蒙古ヒダがあると二重にするのは難しい?目頭切開のメリットやデメリット・費用の目安も解説します
蒙古ヒダとは、目頭に重なっている皮膚のことを指します。日本人の多くはこの蒙古ヒダが厚く、二重の幅も狭いことが一般的です。
実は蒙古ヒダが厚い場合、二重にすることが難しかったり、目頭切開の手術をしなければならなかったりすることがあります。
二重手術を検討している方は、蒙古ヒダについての知識をつけておきましょう。本記事では、蒙古ヒダと目頭切開について解説します。
監修医師:
松澤 宗範(青山メディカルクリニック)
2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医
2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局
2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科
2017年4月 横浜市立市民病院形成外科
2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科
2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職
2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長
2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
所属学会:日本形成外科学会・日本抗加齢医学会・日本アンチエイジング外科学会・日本医学脱毛学会
目次 -INDEX-
蒙古ヒダとは?
蒙古ヒダとは、東アジアを中心とした蒙古人(モンゴロイド)に特有のもので、目頭部分の白目にヒダのような皮膚が重なっている状態のことを指します。
これは遺伝的な要因によるもので、見た目の印象を変えることもあるものです。
日本人は欧米人より蒙古ヒダが目立つ
蒙古ヒダは、欧米人に比べてアジア人(特に中国人・日本人)により頻繁に見られます。
欧米人と日本人を見比べた際に、欧米人の方が目が大きくパッチリと開いている印象を抱くのは、この蒙古ヒダが原因です。蒙古ヒダは遺伝的要因によってもたらされたものであり、そのルーツは北部の寒冷地の人類にまで遡ります。
もとはといえば、人類のまぶたは二重でした。しかし、一部の人類が寒冷地へと移動した際、寒さから身を守るために進化する必要があったのです。
そのため、寒冷地に拠点を置いていた人類はまぶたの上に脂肪を増やして一重になり、さらに目頭を守るために蒙古ヒダを発達させたといいます。
そのまま暖かさを求めて南へと下ってきたため、中国や日本といったアジア圏の人々は蒙古ヒダが発達していることが多いというわけです。
確かに、日本人には蒙古ヒダがより目立つ傾向がありますが、これは遺伝的な要因によるもので、病気ではありません。
蒙古ヒダが張っていると目が小さく見える
蒙古ヒダが張っていると、目頭が覆われているせいで目が小さく見えるといわれています。それゆえにつぶらな瞳で幼い印象を抱かれやすいです。
蒙古ヒダが張っていることに加えて、まぶたの脂肪が厚いと目の開きが悪くなり、眠そうな印象も与えてしまいます。
また、目頭に皮膚が覆い被さった状態は、左右の目が離れているように見えることもあり、蒙古ヒダのせいで左右の目のバランスが悪くなっているケースも少なくありません。
蒙古ヒダがあると二重にするのは難しい?
一般的に、蒙古ヒダがある場合は二重にすることが難しいとされています。なぜなら、蒙古ヒダが二重のラインの目頭部分を邪魔してしまうからです。
蒙古ヒダが張っているとどうしても目頭部分が盛り上がってしまい、二重のラインの位置が限定されてしまいます。
そのまま二重のラインを描いてしまえば違和感のある目元に仕上がってしまい、なかなか自然な二重とはいえない出来栄えになってしまうでしょう。
二重といっても様々な種類がありますが、その中でも「並行型」の二重は蒙古ヒダが張っている場合にはできないことが多いです。「並行型」の二重にしたい場合には、後述する目頭切開による手術を受けることで実現できます。
蒙古ヒダがある目は目頭切開が向いている
前述のように、蒙古ヒダは二重にする際に邪魔になってしまいます。
蒙古ヒダには幼い印象を与えられる一面もありますが、目頭が離れていたり、目が小さく見えたりするデメリットもあるものです。
そのため、蒙古ヒダがある目は目頭切開が向いています。特に「並行型」の二重にしたい場合には、この蒙古ヒダは除去した方が自然な二重に近づけることが多いです。
