不妊の治療法を紹介|種類・原因・費用について解説
不妊は、妊娠を望む方にとっては大きな問題です。そのため、不妊治療に早くから取り組む方も少なくありません。
晩婚化といった社会的背景やメディアによる話題の取り上げなどにより、不妊治療は昔ほどハードルの高いものではなく情報も得やすい環境になってきました。
不妊治療にはさまざまな種類があり「どの治療法を選択するか」「どれくらいの費用がかかるか」といったことも重要です。
治療法としては、自然に近いタイミング法から、体外受精・顕微授精を行うものまで多岐にわたります。
ここでは、不妊治療の種類・原因・費用について解説するので、不妊治療に興味がある方は参考にしてください。
監修医師:
小泉 邦博(八王子ARTクリニック)
目次 -INDEX-
不妊の治療法の種類とは
不妊の治療法は、さまざまな原因や状況に応じて異なります。診断と個別の状況に基づいて適切な治療法を決めていきます。不妊の主な原因がわかっている場合は、その原因を取り除くように治療を行います。
主な原因として排卵障害がある場合に使われるのが、排卵誘発薬です。排卵誘発薬を使用して卵巣の機能を改善し排卵を促進させます。
人工授精は、パートナーの精液を処理し女性の子宮内に直接注入する方法です。一般的には排卵誘発薬と組み合わせて行います。
体外受精 (IVF)は受精卵を体外で作成し、成熟した胚を女性の子宮に戻す方法です。排卵誘発薬により多くの卵を収集し、受精させます。また、精子の数や運動能力に問題がある場合は、卵子に精子を直接注射する方法が適行われます。
他にも状況や原因に応じてさまざまな治療法があります。不妊の原因や状態は個人によって異なりますので、不妊治療を専門とする医師に相談して適切な治療法を選択しましょう。
排卵誘発法
不妊治療薬として使われるのが、排卵誘発薬です。不妊の主な原因として排卵障害がある場合、排卵誘発薬を投与して卵巣の機能を改善し排卵を促進する方法です。
排卵誘発薬は単独で使うだけでなく、ホルモンバランスを調整するための他の薬剤と一緒に使用されることもあります。
タイミング法
タイミング法は、性交渉のタイミングを調整する方法です。まず、経腟超音波検査により卵巣内にある卵胞の大きさを計測します。
これにより排卵日を予測し、性交渉を排卵日のタイミングに合わせるという方法です。これは、単独で行うだけでなく、排卵誘発薬と並行して行うこともあります。例えば、多嚢胞性卵巣症候群などによる排卵障害がある場合に、排卵誘発薬による卵巣刺激を行います。
体外受精法
体外受精法は、体外に卵子を取り出し、精子と受精させるものです。受精方法はいくつかありますが、大きくは一般体外受精法と顕微授精に分けられます。
受精卵は受精して2〜3日後の分割期胚や5〜6日後の胚盤胞まで培養しますが、胚移植のパターンは2つです。採卵した周期に胚を子宮内に戻す「新鮮胚移植」と、採卵周期には移植せず胚を凍結保存し別周期で移植をする「凍結融解胚移植」となります。
不妊の原因とは
不妊の原因は非常に多岐に渡ります。そのため、確実な原因は特定できなかったり、複数の原因が重なっていたりする場合もあるでしょう。一般的にいわれる原因は、卵巣・精子・卵管・子宮など妊娠に関わる機能の障害が考えられます。
また不妊の原因として、甲状腺ホルモンやプロラクチンなどのホルモンバランスが崩れることも挙げらるでしょう。その他にも糖尿病・高血圧・肥満などの健康問題や、生活環境・ストレスによるものも少なからず存在します。
さらに、個人の状況によっては複数の要因が組み合わさっていることもあるため、不妊治療を専門とする医師に相談することが重要です。では、男女別に原因となりうるものをみてみましょう。
女性が原因によるもの
女性の不妊症の原因には、排卵因子・卵管因子・子宮因子・頸管因子・免疫因子などがあります。排卵因子とは、ホルモンのバランスの崩れなどが原因で排卵障害を起こしている場合です。また、環境の変化にともなう精神的なストレスや短期間の極端なダイエットによる月経不順が原因になることもあります。
