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ニキビの治し方とは?病院での治療方法やニキビをできにくくする方法を解説

 公開日:2024/01/24
ニキビに悩む女性

ニキビはほとんどの方が経験する非常に身近な病気ですが、なかなか治らなかったり悪化しやすかったりするため、少し厄介だと感じられる病気でもあります。

特に若い女性の場合では、顔などの目立つ箇所に大きなニキビができることで審美性が低いと感じられ、精神的に大きな影響が出てしまうこともあるのです。

ニキビを一日でも早く治したいと考える方は少なくないのではないでしょうか。

今回はニキビの治し方・病院での治療方法・予防方法について詳しく解説します。ニキビに悩む方はもちろん、病院での治療を検討している方も、是非ご参考になさってください。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

ニキビは治せる?

頬に人差し指を当てる女性
ほとんどの場合において、ニキビは自宅でのスキンケアや医療機関での治療で治せるでしょう。
ただし、ニキビを治すためには適切な対処がポイントとなります。間違った方法でニキビが余計にひどくなり、ニキビ痕が残ってしまうケースも少なくないのです。
ニキビへの正しい対処法を知ることは、健康な肌を保つためにも非常に重要だといえます。
これまで、ニキビが軽症のうちは自宅でケアを行い、重症になれば病院へ行くという対処法が主流でした。
しかし、最近ではニキビ治療も進歩し、軽症のうちから病院で治療が受けられるようになりました。
ニキビくらいで病院に行くのは面倒だと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし自宅でのケアの場合、早く治したい一心で過剰なケアを行ってしまったり、スキンケア方法の間違いに気づかず悪化させてしまったりするというリスクがあるのです。
将来的にニキビ痕を残さないためにも、自宅でのケアでニキビが改善しない場合には、早めに医療機関での受診を検討しましょう。

ニキビができる原因

頬に指当てて口の中に空気をためる女性
正しくニキビに対処するためにも、まずはニキビができる原因について知ることが大切です。
ニキビは毛穴が詰まることからでき始めますが、その原因には皮脂毛穴の汚れが大きく関係しているのです。
皮脂が過剰分泌されたり毛穴に汚れが溜まったりすると、毛穴が詰まることがあります。
すると、本来肌の表面に分泌されるはずの皮脂が出口を無くして毛穴に溜まります。そして、溜まった皮脂が原因でアクネ菌が増殖しニキビとなるのです。
アクネ菌はニキビの原因菌として良く知られており、毛穴の中で皮脂を分解することで増殖するため、皮脂が溜まるとアクネ菌が増殖するリスクが高くなります。
皮脂の過剰分泌は食事バランスホルモンバランスが乱れることで起こりやすくなるため、普段の食生活やストレスもニキビの原因だといえるでしょう。
女性の場合では、月経前のホルモンバランスやメイク汚れの残存もニキビができる原因となってしまいます。
ニキビの原因菌であるアクネ菌はヒトの毛穴に生息する常在菌であり消滅させられないため、毛穴を詰まらせないことがニキビに対する非常に有効な予防策だといえるでしょう。

年齢別のニキビの特徴

黒板の前に立つ男性
ニキビは小学校高学年からできはじめ、高校生をピークに次第に治まっていきます。しかし、社会人など大人になってもニキビに悩まされる方も少なくありません。
学生時代にできる思春期ニキビと社会人などの大人にできる大人ニキビとでは、発症のメカニズムは同じですが、発症する部位・原因・特徴などに違いがあります。
ここからは、思春期ニキビと大人ニキビの違いについて、詳しく解説します。

思春期ニキビ

鏡を持っている女性
思春期ニキビの主な原因は、ホルモンバランスの変化による皮脂の過剰分泌です。
思春期に入ると身体のホルモンバランスが変化し、顔・首・背中・デコルテ(胸元)などの皮脂分泌量が多くなります。
そのため、過剰な皮脂で毛穴が詰まりニキビができやすくなるのです。
まずは額に小さなニキビがたくさんでき始め、次に頬にも同様のニキビが発生し、次第にフェイスラインや首などにも広がっていくケースが多いです。
思春期ニキビの多くはかゆみが強いため、ついニキビを掻いて悪化させたり、ニキビを気にするあまり手でつぶしたりすることで痕になってしまうことも少なくありません。
将来ニキビ痕に悩まされないためにも、悪化する前に皮膚科などで受診することをおすすめします。