ただ、目頭切開の手術はリスクを伴うため、手術前には必ず専門医に相談する必要があります。後述するメリット・デメリットを比較しながら、検討しましょう。
目頭切開のメリット
目頭切開とは、言葉の通り、目頭を切開することで蒙古ヒダを除去する手術法です。
蒙古ヒダがあると、希望の二重ラインをデザインできないことが多いですが、目頭切開をすることで選択肢の幅が大きく広がります。
そのような目頭切開には、以下のようなメリットがあります。
- 埋没法では難しい二重の形にできる
- 目の幅を広げられる
- 左右対称のまぶたにできる
- 効果が半永久的
それぞれを確認していきましょう
埋没法では難しい二重の形にできる
埋没法は、まぶたを切らなくても二重が実現できると人気の手術方法です。しかし、まぶたが厚い人や蒙古ヒダがある人の場合は、難しい二重の形にできないことがあります。
その場合は切開法を勧められたり、末広二重にしたりすることになりますが、諦めきれない思いを抱いている方もいらっしゃるでしょう。そのようなときに、目頭切開は非常に有効的です。目頭切開をすると蒙古ヒダがなくなるため、二重のラインが引きやすくなります。
選択肢の幅が広がるため、諦めていた難しい二重デザインも実現できるかもしれません。
ただ、目頭切開では皮膚を切開することになるため、ダウンタイムの長さや切開することへの恐怖感を懸念されているのであれば向かないでしょう。
目の幅を広げられる
蒙古ヒダが張っている状態は、いわゆる目頭が丸くなって皮膚が覆い被さっている状態です。そのため、通常の目の大きさよりも小さく見えてしまっていることがあります。
欧米人より日本人の方が目が小さく見えるのはこの蒙古ヒダのせいだといっても良いほどです。
目頭切開をして蒙古ヒダを取り除けば、目の幅を広げられます。目頭部分の皮膚が被さっている部分を除去できるため、横幅の広いパッチリとした目になるでしょう。
左右対称のまぶたにできる
よく、多くの人が美しいと感じる目元の比率は「目の幅と目の間の距離が同比率だ」と言われますが、これは日本人の目元には当てはまりません。
日本人を含めたアジア人は、目頭の間が少し広いくらいの左右対称であることが美しさの基準であるとされています。
目頭切開では、この目頭の間を調節することが可能です。多くの日本人は、蒙古ヒダが張ってしまって目が離れてしまっていることがあります。
目頭切開で蒙古ヒダを取り除けば、ちょうど良いバランスの目頭の距離に調整して、離れ目を改善できるでしょう。
効果が半永久的
目頭切開は、効果が半永久的に持続します。メスを使って切開していく手術のため、戻ることはほとんどありません。
ただ適切な施術方法が選択されていなかったり、再癒着が起きてしまったりすれば、完全とはいかなくてもわずかながら目頭が戻ってしまうことがあります。
これを防ぐためには、経験豊富で信頼できる医師に任せる他ありません。事前のカウンセリングで受け身にならず、積極的に手術について質問して見極めましょう。
目頭切開のデメリット
ここまで目頭切開の様々なメリットをご紹介しましたが、把握しておきたいデメリットもあります。目頭切開のデメリットは以下の4つです。
- 周囲にバレやすい
- ダウンタイムが長くなる
- 目と目の間が短くなる
- 元に戻すのが難しい
それぞれを確認していきましょう。
周囲にバレやすい
目頭切開は、目頭にメスを入れて行う手術です。そのため、個人差はあるものの術後1週間から2週間程度は、腫れや赤みが気になります。
術後1週間程度で抜糸を行いますが、抜糸をしてからが内出血や腫れを生じやすいです。目元はマスクで隠すこともできないため、周囲にバレやすいでしょう。
また、目頭切開により蒙古ヒダを除去すると目元の印象が大きく変わります。
目の大きさ・目と目の距離感は目の印象に大きな影響を与えるため、バレたくない場合は人と会うことを控えたり、メガネをかけて過ごしたりして対策しましょう。
ダウンタイムが長くなる
目頭切開のダウンタイムは、個人差がありますが一般的には数週間から1ヶ月程度の長さになります。手術後は、痛み・腫れ・赤み・内出血といった症状が現れ、長引きやすいです。
また、目頭切開は傷跡が目立ちやすいというデメリットもあり、薄くなるまで3ヶ月から半年程度はかかります。
抜糸後であればメイクで隠すことは可能ですが、違和感が残ってしまうことはあるでしょう。
目元が気になると人と会うことにストレスを抱いてしまうこともあるため、可能であれば接触を控えられるよう対策を取ることをおすすめします。
目と目の間が短くなる
