見えにくさの裏側に潜むサインとは?緑内障の原因と早期発見の重要性
公開日:2025/12/05

気づかないうちに視野が狭まり、放置すると失明につながることもある緑内障は、日本における失明原因の第一位です。緑内障は初期症状がほとんど現れないため静かに進む病気といわれ、眼圧の上昇だけでなく、遺伝や血流の低下、生活習慣など複数の要因が絡み合って発症すると考えられています。 本記事では、緑内障のメカニズムから早期発見の重要性、そして適切な治療法まで詳しく解説します。

監修医師:
山本 祐介(豊洲やまもと眼科)
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平成6年 聖光学院高等学校卒
平成12年 慶應義塾大学医学部卒
平成16年 慶應義塾大学医学部眼科学教室 助教
平成18年 東京歯科大学市川病院 助教
平成22年 鶴見大学歯学部附属病院 非常勤講師
平成26年 お花茶屋眼科 副院長 手術担当
平成27年 豊洲やまもと眼科 開院
平成12年 慶應義塾大学医学部卒
平成16年 慶應義塾大学医学部眼科学教室 助教
平成18年 東京歯科大学市川病院 助教
平成22年 鶴見大学歯学部附属病院 非常勤講師
平成26年 お花茶屋眼科 副院長 手術担当
平成27年 豊洲やまもと眼科 開院
目次 -INDEX-
緑内障とはどのような病気?
緑内障は、眼圧の上昇や血流の低下などにより視神経が障害される病気であり、日本の失明原因第一位の疾患です。一度失われた視野は元に戻すことができないため、早期発見と継続的な治療が求められます。
緑内障とは
緑内障とは、視神経が徐々にダメージを受けることで視野が欠けていく病気です。 眼球内には房水と呼ばれる液体が循環しており、この房水の排出バランスが崩れると眼圧が上昇します。眼圧が高くなると視神経が圧迫され、情報を脳に伝える機能が低下していくのです。 視神経は一度傷つくと修復されないため、緑内障による視野の欠損は不可逆的であり、進行を食い止めることが治療の中心となります。日本国内では40歳以上で緑内障を発症することが多く、他人事ではない身近な病気の一つです。初期症状がほとんどない"静かに進む"病気である理由
緑内障の特徴は、初期段階で自覚症状がほとんど現れない点にあります。 視野の欠損は視野の周辺部分からゆっくりと始まるため、日常生活では気づきにくいのです。また、両目で見ているときは片方の目が見えにくくてももう片方の目で補ってしまうため、異変を感じる頃にはかなり進行していることも少なくありません。視野が狭まっていることに気づいたときには、すでに視神経の半分以上が障害されているケースもあります。 自覚症状が乏しいまま進行するため、緑内障は"静かに進む病気"と表現されることがあり、定期的な眼科検診で異変を早期発見することが大切です。緑内障は失明の原因になる?
緑内障で視神経が障害されると徐々に視野が狭くなり、最終的には失明に至る可能性があります。ただし、早期に治療を開始して眼圧を適切にコントロールできれば、進行を抑え、生涯にわたって視力を保てる可能性はあります。 大切なのは、できるだけ早く異常に気づき、治療につなげることです。治療によって失われた視野を元に戻すことはできませんが、進行を遅らせることで日常生活に支障が出ない状態を維持できます。定期的に検診を受け、変化があればすぐに対処することが、将来の視力を守るための重要なポイントです。緑内障の原因は?眼圧以外にもある複合的な要因
緑内障の発症には眼圧の上昇が大きく関わっていますが、それだけが原因ではありません。日本人に多い正常眼圧緑内障のように、眼圧が正常範囲でも視神経が障害されるケースも存在します。ここからは、緑内障の原因について解説します。
眼圧が高くなると視神経に負担がかかる仕組み
眼圧とは、眼球内の圧力のことを指します。眼球のなかでは房水という液体が絶えず作られ、角膜と虹彩のあいだにある隅角(ぐうかく)と呼ばれる部分から排出されています。この産生と排出のバランスが保たれていれば、眼圧は正常範囲に保たれます。 しかし、房水の排出が滞ったり、排出経路が詰まったりすると眼圧が上昇します。眼圧が高い状態が続くと視神経が圧迫され、神経線維が徐々に損傷していくのです。視神経は眼球の奥にある視神経乳頭という部分に集まっており、ここが障害されると脳への情報伝達が妨げられ、視野が欠けていきます。 眼圧が正常値でも緑内障になることもあるので、眼圧だけで判断することはできませんが、視神経の保護のためには眼圧を下げることが重要です。日本人に多い正常眼圧緑内障の発症メカニズム
