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【飛蚊症】これが見えたら危険!? 黒いゴミに潜む罠

 更新日:2023/03/27

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副編集長の佐藤あやが、気になる医療情報を専門医に聞く対談企画。今回は飛蚊症について日本眼科学会眼科専門医・イナガキ眼科の稲垣先生に徹底解説いただきました。

稲垣 圭司医師

監修医師
稲垣 圭司(イナガキ眼科 院長)

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順天堂大学医学部卒業。聖路加国際病院眼科でフェローを経た後に順天堂大学医学部・大学院医学研究科眼科学修了。聖路加国際病院眼科にて、医局長や副医長などを歴任。2020年、千葉県浦安市に位置する「イナガキ眼科」の院長を父親より継承。レーザーを中心とした「安全で丁寧な手術」に努めている。医学博士。日本眼科学会眼科専門医。日本網膜硝子体学会会員。

佐藤あやさん

佐藤あや(「Medical DOC」副編集長)

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モデル。最新医療に関心が高く、2021年8月から「Medical DOC」副編集長に。YouTubeチャンネル『教えてドクター・Medical DOC』でMCとして活動。一児の母としての目線にも注目。

飛蚊症は市販の目薬では治らない!? 飛蚊症の治療法について徹底解説

飛蚊症は市販の目薬では治らない!? 飛蚊症の治療法について徹底解説

佐藤あやさん佐藤あや

飛蚊症とはどんな病気ですか?

稲垣 圭司医師稲垣先生

目の前に黒いものやゴミが飛んでいるように見える症状を飛蚊症といいます。晴れた日の青空を見たときや、白い壁などを見たときに濁りを自覚することが多いですね。瞬きをしても消えることがなくて暗い部屋に行ったとき症状が軽減される特徴があります。

佐藤あやさん佐藤あや

どういう原因で飛蚊症になることが多いのですか?

稲垣 圭司医師稲垣先生

硝子体は生まれたときは目の内側の壁にくっついていますが、歳の変化とともに硝子体がゲル状の物質からサラサラした水のようなものに変化していきます。そうすると内側の壁から徐々に剥がれていって、剥がれた硝子体が目の中をさまよったり浮いたりして飛蚊症として症状が現れます

佐藤あやさん佐藤あや

飛蚊症になってしまった方は治りますか? また、治療法を教えてください。

稲垣 圭司医師稲垣先生

歳を重ねることで出てくる生理的な飛蚊症は、様子を見ていて大きな問題はありません。ただ、飛蚊症の症状が強くいつも気になっている場合は、硝子体手術という手術治療やレーザー治療を行うことがあります

佐藤あやさん佐藤あや

治療法もあるのですね。目薬で飛蚊症は治りますか?

稲垣 圭司医師稲垣先生

点眼治療で改善することは難しいものになっています。自然に症状が軽くなることもありますが、飛蚊症が完全に治るということはなかなか難しいのです。

佐藤あやさん佐藤あや

治療したら治るものなのでしょうか?

稲垣 圭司医師稲垣先生

生理的な飛蚊症でも、例えば硝子体の濁りをレーザーで飛ばし、濁りを分散させて症状を軽減させたり、硝子体そのものを硝子体手術という治療法でとってしまったりすることがありますが、手術を行ったとしても多少は飛蚊症の症状は残ります。気にならない程度にはなると思います。

佐藤あやさん佐藤あや

そこまで重症ではない場合は病院に行かず放置しても大丈夫なのですか?

稲垣 圭司医師稲垣先生

歳の変化に伴う生理的な飛蚊症と網膜剥離といわれる最悪失明につながってしまうような病気や、出血に伴う病的飛蚊症をご自分で区別することは難しいと思います。飛蚊症が急激に悪化した場合は一度眼科を受診していただいて眼底検査を受けていただくことが重要です。網膜剥離は早期に治療を行えば、視力を低下させずにほとんど元通りに治すことができますが、物を見る黄斑という場所まで網膜剥離が進行してしまうと、失明につながる原因になったり、手術を行っても視力が戻らなくなったりするので、飛蚊症が気になるという方は、一度でいいので眼科を受診していただいたほうがいいと思います。

飛蚊症と網膜剥離、ICL手術との関係性

飛蚊症と網膜剥離、ICL手術との関係性

佐藤あやさん佐藤あや

網膜剥離について改めて教えてください。

稲垣 圭司医師稲垣先生

目の内側の壁にある網膜というフィルムにあたる組織が、硝子体のゼリーで引っ張られて穴が開いたり亀裂が入ったりすると、内側の壁から網膜が剥がれてきてしまいます。これを網膜剥離といいます。フィルムが剥がれてしまうわけなので、視野が欠けてきたり視力低下を起こしたりする場合があります。

佐藤あやさん佐藤あや

飛蚊症から網膜剥離になるということですか?

稲垣 圭司医師稲垣先生

飛蚊症の症状が特に強くなるときは、硝子体が網膜を引っ張って穴があいてしまったときなのです。網膜にできた穴を網膜裂孔といいますが、網膜裂孔からたくさん色素が出てきて、飛蚊症として自覚することが多いので、飛蚊症が急激に悪化した際は網膜剥離を発症している可能性があります。

佐藤あやさん佐藤あや

網膜剥離に進行するにはどれくらい期間がかかるのですか?

稲垣 圭司医師稲垣先生

網膜剥離の重症度によります。硝子体剥離が起き、大きな網膜裂孔という穴が形成されたときには急激に網膜剥離が進行して、1日で全ての網膜が剥がれてしまうケースもあるので、飛蚊症が悪化した際は早急に受診していただくことが重要かと思います。

佐藤あやさん佐藤あや

20代とか若い方でも生理的原因ではない飛蚊症の場合もあるのですか?

稲垣 圭司医師稲垣先生

飛蚊症というのは幅広い世代で起きますが、20~30代などの若い世代で注意しなければいけない病的飛蚊症の代表として、実は網膜剥離による飛蚊症があります。近視の強い方というのは正常な方に比べて、網膜に弱い部分ができやすいのです。網膜裂孔という穴が網膜剥離につながりますので、レーシックや眼内コンタクトレンズ治療といわれる屈折矯正手術を受けたいと思っている方で飛蚊症が強い場合は、網膜剥離などを合併する可能性が高いですから眼底検査を受けることが重要かと思いますね。

佐藤あやさん佐藤あや

強度近視でICL手術を受ける方も多いと思いますが、網膜剥離や飛蚊症を発症することが多いのですか?

稲垣 圭司医師稲垣先生

ICL手術を受けてから網膜剥離や飛蚊症が悪化するという訳ではなくて、ICL手術を受けるような近視が強い方に網膜剥離や網膜裂孔といった病気が多いので、ICL手術を受ける前に治療しておくことが大切になります。

佐藤あやさん佐藤あや

治療費の相場はいくらぐらいですか?

稲垣 圭司医師稲垣先生

生理的飛蚊症の場合は保険診療が使えないので、飛蚊症自体を取り除くというのは硝子体を除去するという手術に近いものがあります。硝子体手術やレーザー治療を行えば治すことはできますが、レーザー治療は自費になり、硝子体の濁りをレーザーで分散させて濁りを軽減させるという治療です。約10万円程度になっています。保険診療を使った硝子体手術の場合は原疾患によって値段が違いますが、3割負担で約15~20万円程度の治療費になることが多いですね。単純な飛蚊症は10万円程度で受けられるケースもありますので、受けていただくクリニックに確認いただけたらと思います。

この記事の監修医師