大人ニキビ

大人ニキビの原因としては、主にストレス睡眠不足不適切なスキンケア肌質の変化などが挙げられます。
大人ニキビは思春期ニキビとは違い、痛みを伴う大きなニキビが所々にできます。顎やフェイスラインなどにできることが多いです。
社会生活などのストレスにより、食生活やホルモンバランスが乱れ、肌の皮脂分泌のバランスが崩れてニキビができやすくなります。
また、多忙から睡眠時間を十分にとれなかったりスキンケアが疎かになったりすることでも、ニキビができやすくなるのです。
女性の場合は、メイク汚れで毛穴が詰まったり生理・妊娠・出産などでホルモンバランスの影響を受けやすかったりするため、男性よりも大人ニキビが発生しやすくなります。

ニキビの治し方とは

ニキビ治療薬
人目に触れやすい顔周辺にニキビができると目立ってしまうため、一刻も早く治したいと考える方も多いでしょう。
ニキビを治すには、正しいスキンケア薬の使用が有効です。
ニキビは毛穴に皮脂や汚れが詰まることで発症につながるため、毛穴が詰まらないよう肌に汚れを残さないことがポイントです。洗顔やメイク落としは丁寧に行う必要があります。
ケア用品はニキビ用のものを使用すると良いでしょう。ニキビ用のケア用品は皮膚科などで処方してもらえる医薬品のものが効果的です。
薬を使用する場合には外用薬と内服薬があり、増えすぎたアクネ菌を殺菌したり炎症を抑えたりする効果が期待できます。
ニキビを治すために最も大切なことは、なるべく触らないことです。手で触ると手の雑菌でニキビが悪化することがあります。
また、ニキビを無理やり潰したり過剰なケアを行ったりすると、ニキビが悪化し痕が残ることもあるため極力避けましょう。

病院でのニキビ治療方法

話し合う患者と医者
病院でニキビを治療する場合には、主に薬物療法が行われます。薬物療法では主に漢方抗生物質過酸化ベンゾイル製剤外用レチノイド製剤などが用いられるでしょう。
ここでは薬物療法で使用されるそれぞれの薬の作用について解説します。

漢方の服用

ニキビ治療として病院で漢方を処方されることがあります。
漢方は体質改善を目的とした薬のため即効性はありませんが、ニキビを繰り返すなどで長期間ニキビに悩まされている方には向いているといえるでしょう。
東洋医学において、ニキビは気と血の流れが悪いことでできるとされているため、それらの改善を目的とした漢方が処方されます。以下のような漢方が代表的です。

  • 当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
  • 桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)
  • 十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)
  • 薏苡仁(ヨクイニン)

漢方は個人の体質などによって効果のあらわれ方に差があるため、医師と相談して適切な使用方法を確認するようにしましょう。

抗生物質外用薬・内服薬

過酸化ベンゾイル製剤は軽度から中度のニキビに対して処方される抗菌薬の一種です。
増えすぎたアクネ菌を殺菌する効果に加えて、ピーリング作用で毛穴の詰まりを解消するため、ニキビ治療に有効だといえるでしょう。
また、過酸化ベンゾイル製剤は抗生物質とは異なり耐性菌を作らないため、長期使用が可能です。
ただし、肌の乾燥やかぶれなどの副作用があらわれることがあるため、使用中に違和感があらわれた場合には皮膚科で受診するようにしましょう。

外用レチノイド製剤

ニキビに対する薬物療法として、外用レチノイド製剤も使用されます。現在ではアダパレンというレチノイドが使用されています。
レチノイドには毛穴のつまりを改善させたり予防したりする作用があるため、抗生物質や過酸化ベンゾイル製剤などでニキビが軽快した後に予防薬として使用されることが多いです。
また、およそ8割の方に乾燥・赤み・ヒリヒリ感・かゆみなどの副作用がみられることがありますが、使い始めから2週間ほどで次第に和らぐでしょう。
もともと肌の乾燥が気になる方は、外用レチノイド製剤を使用する前に保湿を十分に行うことをおすすめします。
ほとんどの方で問題なく使用できますが、外用レチノイド製剤には催奇形性があるため、妊娠中の方や妊娠を希望する方の使用は禁忌となっています。

ニキビをできにくくする方法

ニキビを治療する女性
ニキビは一旦できるとしばらく治らず、特に顔など目立つ場所にできた際には、非常に憂鬱な気分になる方も少なくないでしょう。
そのため、なるべくニキビができないように対処したいものです。
ニキビをできにくくするには、肌に皮脂やメイクなどの汚れを残さないことと、身体の内側のバランスを整えることが重要なポイントです。
それでは、ニキビをできにくくする具体的な方法について解説します。