日本人の緑内障患者さんのうち、約6割が正常眼圧緑内障といわれています。これは、眼圧が正常範囲内であるにも関わらず、視神経が障害されていくタイプの緑内障です。 なぜ正常な眼圧でも視神経が傷つくのかは完全には解明されていませんが、いくつかの可能性が考えられています。 一つは、視神経そのものが弱い、あるいは構造的に圧力に弱い体質を持っている可能性です。視神経乳頭の形や大きさには個人差があり、同じ眼圧でも耐えられる方と耐えられない方がいます。 また、視神経への血流が不足していることも原因として考えられています。血流が悪いと酸素や栄養が十分に届かず、視神経が弱りやすくなります。 さらに、視神経を支える組織の脆弱性や加齢に伴う変化も関係しているとされています。正常眼圧緑内障の方は、眼圧を測定しただけでは異常が見つからないため、眼底検査や視野検査など、より詳しい検査が必要です。遺伝・血流低下・生活習慣など複数要因が絡み合う病気
緑内障の発症には、遺伝的な要素も関わっています。親や兄弟に緑内障の方がいる場合、発症リスクが高まることが知られています。遺伝だけで発症するわけではありませんが、視神経の構造や眼圧への耐性に個人差があるため、家族歴がある方は注意が必要です。 また、視神経は血液を通じて酸素や栄養を受け取っているため、血流が滞ると障害を受けやすくなります。そのため、高血圧や低血圧、動脈硬化、糖尿病などがあると視神経への血流が悪くなり、緑内障のリスクが上がると考えられています。 さらに、生活習慣も無視できません。喫煙は血管を収縮させて血流を悪化させるため、視神経に悪影響を及ぼします。過度の飲酒やストレス、睡眠不足なども、間接的に緑内障の進行に関与する可能性があります。 このように、緑内障は単一の原因ではなく、複数の要因が重なって発症する病気なのです。気づきにくい緑内障の初期症状
緑内障の初期症状は、視野の周辺部分がわずかに欠ける程度であり、自分では気づかないことがほとんどです。日常生活で支障を感じる頃には、すでにかなり進行している可能性があるため、違和感に気づけるように初期症状を知っておきましょう。
視野の端が見えにくい・欠けるなどの微細な変化
緑内障による視野の欠損は、視野の中心ではなく、端の方から始まるので、視界の隅にあるものが見えにくくなったり、一部が欠けて見えたりします。しかし、この変化はゆっくりと進むためなかなか異変に気づきにくいだけでなく、脳が欠けた部分を補完してしまうため、違和感を覚えにくいこともあります。 また、初期段階では視力も保たれていることが多いため、見え方に問題がないと感じてしまいやすく、視野検査を受けて初めて異常が見つかる方も少なくありません。両目では気づかず、片目で見て初めてわかる理由
日常生活では両目で物を見ているため、片方の目に視野の欠損があっても、もう片方の目がカバーしてしまいます。このため、両目で見ていると視野が欠けていることに気づきにくいといえます。 片目ずつ交互に隠して視野を確認してみると、片方の目だけ見えにくい部分があることに気づく場合があります。緑内障の検査では、片目ずつ視野を詳しく調べることで、初期の異常を見つけ出すことができます。光の眩しさや目の疲れとして現れるケースも
緑内障のなかでも急性緑内障発作では、激しい眼痛や頭痛、吐き気、視力の急激な低下といった強い症状が現れることがあります。しかし、一般的な慢性緑内障では、こうした劇的な症状はほとんどみられません。 それでも、目が疲れやすい、光がまぶしく感じる、かすんで見えるといった違和感が続く場合があります。こうした症状は加齢やほかの目の病気でも起こるため、緑内障だと気づかずに放置されてしまうことも少なくありません。 わずかな変化でも、いつもと違うと感じたら、早めに眼科で検査を受けることが大切です。早期発見が重要!進行を防ぐためにできること
緑内障は早期に発見し、適切な治療を開始することで進行を遅らせることができます。進行を防ぐためにできることと、治療法を解説します。
40歳以降は定期的な眼科検診が必須である理由
加齢に伴い視神経が弱くなり、眼圧の影響を受けやすくなるため、緑内障の発症リスクは40歳を過ぎると高まります。また、正常眼圧緑内障も40代以降に増加する傾向があります。 そのため、40歳を過ぎたら症状がなくても年に1回は眼科検診を受けることが推奨されます。特に、家族に緑内障の方がいる場合や、高血圧・糖尿病などの持病がある方はリスクが高いため、定期的なチェックが欠かせません。眼圧・視野・OCTなど精密検査で早期発見が可能に