目頭切開では、目頭にかかっている蒙古ヒダを取り除く手術です。今まで蒙古ヒダが張っていることで丸みを帯びていた目頭が広がるため、目と目の間が短くなります。
これにより、元々目と目の間が近い人の場合には違和感が生じてしまうかもしれません。切開する範囲や大きさは、医師としっかり相談して決める必要があります。
切開部分が大きすぎると目と目の間が短くなるだけでなく、目頭のピンクの粘膜が見えすぎて不自然な仕上がりになることもあるでしょう。目頭切開をする際は、信頼できる医師に依頼することが大切です。
元に戻すのが難しい
目頭切開では、目頭にメスを入れて蒙古ヒダを除去します。そのため、元に戻すことが難しいです。一度切除してしまった皮膚や筋肉は戻せません。
ただ、手術方法によっては修正ができる可能性もあります。例えばZ法と呼ばれる手術方法であれば、多少元に戻すことは可能です。
また、蒙古ヒダ形成と呼ばれる修正手術もありますが、どちらもおすすめはできません。
目への負担が大きすぎることに加え、さらに仕上がりに違和感を抱く結果になりかねないからです。
そのため、目頭切開は基本的に後戻りはできない手術であると認識しておきましょう。失敗してしまわないためには、医師選びを慎重にする必要があります。
目頭切開の費用の目安
目頭切開手術の費用は、地域・施術するクリニック・手術の難易度などによって変わってきます。そのため、参考程度にしか述べられませんが、一般的には20万円から40万円程度の費用がかかることが多いです。
場合によっては、麻酔代金が別途必要になることもあるので、必ず事前に確認しておきましょう。一概に安いクリニックは悪く、高いクリニックは良いということはありませんが、安すぎるクリニックは特に注意してください。
安すぎるクリニックでは、目頭切開の手術法で三日月法を選択していることがあります。三日月法は手術が簡単で安価で行えますが、術後の傷が目立ったり、後戻りが起きやすくなったりするリスクが高いです。
今ではほとんど使われなくなってきた手術方法なので避けた方が賢明でしょう。
目頭切開の手術を依頼するクリニックは、しっかりとしたカウンセリングを行ってくれる場所を選ぶと失敗が少なくなります。目頭切開の最も怖いリスクは「切り過ぎによる仕上がりの違和感」です。目頭切開は修正がきかないため、手術をしてしまえばもうどうしようもありません。
手術前にしっかりとカウンセリングを行なって医師との完成イメージのすり合わせを行い、シミュレーションをしてもらいましょう。
決して受け身にならず、不安解消できるように自分から動くことが大切です。
目頭切開の特徴を把握して手術を受けよう
目頭切開は、目頭にある蒙古ヒダを切除することで、目元の印象を変える手術です。日本人のおよそ7割は蒙古ヒダが厚いといわれており、そのせいで幼く見えたり、二重幅が狭くなったりしてしまいます。
その蒙古ヒダを目頭切開で取り除くことで、目の幅が広がってパッチリとした目に生まれ変わります。目頭切開の手術は、以下のような人におすすめです。
- 大きなパッチリ目にしたい
- 並行型の二重にしたい
- 蒙古ヒダが厚い
- まぶたが厚い
- 目と目の間が離れている
- 二重幅が狭い
特に、まぶたが厚かったり蒙古ヒダが厚かったりする方は、目頭切開を行わないまま二重手術をしても理想の二重を手に入れられないことがあります。
目頭切開をすれば二重のラインの選択肢が広がるため、今までは難しかったデザインでも実現できるようになるでしょう。
ただ、目頭切開には術後のダウンタイムが長くなりやすかったり、元に戻すことが難しかったりするリスクがあるため、慎重に検討する必要があります。目頭切開で失敗しないためには、このような特徴を把握したうえで手術を受けることが大切です。
編集部まとめ
蒙古ヒダはかつては寒さから目頭を守るために発達したものですが、そのせいで目元の印象が幼く見えたり、目と目が離れた印象を抱いてしまったりすることがあります。
二重手術を検討している方にとっては、理想の二重デザインを実現する際の障壁になることもあり、特に蒙古ヒダが強く張っている方は目頭切開をすることがおすすめです。
目頭切開をすると蒙古ヒダを切除できるため、二重手術のデザインの幅が広がったり、目元の印象が大きく変わったりするメリットがあります。
しかし、目頭切開は一度手術してしまうと元に戻すことが難しいくなり、後悔しないためには慎重に検討しなければなりません。
医師とはしっかりとカウンセリングを行い、信頼できるクリニックにお任せするようにしましょう。
目頭切開をするかどうかは、本記事でご紹介した目頭切開のメリット・デメリットを把握した上でご判断ください。
参考文献
参考サイト