卵管因子とは「性器クラミジア感染症」により、卵管の閉塞や卵管周囲の癒着によって卵子が取り込まれにくくなる状態です。また、虫垂炎など骨盤内の手術歴がある場合は卵管周囲の癒着をきたすことがあります。
子宮因子とは、粘膜下筋腫・筋層内筋腫などの子宮筋腫ができている状態です。月経量が多く血液検査で貧血を指摘された場合は子宮筋腫を疑う必要があります。粘膜下筋腫は受精卵の子宮内膜への着床障害による不妊症です。
頸管因子とは、頸管粘液量が減少して精子が子宮内へ貫通しにくくなる状態を指します。ただし、不妊症の検査をしても、明らかな不妊の原因が見つからない場合があるため注意が必要です。
男性が原因によるもの
男性の不妊症の場合、次のような原因が挙げられます。
- 射精される精液の中の精子の数が少ない
- 精子の運動率が低下している
- 勃起ができず挿入できない
- 勃起はするが射精がうまくいかない
- 精子の通り道のどこかが閉塞している
精子をつくる過程に原因がある造精機能障害とは、精巣での精子形成や精巣上体での成熟過程に異常があった場合に精子の数や運動率に影響が出るものです。性機能障害には、有効な勃起が起こらず性行為がうまくいかない「勃起障害」と射精ができない「射精障害」があります。
精路通過障害とは、精子が精巣内で作られたのちに移動する、精巣上体・精管・射精菅・尿道において閉塞した箇所があり精子が通過できないものです。
不妊治療にかかる費用は?
不妊治療の料金は、治療法・地域・医療機関・個々の状況によって異なります。不妊治療は非常に多様な方法とアプローチがあり、単独で行うだけでなく、いくつか組み合わせることがあります
不妊治療薬の費用は他の治療法に比べると低い場合がありますが、治療期間や使用する薬剤によって異なります。人工授精は、排卵誘発薬や精液の処理などによって費用の変動が大きいです。
体外受精は、排卵誘発薬・受精卵の培養・胚移植などのステップによって費用が増加するため注意が必要です。不妊治療の全体的な費用は、治療法・治療期間・追加検査・医療機関の料金設定などによって大きく変わります。治療を開始する前に、医療機関や保険会社に詳細な費用とカバレッジについて相談しましょう。
排卵誘発法
排卵誘発法は、排卵の数によって金額が異なります。不妊治療専門病院である八王子ARTクリニックでは、採卵術として以下の金額設定がされています。
卵0個で9,600円程度・卵1個で16,800円程度・卵2〜5個で20,400円程度・卵6〜9個で26,100円程度・卵10個以上で31,200円程度です(価格は全て税込)。
この他にも、診察代や検査代がかかりますので、トータルで考えていく必要があります。
タイミング法
タイミング法の費用は、通院回数・検査回数・薬剤処方の有無などによって異なりますが、一般的には1回2,000〜3,000円(税込)程度です。
タイミング法は、検査を行って適切なタイミングを確定する方法ですので、必要最低限の費用として診察代と検査代だけになります。しかし、排卵誘発剤を処方する場合には別途費用がかかります。基本的にタイミング法は保険適用内で受けられます。
体外受精法
体外受精法では、通院回数・検査回数・薬剤処方・体外受精の種類などによって金額が異なります。体外受精一式の1周期当たりの請求費用は、500,000円(税込)程度になります。
不妊治療を受けるためのポイント
不妊治療を受ける際に重要なことは、専門の医師としっかりと相談することです。そのため、医院選びも大切となります。
不妊治療を行う場合、不妊治療専門の医院を選びましょう。不妊症にはさまざまな原因があり、適切な治療を行うためには専門的な知識と経験が必要です。
そのうえで、不妊治療を受けるためのポイントをお伝えしていきます。
不妊かもと思ったタイミングであること
不妊治療は不妊かもと思ったタイミングで早めに受診をしましょう。不妊治療を考えている場合は、早期に専門の医師に相談することが大切です。不妊治療は、年齢が成果に影響を与える可能性があるため、なるべく早く行動した方が良いでしょう。
