効きます。のみ薬のほうが使いやすいという方は、第二世代の抗ヒスタミン薬がいいと思います。
編集部
薬にも世代があるのですね?
中島先生
はい。1983年以降に登場した抗ヒスタミン薬を第二世代と呼びます。人気のある「アレグラ」や「アレジオン」も第二世代に含まれ、医療用と同じ成分なのが特徴です。お薬として良いものですが、古い部類に入ります。処方箋が必要な新しい薬は市販薬としてでることはありません。
編集部
市販薬を使い始めるタイミングは?
中島先生
花粉の飛んでくる1週間から2週間くらい前が有効とされています。症状がピークにならないうちにお薬で防いでしまうわけです。こうした方法を「初期療法」といいます。インターネットなどで「花粉カレンダー」を調べれば、それぞれの花粉に対する時期的な目安が付くのではないでしょうか。
編集部
スギ花粉のように数か月飛んでいるものもありますが?
中島先生
そのような場合は、ご自身の症状に合わせてみるのも方法です。毎年3月の中旬ころに悩まされるのであれば、3月の初めからお薬を使いはじめるといった具合ですね。もし、花粉の種類やピークのタイミングが分からなかったら、耳鼻咽喉科などで検査してもらいましょう。簡単なテストで判明します。
編集部
「薬が効かない」という声も良く耳にしますが?
中島先生
そうなんです。「効く/効かない」のほか、「眠くなる/眠くならない」といった、お薬との相性があります。自分に合った薬と1回で出会えるとは限らないんですね。ですから、医院で処方する場合は、少しずつ小出しにしています。そして、効き目がなかったら別の種類へ変えてみるのです。はじめて花粉症対策を検討している方は、少し早めに開始しましょう。
薬が苦手という人に向けた花粉症対策

編集部
薬以外にも花粉症対策はあるのでしょうか?
中島先生
医院によっては「舌下免疫療法」を扱っています。舌の下にアレルギーの元となる物質を薄めて置いておき、2分したら飲みこむという方法です。いわば、体をアレルゲンに慣れさせていくのです。
編集部
舌下免疫療法は、誰でも受けられるのですか?
中島先生
スギ花粉とダニのアレルギーに限られます。また、すでに発症していることが条件になります。治療期間が3年ほど続きますので、長期戦で臨みましょう。その代わり効果が現れれば、お薬に頼らない生活も不可能ではありません。
編集部
手術などで「花粉を感じなくする」ことはできないのでしょうか?
中島先生
鼻の中に通る神経を切除したり、鼻の粘膜を焼いたりすることはできます。ただ、いったん施すと元に戻せないんですよね。年を取ってから口や鼻が乾きすぎることも考えられますし、手術はあくまで最終手段です。



