レーシックの値段の目安は？ICLとの違いもご紹介

レーシックの値段の目安

通常の医療行為とは異なり、レーシックは公的医療保険の適用外です。そのため、レーシックの値段は、病院やクリニックによって大きく差があります。
さらに、選択した術式やオプションで追加の施術をした場合には、基本の料金に加算されますので、値段が上がります。また、手術前の検査や手術後のケアにも料金がかかる場合がありますので、それらが加わることも値段が上がる要因です。
費用相場は、大きく差がある場合が多いので一概にはいえませんが、大体両眼20万円（税込）からプランを提供しているケースが多いようです。
レーシックの手術では、患者さんの眼の状態や処置の複雑さなどが個人で異なるため、医師は総合的に考えて術式を選びます。そのため、正確な値段を知りたいのであれば、まずは信頼できる眼科医に相談することをおすすめします。

レーシックは保険適用外

前述のとおり、レーシックは保険適用外です。これは、レーシックが複数ある治療の選択肢のひとつだからです。そのため、レーシックは、一般的な医療保険の範囲外になります。
しかし、レーシックは医療費控除の対象になっています。ですからもし、少しでもレーシック手術のコストを抑えたいのであれば、医療費控除制度を利用するようにしましょう。
医療費控除は、確定申告を行う際に1年間で負担した医療費の合計が10万円を超えた場合に適用されます。医療費控除申請には、領収書が必要ですので、必ず領収書は保管しておきます。
では、一般の医療保険はどうでしょう。これまでの基本的な保険では、レーシックの手術費用は適用外扱いになる場合が多いです。
しかし近年レーシックへのニーズが増えてきたことと、症例が増えたことにより、保険対象になる商品も出ています。

レーシックとICLの違い

近視や遠視の矯正手術でレーシックと比較されることが多いのはICLです。ICLは、眼内コラマーレンズとも呼ばれる人工レンズのことです。
ICLの手術では、眼内に透明なICLを挿入し、眼の矯正を行います。レーシックとICLは、視力の安定性に違いがあります。
ICLは交換やメンテナンスの必要がなく、1回の手術で永久的にレンズは挿入されていますので視力が長期で安定しやすいことが特徴です。一方レーシックは、術後数年が経つと、近視が少し戻ってしまうことがあります。
また、見え方にも若干の違いがあります。ICLは角膜を削らずに眼内レンズで視力を矯正しますが、角膜を削って視力を調整するのがレーシックです。
そのため、角膜の屈折を変化させる際の少し歪みが原因で、コントラストや見え方に変化がある可能性があります。

軽度の近視にはレーシックが向いている

一般的に軽度の近視に対しては、レーシックが向いているといわれています。レーシック手術では、軽度の近視が最も高い成功率をあげています。
そのため多くの方が、明確で快適な視力を得られると選択するのがレーシックです。またレーシック手術では、角膜の中心部分にフラップを作成してレーザーで組織を除去することで近視を矯正します。
軽度の近視の場合は、角膜の組織の除去量が少なくてすみますので、角膜の厚さを保持しながら効果的に矯正できます。

重度の近視にはICLが向いている

ICLのメリットのひとつは、症状の適応範囲が広いということです。ICLを眼内に装着することで、度数の調整をするため、中等度から強度までの近視まで対応できます。
一方レーシックは、強すぎる近視には適用できません。レーシックは、角膜を削って矯正をする手術です。強すぎる近視の場合は、ある程度の角膜の厚さがないと削ることができませんので、対応できない可能性があります。

レーシックは元に戻せない

ICLは、一般に使われているコンタクトレンズを眼内に入れるとイメージするとわかりやすい手術です。一度眼内に入れたICLは永久的に挿入されたままにできますが、取り出すこともできます。
そのため術後の見え方が満足いかなかったり、将来眼の病気にかかって治療が必要となったりした時には、レンズを取り外せます。
一方レーシックは、角膜を直接レーザーを使って変形させることで調整する手術です。そのため一度形を変えた角膜は、元に戻せません。

