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頭痛に違いはある?頭痛の種類や治療方法について解説

 公開日:2024/08/29
頭痛に違いはある?頭痛の種類や治療方法について解説

頭痛は多くの方にとって身近な症状でしょう。それゆえに頭痛の症状があっても「病院に行くほどではない」「市販薬で対処できる」などと自己判断して、治療を後回しにしている方も多いのではないでしょうか。

実は、頭痛には大きく分けて一次性頭痛と二次性頭痛の2種類があります。この違いを理解しないまま、たかが頭痛と軽く見ていると命に関わるケースもあります。

今回の記事では一次性頭痛と二次性頭痛の違いを中心に、早急に受診すべき「怖い頭痛」も解説します。

髙橋 充

監修医師
髙橋 充(高輪みつるクリニック)

プロフィールをもっと見る
2012年、獨協医科大学医学部卒業後、横浜市立大学附属市民総合医療センターや武蔵野赤十字病院救命救急科、中村記念病院脳神経外科で経験を積み、2022年8月、東京都港区高輪に「高輪みつるクリニック」を開院、院長となる。日本救急医学会救急科専門医、日本医師会認定産業医、日本集中治療医学会集中治療専門医、日本頭痛学会頭痛専門医。日本脳神経外科学会、日本脳神経血管内治療学会、日本アレルギー学会所属。

頭痛の違い

頭痛の違い
頭痛とは頭部の一部あるいは全体の痛みの総称であり、後頭部と首の境界(後頸部)・眼の奥の痛みも頭痛として扱います。頭痛は国際頭痛分類第3版(ICHD-3)で以下の3種類に大別されます。

  • 一次性頭痛症
  • 二次性頭痛
  • 有痛性脳神経ニューロパチー、ほかの顔面痛およびその他の頭痛

頭痛の診断で重要なのは、一次性頭痛と二次性頭痛の鑑別です。一次性頭痛と二次性頭痛では原因・緊急性・治療方法などが大きく異なるため、医師には注意深く迅速な診断が求められます。
なお、有痛性脳神経ニューロパチー、ほかの顔面痛およびその他の頭痛に分類される顔面痛とは、顔・舌に関わる三叉神経が圧迫されるなどの要因で顔面の痛みを発症する病気です。

一次性頭痛の特徴

一次性頭痛は、日常的に起こる頭痛を指します。ほかに病気が隠れていないため、頭痛そのものを治療すれば改善が見込まれる頭痛です。

  • ストレス
  • 生活習慣
  • 姿勢
  • 市販鎮痛薬の使用過多など

一次性頭痛の原因はさまざまで、生理的なもの、心因性のものなどが考えられます。原因の特定は困難ですが、患者さん自身が頭痛の記録をつける『頭痛日記』が診断の手助けになることがあります。

二次性頭痛の特徴

二次性頭痛は、脳の病気など頭痛以外の病気が原因で起こる、いわゆる「怖い頭痛」を指します。
二次性頭痛を引き起こす病気にもさまざまな種類がありますが、以下のような症状が出ている際は注意が必要です。

  • 今までに感じたことのない激しい頭痛
  • 手足の麻痺・しびれ・痙攣
  • 激しい嘔吐
  • 急な高熱など

くも膜下出血・脳腫瘍・脳血管障害など、危険な病気が隠れているケースがあるため、早急に病院で診療を受けましょう。

一次性頭痛の種類

一次性頭痛の種類
一次性頭痛はほかに病気が隠れていない頭痛で、日常のなかで繰り返し痛みが出る特徴があります。
一次性頭痛に分類される頭痛にはそれぞれどのような特徴があり、どのような治療が選択されるのか解説します。

片頭痛

片頭痛は、血管が拡張することでドクンドクンと脈打つような痛みが生じるのが特徴です。日常生活に支障が出る程度の痛みが頭部の片側に現れる頭痛ですが、40%の患者さんは頭部の両方に痛みを感じるといわれています。
痛みが出る前にキラキラした光・ギザギザの光が見えるなどの前兆が現れるケースもあり、前兆の有無で「前兆のない片頭痛」「前兆のある片頭痛」の2つのタイプに分類されます。

