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内視鏡検査のリスクは?内視鏡検査の種類や胃がんや大腸がんの予防について

 更新日:2024/05/02
内視鏡検査のリスクは?内視鏡検査の種類や胃がんや大腸がんの予防について

胃や大腸などの消化管内の異常を診断する有効な検査として、内視鏡検査があります。先端にカメラのついた内視鏡を使って消化管内を直接観察できるため、胃がんや大腸がんなどの病変の早期発見に効果的な検査です。

身体への負担も少ない傾向にある検査ですが、検査に伴うリスクなどはあるのでしょうか。

今回は、内視鏡検査のリスクや内視鏡検査の種類、内視鏡検査で胃がんや大腸がんを予防できるのかなどを解説します。内視鏡検査の受診を検討する際の参考にしてください。

高橋 正朋

監修医師
高橋 正朋(高橋医院)

プロフィールをもっと見る
2008年 埼玉医科大学医学部卒業
     埼玉医科大学総合医療センターにて初期研修開始
2010年 埼玉医科大学総合医療センター 消化器肝臓内科入局
2015年 高島平中央総合病院 消化器センター勤務
2022年 高橋医院勤務

内視鏡検査の種類

内視鏡検査の種類
内視鏡検査は観察する部位によってさまざまな種類があります。なかでも代表的な検査は以下の2種類です。

それぞれの検査方法を以下で詳しく解説します。

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)

上部消化管内視鏡検査は、食道・胃・十二指腸といった上部消化管を観察する検査です。
一般的には胃カメラとも呼ばれます。上部消化管内視鏡検査の方法は主に2種類あります。
1つは口から内視鏡を挿入する経口内視鏡検査、もう1つは鼻から内視鏡を挿入する経鼻内視鏡検査です。
一般的に経口内視鏡検査の方が画像の解像度が高く、鮮明な画像が得られるとされています。また、鉗子口が広いため、生検やポリペクトミーなどの処置が行いやすい点がメリットです。しかし、経口内視鏡は口径が太く舌根部に内視鏡が触れやすいため、嘔吐反射が強い方は検査が辛く感じる点がデメリットといえます。
一方の経鼻内視鏡では嘔吐反射が起こりにくいというのが大きなメリットです。これは、経鼻内視鏡の口径が細いという点と、鼻から内視鏡を挿入するという2つが大きな理由になります。嘔吐反射の引き金となるのは舌の付け根の舌根部です。この部分に内視鏡が触れることで「オエッ」という嘔吐反射が引き起こされます。経鼻内視鏡は鼻から内視鏡を挿入するため、舌根部に内視鏡が触れることなく検査ができます。また、内視鏡自体も細く喉の違和感が少ない傾向にあるため、嘔吐反射が抑えられるのです。
デメリットとしては、鉗子口が狭いため、ポリペクトミーなどに使用する一部の器具が使用できない点が挙げられます。また、解像度も経口内視鏡に比べてやや劣る点もデメリットです。このほか、鼻腔が狭く経鼻内視鏡が通らない方の場合、口からの内視鏡検査に変更になる場合があるので注意しましょう。

このように、経鼻内視鏡は経口内視鏡に比べて苦痛が少ない傾向にあるため、胃の定期検診などで用いられることが多い検査です。
これらの上部消化管内視鏡検査では、食道・胃・十二指腸に発生する病変の観察だけではなく、処置や治療なども可能です。

下部消化管内視鏡検査(大腸内視鏡)

下部消化管内視鏡検査とは、肛門から内視鏡を挿入して大腸を観察する検査で、一般的には大腸内視鏡検査とも呼ばれます。
下部消化管内視鏡検査では、大腸(直腸・結腸)と小腸の一部(回腸末端)が観察可能です。これらの部位を内視鏡を通して直接確認することで、大腸ポリープ・潰瘍性大腸炎・クローン病などの発見に役立ちます。
下部消化管内視鏡検査で特に重要なのは前処置です。
前日から下剤を服用し、当日は腸管洗浄剤を2リットル飲みます。これにより腸管内の内容物をきれいに排出し、観察しやすい状態にしておくことが重要です。
検査中は内視鏡によって大腸が押されたり捻れたりする際に痛みを感じることがありますが、鎮静剤を使用して痛みを抑えることができます。
なお、大腸ポリープや早期の大腸がんなどが見つかった場合には、内視鏡下で切除して治療することも可能です。

内視鏡検査のリスクは?

