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骨粗しょう症の原因は?治療方法や予防法について解説

 公開日:2024/09/27
骨粗しょう症の原因は?治療方法や予防法について解説

骨粗しょう症は、加齢や治療薬の副作用などで骨密度が低下して骨が折れやすくなる病気です。骨折するようなケガは思い当たらないのに腰や手首などを骨折していることがあるため、「いつのまにか骨折」といわれることもあります。

また、骨粗しょう症は女性ホルモンと関係するため、閉経した女性は特に気をつける必要があります。

骨密度の検査をすれば、骨粗しょう症の予備軍であるかどうかがわかります。

今回は、骨粗しょう症の原因や予防法などを解説します。

西村 暁

監修医師
西村 暁(にしむら整形外科クリニック)

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出身大学:兵庫医科大学(平成12年卒)以後 
東京女子医科大学 附属第二病院(現・東医療センター) 外科 入局
東京女子医科大学 整形外科 転局
関連病院(船橋総合病院、蓮田病院、 東京北医療センター、東名厚木病院、 国立がん研究センター、千葉県こども 病院)にて研鑽を積み
平成30年4月にしむら整形外科クリニックを開院

骨粗しょう症の症状

骨粗しょう症の症状
骨粗しょう症は、骨の質の低下や骨密度が減少して骨折しやすくなる病気です。自覚症状が乏しいため、沈黙の疾患とも呼ばれます。
骨折をしていなくても検査で骨粗しょう症の診断は可能です。症状には以下のようなものがあります。

  • 立ち上がるときや物を持ち上げたときに背中や腰が痛む
  • 背中や腰が湾曲してくる
  • 身長が縮む
  • 寝込むほどの激痛が背中や腰にでる
  • 軽い転倒でも骨折する

高齢になってから骨折すると、寝たきりになったり認知症が進行したりして日常生活が困難になる場合があります。骨密度検査で骨粗しょう症の可能性があると診断された場合は、早期に治療や予防を開始しましょう。

骨粗しょう症の原因

骨粗しょう症の原因
骨粗しょう症の原因には、加齢・生活習慣・遺伝などが関与しています。
加齢による骨密度の低下は一般的ですが、偏った食生活や運動不足、日光浴不足も骨の健康に悪影響を及ぼします。これらの要因が重なることで骨が脆くなるため、適度な運動や日光浴が必要です。

骨芽細胞の活性低下

骨の中には、破骨細胞と骨芽細胞と呼ばれる細胞があります。破骨細胞は、古い骨組織を溶解(骨吸収)する働きがあります。骨芽細胞の仕事は、骨の形成(骨形成)です。骨が健康なときはこの働きのバランスが取れています。破骨や形成を繰り返し行うことで骨の強度を保つことができるのです。
加齢やホルモンの乱れにより骨芽細胞が減少すると、骨吸収が骨形成を上回り、骨密度が減ります。
骨芽細胞が減少する原因は加齢やホルモンの乱れだけではありません。肥満や糖尿がある方も注意が必要です。
骨芽細胞は骨髄にある間葉系幹細胞から分化しますが、間葉系幹細胞はほかにも脂肪細胞や筋目細胞などさまざまな細胞に分化します。肥満・糖尿などがあると脂肪細胞に多く分化してしまうため、骨芽細胞の活性低下が起こることがあります。

カルシウム・マグネシウムの不足

カルシウムは吸収率が悪いため積極的に取らないと不足する栄養素です。日本人はカルシウムの摂取量が極端に少なく、脂肪や糖質などは摂り過ぎの傾向があります。
カルシウムは血液にも必要な栄養素で常に一定量を保つ必要があり、不足すると心臓の動きや脳の働きを悪くする原因にもなります。
マグネシウムは、骨の健康や多数の酵素反応に影響するものです。人体には約25gのマグネシウムがあり、50~60%は骨にあります。
しかし、血液中のカルシウムやマグネシウムが不足した場合は、骨から不足分を補充します。そのため、長期間カルシウムやマグネシウムが不足すると、骨粗しょう症のリスクが高くなります。

運動不足

骨粗しょう症は、運動機能の疾患です。病気や加齢で運動器(骨・筋肉・関節・神経など)の機能が低下すると、立って歩く移動機能が衰えるため日常の動作が敏速にできなくなります。運動機能の低下は、バランス感覚や咄嗟の反応を鈍らせるので転倒しやすくなり、骨折のリスクが高まるでしょう。日課として運動を行っている方とあまり運動をしない方を比べると、運動しない方の骨粗しょう症の発症率は高くなります。