ICLはレーシックより値段が高額

レーシックは、両眼で20万円から50万円（税込）くらいになります。
ICLは、両眼で約40万円から60万円（税込）くらいになり、レーシックよりも高価です。レーシックもICLも共に保険適用外です。

レーシックの手術の流れ

レーシックの手術を検討する時には、最初に眼科医に相談します。眼の状態やレーシックでの対応か可能かをプロの目で判断してもらいます。次に行うのは検査です。
これは、手術の適格性を判断するためのものです。検査には、眼の計測・角膜の厚さの測定・眼底検査・視力テストなどがあります。
手術が決まったら日程の調整をします。手術の準備として、前日に行うことは、コンタクトレンズの使用中止です。レーシック手術当日、手術室に入ると麻酔目薬や鎮静剤が点眼されます。
眼科医はレーザーを使用して角膜にフラップを作成します。フラップが作成されると、レーザーを使用して行うのが、角膜組織の除去です。角膜の形状の修正が終わると、フラップが元の位置に戻され、手術は終了です。

麻酔

レーシック手術では麻酔が使われます。麻酔の効果は、眼球の表面を麻痺させるためです。一般的には、2つのタイプの麻酔があります。
レーシックで多くの場合に使われるのが、局所麻酔です。麻酔の目薬を点眼することによって眼球の表面を麻痺させます。麻酔によって、手術中に痛みや不快感が軽減します。場合によって使用されるのが、注射麻酔です。
注射麻酔は、局所麻酔と共に使われます。注射麻酔は、眼の周囲に麻酔薬を注入することで、より強力な麻酔効果が期待できます。

フラップ作成

フラップとは、角膜の表面に作られる薄い皮膚のような層のことです。フラップを作成することで、角膜の下にアクセスしレーザーによる視力矯正を可能にしています。
フラップ作成では、レーザーを使用するのが一般的です。フラップは、角膜の表面に作られます。まず、角膜の上層にレーザーを照射して微細な切開を作り、その後で切開したフラップを丁寧にめくります。そのほかにあるのが、フェムト秒レーザーを使用したフラップ作成です。
この方法は、フェムト秒レーザーと呼ばれる特殊なレーザーを使用します。レーザーパルスを使用して、フラップを作成するために角膜組織を層ごとに分離します。フェムト秒レーザーが使われるのは、非常に短いパルスでレーザーを発生させるからです。
フラップが作成された後、フラップは一時的にめくられて、露出した角膜組織をレーザーで形状修正したり、レーザーによる視力矯正の処理をしたりします。
修正が完了したら、フラップを元の位置に戻します。フラップは自然に癒着するので、縫合などの必要はありません。

レーザー照射

レーザー照射で行うのは、角膜組織の形状の修正です。レーシック手術では、エキシマレーザーがよく使われます。エキシマレーザーを使うと、角膜の表面層に対して精密なレーザー照射ができます。
エキシマレーザーで使われるのは紫外線領域の光で、分子結合を切断し、角膜組織を蒸発させたり除去したりします。これによって、近視の場合は角膜の中央部分を平坦にして調整を行います。
より短いパルスのフェムト秒レーザーは、フラップの作成のみに使われる場合がほとんどです。レーザー照射は、非常に短時間で行われ、その時間はわずか数十秒から数分程度です。
麻酔もかけていますので、患者さんが痛みを感じることはありません。

洗浄

レーシック手術では、手術の前後に眼の洗浄を行います。洗浄の目的は、手術時に目の表面を清潔に保ち、手術後の快適な回復を促進することです。
手術前の洗浄は、レーシック手術の前日や手術当日の手術前に行います。これは、特定の洗浄液や目薬を使用します。手術前の洗浄の目的は、目の周りの皮膚やまつ毛の付着物を取り除き、手術中に菌や異物のリスクを減らすことです。
手術後は、患者さんが自ら指導された手順で、定期的な洗浄を行います。これも、特定された洗浄液や目薬を使い行います。手術後の洗浄は、術後の不快感や乾燥を緩和させ、眼球の回復を支援するのが目的です。