内視鏡検査のリスクは?
内視鏡検査に伴うリスクについて、以下で詳しく解説します。

出血

内視鏡検査では胃や大腸内に直接内視鏡を挿入して観察します。
この際に胃や大腸の表面が内視鏡によって擦れ、微量に出血する場合がありますが、このような微量な出血はほとんど問題ありません。
しかし、大量に出血するような場合には、すぐに医療機関を受診する必要があります。内視鏡検査後に大量に出血する場合があるのは、ポリープなどの切除や生検を行った場合です。例えば、大腸ポリープを切除した後に大量に下血する場合があります。これは、何らかの影響で切除後の傷口が開いてしまったことが原因として挙げられます。
通常は傷口をクリップで止めたり電気で焼き固めたりするのですが、何らかの影響で傷口が開いて再出血し、下血する場合があるのです。
また、胃の傷口から出血した場合には、真っ黒なタール状の便が見られます。内視鏡検査後にこのような症状が現れたら、すぐに検査を受けた医療機関に相談しましょう。

穿孔

何らかの原因で胃や大腸などに穴が開くことを穿孔といいます。
内視鏡検査で穿孔が発生する原因は、内視鏡で腸管に穴を開けてしまった場合や、ポリープ切除時に深く切りすぎて穴が開いてしまう場合が挙げられます。
穿孔の症状は穴が開いた臓器によって違いがありますが、多くの場合は急激な強い腹痛が現れるのが特徴です。
特に、胃などの上部消化管に穿孔が起こった場合によく見られます。内視鏡検査後に急な腹痛が発生した場合には、すぐに医療機関を受診して治療を受けましょう。

薬剤によるアレルギー

内視鏡検査では局所麻酔薬を使用するのが一般的です。
稀ではありますが、この局所麻酔薬にアレルギー反応を起こす場合があります。
症状が重いアナフィラキシーショックを起こす場合もあるため、これまでに局所麻酔薬を使用して気分が悪くなった経験がある方は、検査前に必ず医師に相談しましょう。

下剤による腹痛

大腸内視鏡検査の前処置として行う下剤によって腹痛が発生する場合があります。
大腸内視鏡検査の前処置では、下剤と腸管洗浄剤を用いて排便を促します。通常よりも急速に排便を促すため、腸管内圧の急激な上昇などを促してしまう場合があるのです。
これにより腸閉塞や腸管穿孔が引き起こされる場合があり、急激な腹痛などの症状が現れるのです。もし前処置中に腹痛などの症状が現れたら、すぐに医師や看護師に相談しましょう。

内視鏡検査のメリット

内視鏡検査のメリット
内視鏡検査の大きなメリットは、身体を傷つけることなく胃や大腸などの臓器を直接観察できる点にあります。
このほか、がんの早期発見に役立ったり、がんの性質などを調べることができる点も大きなメリットです。また、病変の種類によっては内視鏡下で処置や治療が可能です。これら内視鏡検査のメリットを、以下で詳しく解説します。

身体を傷つけずに検査できる

内視鏡検査では口や肛門からカメラを挿入し、胃や大腸を直接観察できます。
臓器を観察するために身体を切るなどの処置が不要なので、身体を傷つけずに検査できます。そのため、検査で何も異常がなければすぐに普段通りの生活を送ることが可能です。

がんの早期発見ができる

内視鏡検査では、カメラを通して胃や大腸などの消化器官の内壁を直接観察できるため、これらの部位に発生するがんの早期発見に役立ちます。
CT検査やMRI検査などの画像診断では、胃や大腸の形はわかっても内壁を直接観察することはできないため、粘膜に生じた早期がんを発見するのは難しいです。
しかし、内視鏡検査であれば直接内壁を観察できるので、早期がんの発見も可能です。