日光浴不足

日光浴は、ビタミンDの生合成を高める作用があります。ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進し、血中のカルシウムの濃度を高める物質です。
紫外線はしわやたるみなどの皮膚の老化や皮膚がんを誘発するデメリットがあるため、紫外線を浴びないようにしている方も少なくないでしょう。しかし、過度な紫外線対策はビタミンDの摂取量を減少させることになり、結果的にカルシウム不足を促進する場合があります。

エストロゲンの減少

エストロゲンは女性ホルモンの一つで、卵胞ホルモンです。エストロゲンは、受精卵の着床を助ける働きや骨の機能を向上させる働きがあるホルモンです。
骨密度は、思春期頃から徐々に上昇して10代後半~40代前半まで維持しますが、閉経頃からエストロゲンの減少が始まるため骨量も減少します。
骨を丈夫にするには、若いときから積極的に必要な栄養を摂取したり骨量を増やす運動をしたりすることが大事です。若いときから注意することで、骨密度の低下を抑えることができるでしょう。

骨粗しょう症の予防法

骨粗しょう症の予防法
骨粗しょう症の方は、一度骨折すると再び骨折する危険度が上昇するといわれています。日頃から意識して骨量を増やす栄養素を摂取するようにしましょう。また、荷重のかかる運動を継続するようにして、中高年期から始まる骨量の減少を予防するように心がけてください。

カルシウムやビタミンDを摂取する

カルシウムやビタミンDを多く含む食品は以下になります。

  • カルシウム:乳製品・魚介類・大豆製品・野菜(小松菜・チンゲンサイ)・海藻類
  • ビタミンD:魚肉(まぐろ・鮭・鯖)・レバー・鶏卵・海藻類・キノコ類

厚生労働省の基準では、骨粗しょう症を予防するために摂取するカルシウムの量は1日に1,000~2,300mgと推奨されています。
牛乳や乳製品はカルシウム含有量・吸収率ともにすぐれた食品ですが、牛乳のみで摂取するとしたら毎日2リットル以上が必要です。
なお、ビタミンDを含む食品は少ないため、直接日光にあたる方法やサプリメントが有効になります。

1日に5~10分程度日光に当たる

日光に当たることはビタミンDを補うのに効果的ですが、真っ黒になるまで毎日日焼けしてよいわけではありません。紫外線を浴びすぎると紫外線角膜障害・免疫機能の低下・皮膚がんなどの悪影響があるので注意が必要です。
紫外線曝露時間は、7月で5~10分程で有効性が出始め15~30分を過ぎると有害になる可能性があります。12月では、30~40分程度で有効性が出現し、80~100分を過ぎると有害性が出ると報告されています。
適切な日光浴の基準は、夏場は日陰で5~10分、冬場は少なくとも1時間程日光浴すればビタミンDを補うことができるでしょう。
顔を焼きたくない方は、手のひら日光浴がよいとされています。手のひらはメラニン色素が少ないので、色素沈着を起こしづらい部分です。

運動の習慣をつける

運動は、骨を強くするのに役立ちます。また、体幹を鍛えることで転びにくい身体を作ります。
ロコモ(ロコモティブ・シンドローム)は中高年になると運動機能が低下する症状のことです。ロコモ対策には、片脚立ち・スクワット・ヒールレイズ(ふくらはぎを鍛える)などの運動を継続して行い、下半身を鍛えることで転びにくい身体を作ることができます。
重量挙げのような骨に荷重がかかる運動や反復運動は骨の強化になります。しかし、重量挙げは誰にでもできるわけではないため、ウォーキングや水中歩行などの軽い運動でも継続して行うことが大事です。
高齢になると激しい運動はかえって身体に負担がかかる場合がありますので、毎日30分くらい散歩したり水中歩行を30分したりなど自分に合う運動をみつけましょう。

骨粗しょう症の治療方法

骨粗しょう症の治療方法
骨粗しょう症の治療は薬物療法とリハビリテーションが基本です。
治療前に骨量測定・レントゲン撮影・骨代謝マーカー(血液・尿検査)などで骨折・痛み・合併症の有無を調べます。治療薬や治療の効果の判定を行ったうえで、治療方法やリハビリテーションなどの治療計画を立てます。