片頭痛の原因・悪化させる要因には以下のようなものが挙げられます。

  • 精神的因子:ストレス・ストレスからの解放・疲れ・睡眠の過不足
  • 内因性因子:月経周期
  • 環境因子:天候の変化・温度差・におい・音・光
  • ライフスタイル因子:運動・血色・性的活動・旅行
  • 食事性因子:空腹・脱水・アルコール・特定の食品

治療には、痛みが強い場合はトリプタン、軽度の場合は非ステロイド性抗炎症薬・アセトアミノフェン、予防薬には塩酸ロメリジン・バルプロ酸などが処方されます。

緊張型頭痛

緊張型頭痛とは、圧迫されるような締め付けられるような痛みが特徴の頭痛です。一次性頭痛のなかでも多い頭痛で、世界人口での有病率は38%にのぼります。

発症の頻度によって細分化され、頭痛が月に15日未満の場合は反復性、3ヵ月を超えて平均して1ヵ月に15日以上頭痛を発症する場合は慢性とされます。
反復性、かつ痛みが強くない場合は治療は不要ですが、慢性で生活に支障が出ている場合は鎮痛薬で治療します。

群発頭痛

群発頭痛は、眼周囲・前頭部・側頭部にかけての激しい痛みが数週から数ヵ月の期間群発する頭痛です。夜間や睡眠中に痛みが出て、以下のような症状を伴います。

  • 眼の充血
  • 涙・鼻水が出る
  • 鼻が詰まる
  • まぶたが下がるなど

また、頭痛発作中は落ち着かない・興奮した状態になるのが特徴です。治療方法は発作に対するスマトリプタンの皮下注射・酸素吸入などの治療と、予防療法としてのベラパミル・副腎皮質ステロイドなどでの治療がよく選択されます。群発頭痛に鎮痛剤は無効です。

三叉神経・自律神経性頭痛(TACs)

三叉神経・自律神経性頭痛(TACs)は、群発頭痛を中心とした三叉神経・自律神経に起因する頭痛です。頭痛に結膜充血・流涙などの自律神経症状を伴う点が特徴です。以下の頭痛が該当します。

  • 群発頭痛
  • 反復性群発頭痛
  • 慢性群発頭痛
  • 発作性片側頭痛など

上記の頭痛は頭痛発作の頻度・持続時間・症状などから分類されます。
群発頭痛急性期にはトリプタン、発作性片側頭痛にはインドメタシンなど、有効な薬剤が異なることも知っておきましょう。

二次性頭痛を引き起こす主な病気・原因

二次性頭痛を引き起こす主な病気・原因
二次性頭痛はほかの病気・けがによって二次的に発生している頭痛です。二次性頭痛は国際頭痛分類第3版(ICHD-3)で以下の8つのグループに分類されます。

  • 頭頸部外傷・障害による頭痛
  • 頭頸部血管障害による頭痛
  • 非血管性頭蓋内疾患による頭痛
  • 物質またはその離脱による頭痛
  • 感染症による頭痛
  • ホメオスターシス障害による頭痛
  • 頭蓋骨・顎・眼・耳・鼻・副鼻腔・歯・口あるいはその他の顔面・頸部の構成組織の障害による頭痛または顔面痛
  • 精神疾患による頭痛

今回は二次性頭痛のなかでも早急な治療が求められる危険な頭痛を解説します。

くも膜下出血

くも膜下出血は脳を覆うくも膜下腔に出血を起こしている状態で、進行が早いために死亡リスクも高い病気として知られています。
くも膜下出血にともなう頭痛は非血管性頭蓋内疾患による頭痛と呼ばれ、「今まで経験したことのない激しい頭痛」が現れる特徴があります。
くも膜下出血に起因する頭痛が疑われる場合は、脳血管の再破裂を回避するために非麻薬性中枢性鎮痛薬静脈注射の対処が取られるのが一般的です。

脳腫瘍

脳腫瘍(のうしゅよう)とは、脳の内部にできるできものの総称です。このできものが大きくなると以下のような症状が現れます。

  • 頭痛
  • 吐き気・嘔吐
  • 手足の動きが悪い
  • 呂律がまわらない
  • 文字・計算の理解ができない

頭痛は脳腫瘍で必発する症状ではなく、ほかの頭痛と識別できる特徴もありません。そのため頭痛の原因が脳腫瘍と特定するためには、画像検査が必要となります。
治療は脳腫瘍の性質・発生部位・患者さんの状態から判断し、外科的摘出・化学療法・放射線療法などを組み合わせて行います。