がんの深さ・広がりを調べられる

内視鏡検査で切除したがんを調べることで、がんの深さや広がりの診断に役立ちます。切除したがんを病理検査することで、がんがどの深度まで到達しているかなどが診断できるでしょう。

病変部の処置や治療ができる

内視鏡検査は消化管内部の観察ができるだけではなく、これらの部位に発生した病変部の処置や治療もできます。
例えば、大腸内に発生したポリープや早期がんなどは、内視鏡下で切除可能です。内視鏡の鉗子口からスネアと呼ばれるワイヤーを挿入し、ポリープにスネアをかけて締め付けて切除します。
また早期がんは、高周波電流を使ってがんを切り取る内視鏡粘膜切除術(EMR)などの方法で切除・治療が可能です。なお、ポリープや早期がんを切除する際に痛みなどはありません。なぜなら、ポリープやがんが発生する消化管内壁の粘膜には痛覚がないからです。
ある程度大きなポリープや早期がんを切除する際には数日間の入院が必要となりますが、小さなものであれば日帰り(※)での切除も可能です。
(※)術前の検査、術後の経過観察が必要です。

内視鏡検査で胃がんや大腸がんを予防できる?

内視鏡検査で胃がんや大腸がんを予防できる?
胃がんや大腸がんの予防には、定期的な内視鏡検査が役立ちます。
胃がんや大腸がんは消化管内壁の粘膜に発生します。これらの粘膜の変化を内視鏡を通して直接確認することで、がんを疑う病変の早期発見に役立つのです。
例えば、大腸がんの多くは腺腫と呼ばれる良性のポリープががん化することで発症するといわれています。ポリープが大きくなる程がん化する可能性が高く、一般的にはがん化するまで5~10年程かかるとされています。しかし、なかには小さなポリープでもがん化することがあるため注意が必要です。
定期的な内視鏡検査でポリープを発見・切除することで、大腸がんの発症予防につながります。胃がん検診は50歳、大腸がん検診は40歳からの受診が推奨されています。
これらの対象年齢の方は、定期的に内視鏡検査を受けるのがおすすめです。

内視鏡検査のことなら高橋医院にご相談を

高橋医院
内視鏡検査を受けるのなら、誰でも気軽に不調を相談できる高橋医院がおすすめです。日本消化器内視鏡学会 専門医が在籍しており、できるだけ苦痛の少ない内視鏡検査の提供を心がけています。

胃や大腸の不調が気になるという方は、一度相談してみるとよいでしょう。

一般診療から消化器疾患の高度な検査まで幅広く対応

高橋医院 院長
高橋医院にはさまざまな医療現場を経験した2名の医師が在籍しています。これまでの経験を活かし、一般診療から消化管疾患の高度な検査まで幅広く対応可能です。慢性疾患や物忘れ相談にも対応し、原因を見極めて必要に応じて専門の医療機関を紹介しているそうです。

高橋医院は、医療の入口として小児から高齢者まで対応しており、地域医療に貢献しています。気になる症状がある方は、総合診療と専門性を両立した高橋医院に相談してみてはいかがでしょうか。

できるだけ苦痛の少ない内視鏡検査を提供

高橋医院の内視鏡検査は、患者さんの症状に合わせてできるだけ苦痛が少なくなるように検査を行っています。患者さんのために、負担の少ない速やかな検査を心がけているそうです。

これまで内視鏡検査で苦しい思いをした経験がある方は、一度受診して相談してみるとよいでしょう。

専門の医師による上下部内視鏡検査

高橋医院には日本消化器内視鏡学会所属の専門の医師が在籍しています。豊富な内視鏡検査の経験を持つ専門の医師ですので、負担が少ない上下内視鏡検査が期待できるでしょう。内視鏡検査に不安があるという方は、内視鏡専門の医師に相談するのがよいでしょう。

高橋医院は患者さんが納得して治療を受けられるようできるだけ希望に沿った治療プランを提供し、地域の患者さんの身近なクリニックを目指されています。

医療法人社団正有会 高橋医院の基本情報

アクセス・住所・診療時間

都営三田線 高島平駅より徒歩8分

東京都板橋区高島平9-17-3

診療時間
9:00~13:00
16:00~19:00

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