薬物治療

骨粗しょう症の治療薬は、飲み薬・点滴薬・注射などが主になります。骨吸収の抑制・骨形成の促進・骨代謝の調整などが目的です。
骨代謝改善薬・骨吸収抑制薬・骨形成促進薬などを患者さんの症状や相互作用を考慮して選択します。

リハビリテーション

骨粗しょう症は骨折が連鎖する可能性のある病気のため、再骨折を予防する必要があります。
骨は、刺激を与えることで細胞が活性化し増殖が行われるようになります。そのため、骨粗しょう症のリハビリテーションでは、荷重運動や筋力トレーニングなどを複合的に行う運動が効果的です。理学療法士の指導下で、患者さんの身体能力に応じた適切な運動療法を行います。

骨粗しょう症でお困りならにしむら整形外科クリニックにご相談を

にしむら整形外科クリニック
年だから背中や腰が痛いのは仕方がないと放置していませんか?
加齢で体力が落ちてしまうことは避けられませんが、痛みを放置して無理やり身体を動かしていると将来的に歩行が困難になり寝たきりの生活になるかもしれません。

骨粗しょう症は骨の密度が減るため、ひどい状態になるとくしゃみや咳で骨折する場合があります。

にしむら整形外科クリニックでは、骨塩定量検査機器で骨密度測定を行うことができます。

高田馬場方面で整形外科を探しているのなら、にしむら整形外科クリニックで骨粗しょう症の検査をしてみてはいかがでしょう。

骨粗しょう症の診断と治療に注力した骨粗しょう症外来

骨粗しょう症は、特に女性がかかりやすい病気です。閉経後は、女性ホルモンの減少と並行して骨密度が低下します。
にしむら整形外科クリニックでは骨密度測定を行い、骨粗しょう症の診断や治療などの結果データをもとに、専門性のある薬剤治療や積極的なリハビリテーション治療を行っています。以下に該当する方は骨密度測定が必要です。

  • 閉経しており50歳以上で低体重の方
  • 両親が大腿骨骨折を経験したことがある
  • 喫煙者
  • ステロイド薬を使用している
  • アルコールやカフェインを大量に飲む
  • 糖尿病
  • 食事制限による過激なダイエットの経験がある

にしむら整形外科クリニックの骨密度検査は、腰椎および大腿骨頸部の検査です。検査は5~10分程で行えます。
にしむら整形外科クリニックの西村院長は日本整形外科学会 整形外科専門医の資格をお持ちで、物理療法や理学療法に力を入れて治療を行われています。そのため、骨や筋肉の働きを助ける運動に関して高い専門性があります。

理学療法士による骨密度維持・向上を目指す運動指導

にしむら整形外科クリニック リハビリテーション室
椎体圧迫骨折(腰椎)・大腿骨骨折(股関節)・手関節周辺骨折が、高齢者の三大骨折です。重症化すると歩行困難や寝たきりになる可能性があります。

骨粗しょう症を早期に発見して、治療や骨折の予防をするのは重要です。これまでの骨密度測定検査は、手関節や手指で測るDIP法やMD法・かかとで測定する超音波法が主流でした。しかし、正確に腰椎や大腿骨頸部(股関節)の骨密度を測定するには不十分です。にしむら整形外科クリニックでは骨塩定量検査機器を導入しているため、適切な診断・治療の効果の判定・薬剤の選択などが可能だといいます。

患者さん一人ひとりの症状に寄り添った治療

理学療法士によるリハビリテーションは以下のものがあります。

患者さんの症状には個人差があるため、身体の状態を評価してから治療が開始されます。

病態の違いだけではなく、年齢や生活環境によってもリハビリの内容や頻度は異なります。そのため、にしむら整形外科クリニックでは、患者さんに合わせた治療方針を提案しているそうです。

にしむら整形外科クリニックは、患者さんが笑顔で生活を送れるように患者さんに一人ひとりにあったリハビリテーションを提供できるように努められています。

日常生活の注意点や自主トレーニングの方法も教えてもらえるので、一度、相談してみてはいかがでしょうか。

にしむら整形外科クリニックの基本情報

アクセス・住所・診療時間

東京メトロ副都心線 西早稲田駅2番出口より徒歩1分
東京メトロ東西線 高田馬場駅7番出口より徒歩7分
山手線 高田馬場駅より徒歩8分
西武新宿線 高田馬場駅より徒歩8分

東京都新宿区高田馬場1-1-1 メトロシティ西早稲田1F

診療時間
8:45~13:00
15:15~18:30

※初診患者さんの受付時間は午前:8:45~12:45 午後:15:15~18:15

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