不妊治療に初めて行くタイミングはいつ?男女それぞれの主な不妊の原因について解説します
世の中には望んでも子どもを得られずに悩んでいる方もいらっしゃいます。
「もしかして不妊かも?」と思ったとき、それが不妊治療を始めるタイミングかもしれません。
不妊治療は開始する年齢が低いほど、妊娠しやすいともいわれています。本記事では、不妊治療を始めるタイミングや男女それぞれの主な不妊の原因について解説します。
本記事が不妊を疑っている方や不妊にお悩みの方のご参考になれば幸いです。
監修医師:
安田 師仁(医療法人ALCYあきたレディースクリニック安田)
目次 -INDEX-
不妊治療で初めて病院に行くタイミングはいつ?
子どもが欲しいのになかなか恵まれず、親・親類・友人などから何気なく「お子さんはまだなの?」と聞かれるとビクリとしてしまう方も多いのではないでしょうか。
新しい命を切望する方々にとって、不妊はデリケートで大きな問題です。悪意のない言葉が心に突き刺さり、その場は笑って済ませても、1人になると泣きたくなるような辛い思いをしている方もいらっしゃるでしょう。
以降の章では、一体いつが不妊治療を始めるタイミングなのかについて解説します。
不妊かもしれないと思ったタイミングで受診するのが良い
子どもを望み2人で頑張っているのにどうして妊娠しないのだろうと思い始めたときが、不妊治療を始めるタイミングかもしれません。
不妊とは子どもを望む健康な男女が一定期間、性交しても女性が妊娠しないことを指します。この一定期間とは約1年程度の期間です。もちろん偶然の問題で妊娠しないのかもしれませんが、1年以上努力しているにも関わらず妊娠しない場合、どちらかまたはどちらにも妊娠しにくい問題があるとも考えられます。
不妊はデリケートな問題ですが、国も公に問題解決を応援しています。1人または2人で悩まず、不妊治療を行っている病院やクリニックを受診し相談してみましょう。
不妊治療は怖いことや悪いことではない
不妊治療と聞くとなんとなくマイナスなイメージが浮かび、特に女性は怖いと思うかもしれませんが、不妊治療は怖いものではありませんし、悪いことでもありません。それどころか、国が不妊治療の経済的な負担を軽減するための助成金を出すほど奨励しています。
しかし、女性が1人で不妊治療の相談に行くのは勇気が必要でしょう。子どもを望むのであれば、2人の問題として2人そろって不妊治療の相談に行きましょう。
男性の主な不妊の原因は?
過去においては女性が妊娠しないのは女性側に問題があるとされていた時代もありました。しかし現代では男性側に問題がある場合もあるとわかっています。
判明している主な男性側の問題には以下のものがあります。
- 造精機能障害
- 精路通過障害
- 性機能障害
造精機能障害
以下のような場合を造精機能障害といい、自然な性交では女性が妊娠しにくくなります。
- 男性の精子の数が少ない
- 男性に精子がない
- 男性の精子に元気がなく運動性が悪い
造精機能障害の原因として、精索静脈瘤により精巣内の温度が高くなっているケースが考えられます。
精索静脈瘤とは精巣から流出した静脈の集合体である内精索静脈を血液が逆流し、陰嚢やそけい管の静脈が異常に膨らんだ状態です。男性側に不妊の問題があるケースの約4割が、この精索静脈瘤によるものといわれています。
精路通過障害
精子は精巣で造られペニスの先端から排出されます。精路通過障害とは、この精巣からペニスの先端までの精子の通り道の途中に詰まった箇所があり、射精はできても精子の排出ができない状態です。
精路通過障害の原因として先天性の両側性精管欠損症・射精管閉塞などや、後天的な要因の精巣上体炎の影響などが考えられます。精路通過障害の男性が子どもを望む場合の一般的な不妊治療方法は以下の通りです。
男性がこれらの不妊治療をうけても、女性側にも問題があると子どもができにくい状況が続きます。
不妊治療を開始するときには男性・女性の双方の問題を明確にし、より良い治療方法を選択しましょう。
性機能障害
精機能障害には以下のような症状があります。
- 勃起できない
- 女性の膣内で射精できない
精機能障害は自然な性交での射精が難しい状態です。
男性側に問題がある不妊の約1割のこうした精機能障害の原因として、一般的にストレスや「妊娠させたい」というプレッシャーなどのメンタル的なものが考えられます。しかし、糖尿病などの物理的な原因もありますので、一概にメンタル面での状況改善だけでは成果が出ないケースもあります。
不妊の原因を探るためにも、年に1度は一般的な健康診断を受けましょう。
女性の主な不妊の原因は?