また、不妊治療は身体的にも精神的にも負担が大きい場合があります。パートナーや家族と話し合うことも重要です。
不妊治療は成功までに時間がかかることがあるため、精神的に不安になったり費用が心配になったりすることもあるかもしれません。専門のカウンセリングを受けられたりしますので、治療を進める過程で焦らずに続けることが大切です。
初診の月経周期はいつでもいいこと
不妊治療において、初診時の月経周期はいつでも問題ありません。
不妊治療の検査や治療は月経周期に合わせて行いますが、患者さんによって必要な検査や治療が異なります。
実際に、ホルモン療法や排卵誘発剤の使用が考えられる場合は、月経周期の特定の時点で開始する必要があります。しかし、年齢や不妊の原因によって検査や治療の方法が変わるため、医師に相談のうえ進めることとなります。
一般的に初診は、月経周期の2〜5日目に受けることが推奨されていますが、病院や専門の医師によって異なるため確認しましょう。
生理中なら病院に確認を取ること
不妊治療の初診が生理中である場合、病院に確認を取ることをおすすめします。
特に生理中は子宮内膜が剥離されている状態ですので、子宮内の状態がわかりやすい時期です。また、生理中に行われる内診や検査結果も、治療計画の立案や評価に役立ちます。
しかし、病院によっては生理中の初診に制限を設けている場合もありますので、事前に確認しましょう。
不妊治療なら八王子ARTクリニックへ相談を
不妊治療は、専門の医師や専門のクリニックで行うことがおすすめです。
八王子ARTクリニックは、生まれてくる赤ちゃんの健康を第一に考えた治療法を提案してくれます。
一つひとつの卵を大切にしながら、患者さんに寄り添い進めてくれるでしょう。
不妊治療は心と体に負担がかかります。それらをできる限り減らした治療で、回り道することなく妊娠につながるよう考えてくれるため安心です。
看板は掲げずにプライバシーに配慮
八王子ARTクリニックは、来院する患者さんのプライバシーに配慮されており、看板がありません。
不妊治療は精神的にも負担が大きいものですから、この配慮は安心できるでしょう。
また、JR八王子駅・京王八王子駅から徒歩5分で通える駅近の立地も特徴の一つです。
男性専用の待合室も完備
八王子ARTクリニックは、男性専用の待合室が完備されており、男性もリラックスして治療に臨めます。
不妊治療は、男性・女性どちらかが頑張ってもうまくいきません。
逆に言えば、不妊治療の専門クリニックだからこそ、男性も女性も居心地の良い場所が必要となります。
患者さんに備わっている力を引き出す方法で治療
八王子ARTクリニックは、患者さんに備わっている力を引き出す方法での治療を指針としています。
もともと人間は、妊娠するために必要な力を持っているためです。
現に、薬剤に頼って強引な手法を試しても、結果に結びつかないことがあります。体への負荷を極力小さくして、できる限り早い妊娠を目指すことが大切です。
八王子ARTクリニックでは、体外受精であっても排卵誘発剤で無理に多数の卵子を育てるのではなく、自分のリズムで起こる排卵を大切にする方針をとっています。
八王子ARTクリニックでは、完全予約制を採用しており、できるだけ早いタイミングで受診できます。
不妊治療をお考えの方は、自分が「どのような不妊治療・妊娠を望んでいるか」八王子ARTクリニックに相談してみてはいかがでしょうか。
八王子ARTクリニックの基本情報
アクセス・住所・診療時間
JR中央本線・JR横浜線・JR八高線 八王子駅 徒歩5分
京王線 京王八王子駅 徒歩5分
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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※完全予約制
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