緑内障の診断には、眼圧測定や眼底検査、視野検査、OCT検査などが用いられます。 眼圧測定では、眼圧が正常範囲内かどうかを確認します。眼底検査では、視神経乳頭の形や色、陥凹の深さなどを観察します。視神経が障害されると、視神経乳頭の中央部分が凹んでくるため、この変化を確認することで緑内障の可能性を見極めます。 視野検査では、見える範囲を詳しく調べ、欠損がないかを確認します。 OCT検査は、網膜の断層像を撮影し、視神経線維の厚みを測定する検査です。緑内障の早期診断に有用であり、視野が欠ける前の段階で異常を見つけることができます。 これらの検査を組み合わせることで、緑内障の早期発見につながります。点眼・レーザー・手術など進行抑制を目的とした治療法
緑内障治療の第一の選択肢は、点眼薬です。眼圧を下げて視神経への負担を減らし、進行を抑えることを目的に、眼圧を下げる作用のある点眼薬を使用することで視神経を保護します。 点眼薬だけでは眼圧のコントロールが難しい場合は、房水の排出を促進し、眼圧を下げるためにレーザー治療が検討されます。 さらに病状が進んでいる場合や、レーザー治療でも効果が不十分な場合は、緑内障手術が検討されます。手術では、房水の排出経路を新たに作ることで眼圧を下げる効果を得ます。 いずれの治療も、失われた視野を取り戻すことはできませんが、進行を食い止めることで生活の質を保つことができるでしょう。緑内障は豊洲やまもと眼科にご相談を
緑内障は早期発見と適切な継続治療が大切です。見えにくさや視野の異変を感じたら、放置せずに眼科を受診しましょう。
豊洲やまもと眼科は、先進的な医療機器を用いた精密検査と、患者さん一人ひとりのライフスタイルに寄り添った治療を提供している眼科クリニックです。ここからは、豊洲やまもと眼科について紹介します。
高精度な診断を可能にする精密検査体制
豊洲やまもと眼科では、緑内障の診断に必要な検査機器を幅広く取り揃えています。 屈折度測定と角膜曲率半径測定、眼圧測定が可能な新しい検査機器で眼圧値を測定し、視野検査では自動視野計を用いて視野の欠損範囲を精密に測定します。 眼底撮影では視神経乳頭の状態を詳細に観察し、視神経の障害の程度を評価しているそうです。 また、OCT検査では網膜の断層画像を撮影して視神経線維の厚みを数値で確認することで、視野が欠ける前の段階でも異常を見つけ出せるよう努めているといいます。さらに角膜内皮撮影装置も備えており、治療計画立案や眼内手術前後の角膜内皮のチェックに役立てられています。 このように、豊洲やまもと眼科では緑内障の早期発見と適切な診断のために、精密検査が可能な体制を整えています。早期発見から継続的フォローまで安心感のある緑内障診療
緑内障は、生涯にわたって眼圧のコントロールと視野の状態を定期的に確認していく必要があります。豊洲やまもと眼科は診断だけでなく継続的なフォローアップを重視し、患者さん一人ひとりの状態や生活スタイルを考慮しながら治療計画を提案し、長期的なサポートを行っています。
豊洲やまもと眼科の院長は、日本眼科学会をはじめ、日本眼科手術学会、日本白内障屈折矯正手術学会などさまざまな学会に所属する眼科を専門とする医師で、豊富な経験と知識を活かして診療されています。医療機器の充実に注力し、患者さんの通いやすさに配慮することで、緑内障を含むさまざまな眼疾患の早期発見と早期治療を心がけているそうです。
患者さんへの負担が少ない治療で長期的な視力維持をサポート
緑内障の治療は、長期間にわたって続けることが前提となるため、豊洲やまもと眼科は患者さんへの負担をできるだけ抑えることを大切にしています。 緑内障治療においては点眼薬を用いた治療を基本とし、患者さんが無理なく継続できるよう配慮されています。点眼薬の使い方や注意点についてわかりやすく説明し、正しく使用できるようサポートしているといいます。点眼薬だけでは眼圧のコントロールが難しい場合は提携している病院と連携し、院長自らが手術を担当することもあるそうです。 緑内障は長い付き合いとなる病気だからこそ、信頼できる医師のもとで治療を受けることが大切です。豊洲やまもと眼科は、「眼科医療を通じて地域のみなさんの生活を守り、豊かにすること」を使命とし、患者さんの未来の視力を守るためにサポートしています。 まずは豊洲やまもと眼科で眼科検診を受け、将来の視力を守るための一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。豊洲やまもと眼科の基本情報
アクセス・住所・診療時間
有楽町線 豊洲駅出口3より徒歩2分
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