子どもを望む男女の10組に1組が不妊に悩んでいるといわれています。しかし近年では晩婚化や子どもを望む年齢の上昇などがあり実際には、より多くの男女が不妊の問題を抱えていると予測されます。
女性側の不妊の主な要因は以下の通りです。
- 排卵因子
- 卵管因子
- 頸管因子
- 免疫因子
- 子宮因子
以降の章では、それぞれの要因因子について詳しく解説します。
排卵因子
排卵因子では排卵が不妊の要因です。規則的に月経がある女性は、一般的に月経の約2週間前に排卵が起き、子宮は妊娠に向けた準備をします。しかし、月経が極端に不順な場合、月経があっても排卵が起きていない可能性があるのです。
排卵が起こらない原因として以下が考えられます。
- 甲状腺の病気など女性ホルモンを出す仕組みに影響を与える病気
- 極度の肥満または体重減少
- 男性ホルモンが高くなるホルモンのバランス異常
不妊の原因が排卵因子の場合、排卵が起こらない原因になっている病気を治療したり、異常を取り除いたりすることが不妊治療の始まりになります。
卵管因子
卵管因子では卵管が不妊に影響しています。卵管とは精子と結合した受精卵が子宮に戻るための通路です。この通路が詰まっていると受精卵は子宮に戻れませんので、女性は妊娠できません。
過去にクラミジア感染症になった方には、無症状のうちに卵管が詰まっている方もいます。また、極度の月経痛がある方は、子宮内膜症が潜在し卵管が詰まっている可能性があります。
これらは検査によりわかりますので、妊娠できるよう治療が可能です。
頸管因子
頸管因子では子宮頸管に不妊の原因があります。子宮頚管とは膣からの子宮の入口を閉じている筒状の部分で、排卵が近づくと精子が通りやすいように粘液が分泌されます。
このゲートのような子宮頚管が通りにくいと精子は卵子にたどり着くのが難しくなり、女性が妊娠しにくくなるのです。
免疫因子
免疫因子の場合、免疫が精子を異物として攻撃してしまいます。
人間の体には細菌やウィルスから体を守るために免疫という機能があります。この免疫が誤って精子を危険な異物として認識し抗精子抗体を作る場合があるのです。抗精子抗体に攻撃された精子は死んでしまったり弱ってしまったりして、卵子にたどり着けず妊娠しにくくなってしまいます。
子宮因子
子宮因子は子宮内膜の血流が悪かったり癒着があったりし、受精卵が子宮に定着できない状態です。
子宮因子の原因としては、先天的な形態異常・子宮筋腫・過去の子宮の手術・炎症などが考えられます。
秋田市の不妊治療事情は?
秋田県では「幸せはこぶコウノトリ事業」として、秋田県特定不妊治療費助成事業が実施されていますが、秋田市はこの対象ではありません。
ただ、県による「幸せはこぶコウノトリ事業」の対象でないだけで、不妊に悩む市民のために秋田市によってほぼ同じ内容の支援が行われています。以降の章では、秋田市の不妊治療事情をご紹介します。
令和4年4月から生殖補助医療が保険適用に
多くの不妊治療は健康保険の適用外で、不妊治療を望む男女にとって金銭面での負担は大きいものでした。この負担がストレスやプレッシャーとなり、不妊治療を中断してしまったり諦めてしまったりした方々もいらっしゃるでしょう。
しかし、令和4年4月から生殖補助医療が健康保険適用になりました。健康保険適用となるのは「一般不妊治療」といわれる不妊治療で、以下のような検査や治療に健康保険が適用されます。
この中でも人工授精は高額でしたので、不妊治療を望む方々にとって金銭面での負担が大きく軽減されると考えられます。
特定不妊治療を受けた場合医療費の自己負担分を一部助成
特定不妊治療を受けた場合の医療費の自己負担分の一部が市によって助成されます。
助成の対象となるのは以下の条件を全て満たす方々です。
この「夫婦」の定義には法律上では結婚してない事実婚も含みますので、籍を入れていない男女でも助成を受けられます。
不妊でお悩みなら医療法人ALCYあきたレディースクリニック安田にご相談を
秋田市とその近郊にお住いの方で、不妊でお悩みの方にご紹介したいのが「医療法人ALCYあきたレディースクリニック安田」です。
医療法人ALCYあきたレディースクリニック安田では、より多くの女性が安心して心身ともに健康な生活を送れる治療を心がけています。
以降の章で詳しくご紹介しますので、不妊にお悩みの方は1度クリニックにご相談ください。
できるだけ苦痛や痛みを取り除く検査を心がけている
生殖医療や不妊治療でクリニックを初めて訪れる方は、さまざまな不安や心配を抱えていらっしゃるでしょう。
医療法人ALCYあきたレディースクリニック安田ではできるだけ苦痛や痛みを取り除く検査を心がけ、年齢・不妊期間・検査結果を考慮しながら、患者さんのニーズに合った不妊治療を提供しています。
新しいレントゲン・CR設備でX線被曝を最小限にするように努めている
医療法人ALCYあきたレディースクリニック安田では検査の結果を迅速にお伝えし、適切な医療を受けていただけるよう各種医療機器を導入しています。
また体への影響を考え、常に新しいレントゲン・CR設備でX線被曝を最小限にするように努めています。
不妊治療は非常にデリケートで個人的な問題です。こうした情報が外部に漏れないように、入院・通院時の安全・安心の確保のためセキュリティ管理にも力を入れています。
体外受精・顕微授精などの高度生殖医療に対応
医療法人ALCYあきたレディースクリニック安田では体外受精・顕微授精などの高度生殖医療も行っています。
令和4年からの保険適用にも対応していますので、不妊治療をお考えの方は、ぜひ1度医療法人ALCYあきたレディースクリニック安田にご相談してみてはいかがでしょうか。
あきたレディースクリニック安田の基本情報
アクセス・住所・診療時間
JR東日本 土崎駅 徒歩10分
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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8:30〜12:30 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | - | - |
14:00〜18:00 | ● | ● | ● | ● | ● | ※ | - | - |
※:13:30〜15:30
参考文献