レーシックを受けられない方

レーシックは、希望すれば誰でも受けられる手術というわけではありません。いくつかの制約条件があります。
まずは、年齢です。眼の成長がある程度落ち着いている方であれば良いのですが、そうでない場合はその後の影響が大きくなる可能性があるため、レーシックは受けられません。
また、眼の健康状態によっては断念せざるを得ない場合があります。重度の乾燥症候群・眼瞼痙攣・角膜炎・緑内障などが代表的です。
さらに、妊娠または授乳中の方は控えた方が良いでしょう。レーシック手術によってホルモンに影響が出る可能性があります。では実際にはどのような方がレーシックを受けられないのかを詳しく説明します。

18歳未満の方

多くの病院やクリニックで設けているのが年齢制限です。大多数のレーシック手術は、18歳以上の成人に対して行うことを推奨しています。
これは、目の成長途中の場合は、その成長に影響を与える可能性が大きいことが原因です。レーシックにはある程度の安定した眼の状態が好まれます。
若い年齢では視力がまだ変化しやすいので、検査結果による施術の内容も安定しません。18歳未満で手術を受けたい場合は、担当医師とよく相談することをおすすめします。

角膜が薄い方

レーシックは、一般的に軽度から中程度の近視・遠視・乱視に適しているといわれています。
しかし非常に高度な屈折異常を持つ人であったり、角膜の残厚が不十分であったりした場合は、レーシックに適しません。
また、近視度数に対して角膜の厚みが薄い場合も効果を出せないため、不適応となる場合があります。
角膜の厚さは、術前検査と診察で判断します。角膜の厚みが薄い方や角膜形状に問題がある場合は、ICLなどの別の視力矯正手術が行われ、レーシックは行いません。

重篤な目の疾患がある方

すでに眼に病気を持っている場合は、レーシックが受けられない可能性があります。
例えば、白内障・網膜疾患・緑内障などです。しかし、症状によっては手術が可能となる場合もあります。自分が眼の疾患があると事前にわかっている場合は、主治医のレーシックが可能かどうかを判断してもらい、診療情報を提供してもらいます。

糖尿病など全身疾患がある方

全身に重篤な内科的疾患がある場合は、レーシックができない可能性があります。
例えば、重度な糖尿病や膠原病などです。その以外でも、精神系やホルモン系の薬を服薬されている場合は、レーシックを受けられない可能性が高くなります。そのような患者さんがレーシックを行いたい場合は、事前に疾患の担当医と相談し、レーシックを行うことの検討を行います。
そこで行うのは、レーシックを受けることで本来の治療に影響を与えないかを主治医に確認することです。またレーシックでは、手術中・手術後の一定期間にステロイド点眼薬を使用するため、その確認も必要です。

レーシックが向いている方

レーシックは、視力が悪いことが原因で、日常生活に何らかの支障をきたしていたり、近視・遠視・乱視で悩んでいる方にはおすすめしたい手術です。
前述した条件に該当せず、レーシック手術が受けられるのであれば、非常に手軽でその後のストレスが軽減される解決法です。
特に視力の悪さが要因で肩こりや眼精疲労を普段から感じている方にとっては、レーシック手術を行うことで、それらの症状が緩和する可能性があります。

短時間で治療を受けたい方

レーシックは、術前の検査や術後のケアを加えたとしても、非常に短時間で行える手術です。
そのため、短時間で近視・遠視・乱視から解放されます。術後のケアが的確に終われば、その後に煩わしい手間がかかることもありません。

裸眼で生活したい方

軽い近視・遠視・乱視であっても、視界をクリアにするには、メガネやコンタクトレンズの装着は不可欠です。
しかし、実際の生活のなかで、これらは邪魔になったり、手間がかかったりしてしまいます。視力が十分に健全であった頃のように裸眼で過ごすことはできないでしょうか。
こういった悩みを抱えている方にとってはレーシックは非常に手軽で有効な手段です。