スキンケアを行う

ニキビをできにくくするためには、肌に汚れを残さないことがポイントとなります。そのため、毎日のスキンケアは非常に重要です。
スキンケアの中でも、特に洗顔が大切です。洗顔は、ネットやスポンジなどでたっぷりときめ細かい泡を作り、肌を優しく撫でるように洗います。
汚れを落としたい一心で肌を強く擦る方がいらっしゃいますが、肌への強い刺激は肌荒れの原因となり逆効果であるため、優しく洗うことを心掛けましょう。
また、すすぎ残しも汚れの原因となるため、丁寧に泡を流します。特に顎などのフェイスラインはすすぎ残しが多いため、意識して流すと良いでしょう。
洗顔後は、化粧水や乳液などで肌を保湿し整えます。しっかりと保湿することで肌を刺激から守れるため、ニキビの予防にも繋がるでしょう。
スキンケア用品を選ぶ際には、ノンコメドジェニックまたはハイポコメドジェニックと記載のあるニキビ予防のものがおすすめです。

室内も保湿する

肌は乾燥するとダメージを受けやすくなり、ニキビができるリスクも高くなるため、室内を保湿し肌を乾燥から守ることも大切です。
室内の乾燥対策には、加湿器が効果的でしょう。また、空気清浄機も同時に使用することで空気中の汚れや花粉などを除去できるため、肌に汚れが付きにくくなります。
そのほか、観葉植物を置くことでも室内が加湿されます。ニキビをできにくくするためには、肌を乾燥させないよう環境の工夫も大切なのです。

食事バランスを整える

野菜
食事バランスを整えることも、ニキビをできにくくする方法の一つです。
ニキビをできにくくするためには、特に脂肪分糖分刺激物の過剰摂取に注意する必要があります。過剰摂取することで皮脂を過剰に分泌させ、ニキビができやすくなるのです。
ニキビ予防には、ビタミンB群ビタミンE食物繊維の摂取が効果的です。
ビタミンB群では、納豆や乳製品などのビタミンB2と肉や魚などのビタミンB6を摂取することで、肌の新陳代謝を促し皮脂の分泌量も上手くコントロールできます。
ナッツ類・魚・植物油などに含まれるビタミンEは、肌の回復を助けてくれるため、できてしまったニキビへの対処としておすすめです。
食物繊維はニキビの原因となる便秘の解消に繋がります。野菜・海藻類・きのこ類・穀物などの摂取が望ましいでしょう。
しかし、肌に良い食品のみを摂取したり肌に悪い食品を完全に断ったりするなどの極端な食事内容はあまりおすすめできません。
食事のバランスが偏り、かえって肌に悪くなる場合があります。ニキビをできにくくするためには、バランスよく食事をとることが大切なのです。

生活習慣を見直す

ニキビをできにくくするには、生活習慣を見直すことも重要なポイントです。特に、ストレスの多い生活や睡眠を見直すことで、ニキビができにくい肌を目指せるでしょう。
ストレスは肌のバリア機能を低下させるため、ニキビができやすくなります。普段からストレスの多い生活を送っている方は、ストレスを軽減させることが先決です。
しかし、社会的要因からくるストレスをなくすことは難しいといえます。そのため、適度な運動などストレスを上手く発散できる方法を取り入れると良いでしょう。
また、睡眠時間が短かったり睡眠の質が悪かったりすることで、ホルモンバランスが崩れてニキビへと繋がりやすくなります。
睡眠時間を増やす・寝具を替える・就寝前にリラックスできる時間をとることで、睡眠の影響でできるニキビを予防する手助けとなります。
生活習慣の見直しは、大人ニキビを予防したい方には特におすすめできる方法です。

ニキビを治したい場合は早めに医師に相談をしよう

ニキビが治って笑顔の女性
ニキビを治すためには、早めに対処することがポイントです。ニキビが軽度のうちに対処することで、治りも早くニキビ痕も残りにくくなるでしょう。
しかし、ニキビは対処方法を間違えるとすぐに悪化してしまいます。正しくニキビに対処するためにも、皮膚科などで医師に相談することをおすすめします。
市販されていないニキビの治療薬を処方してもらえるだけでなく、その後ニキビを繰り返さないためのアドバイスをもらえるなど、さまざまなメリットがあります。
先述したとおり、最近では軽症のニキビも皮膚科で治療できます。ニキビの悪化やニキビ痕で悩まされる前に、皮膚科で相談してニキビをきれいに治しましょう。

編集部まとめ

笑顔で鏡に映る女性
今回はニキビの治し方について解説しました。ニキビは早めに対処することが大切であり、正しいケアが必要です。

ニキビは成長過程の一つだからできるのは仕方がないことで、大人になると治るため病院に行く必要はないと考えられることも少なくありません。

しかし、早くニキビに対処しなかったことでニキビ痕が残ってしまい、大きなストレスを抱えながら生きていくというケースもあるのです。

たかがニキビと侮らず、健康な肌を守るためにも、早めに皮膚科などで相談するようにしましょう。

この記事の監修医師