精神疾患

精神疾患は、身体的な症状として頭痛が出やすい特徴があります。頭痛を引き起こす精神疾患は以下があります。

  • うつ症
  • 分離不安症・分離不安障害
  • パニック症・パニック障害
  • 限局性恐怖症
  • 社交不安症・社交不安障害
  • 全般不安症・全般不安障害
  • 心的外傷後ストレス障害(PTSD

精神疾患に伴う頭痛の診断は、精神科・心療内科の医師と連携して行います。なお、精神疾患による頭痛は、頭痛が原因で精神疾患を発症しているケースとは明確に区別されます。

外傷

頭痛が現れる外傷には以下の外傷が挙げられます。

  • 頭部外傷
  • むち打ち
  • 開頭術

頭の外傷後に現れる頭痛にほかの頭痛と識別できる特徴はなく、緊張型頭痛・片頭痛とよく似た症状が見られます。特に頭部外傷後の頭痛の症例は多く、受傷後の発生率は30〜90%といわれています。

感染症

頭痛と同時に以下の症状が見られる場合、感染症による頭痛が疑われます。

  • 発熱
  • 悪心(吐き気)
  • 嘔吐
  • 傾眠(意識の混濁)
  • 痙攣

感染症に伴う頭痛は、頭蓋内感染症・全身感染症の2つに大別されます。
細菌性骨髄炎・ヘルペス脳炎など、大変危険な病気が隠れていることもあるため、迅速かつ的確な診断と治療が必要です。治療では、感染症の治療を優先的に行います。

頭痛外来での頭痛治療

頭痛外来での頭痛治療
ここまで紹介したように、頭痛はその原因・症状・期間などで細かく分類されます。そのため、相応の知識を持った医師でなければ詳細な診断をつけることは難しい現状があります。
頭痛の診療を受ける際は、日本頭痛学会が認定した頭痛専門医がいる頭痛外来で受けることが望ましいでしょう。

頭痛外来では、頭痛治療のためのアルゴリズムに従った問診・画像解析などで正確な診断を行い、適切な薬剤の処方・隠れた病気の治療などの方法で患者さんの頭痛を改善しています。

頭痛でお悩みなら高輪みつるクリニックにご相談を

高輪みつるクリニック外観
ここまで、頭痛の違いや、怖い頭痛などについて解説してきました。「受診する程の頭痛かわからない」と不安を抱える方へ、東京都港区高輪の高輪みつるクリニックをご紹介します。

高輪みつるクリニックは緊急医療に精通した医師・看護師が常駐している医院で、院長の髙橋充先生は日本頭痛学会 頭痛専門医です。この不調は何科に通えばいいかわからないという方でも、安心して受診できる医院です。

高輪みつるクリニックの特徴について紹介します。

しつこい頭痛やめまいなど受診科に迷う症状にも対応

高輪みつるクリニック院長
患者さんは日常のなかでさまざまな症状・病態を抱えていますが、患者さん自身での診療科・重症度の判断は難しいでしょう。

高輪みつるクリニックは、そんな患者さんの不安を受け止める医療体制が整っています。救急科・一般内科・外科・脳神経外科・整形外科・小児科など幅広い科目を設け、「何科にかかればよいのかわからない」「この位で病院にかかってもよいのか」と迷う患者さんを快く受け入れているそうです。

CT検査機器完備でより詳細な画像診断が可能

高輪みつるクリニックはCT検査機器を完備しており、必要とあればいつでも画像診断が可能です。

頭痛の診断は、詳細な画像診断が重要となります。特に「怖い頭痛」である二次性頭痛の診断には有効とされ、死亡リスクの高いくも膜下出血の迅速な診断にもつながります。

夜間や深夜・休日も適宜診療を行う地域のかかりつけ医

頭痛は生活の質・仕事の生産性に大きく関わる症状であるため、いち早く改善したいものでしょう。高輪みつるクリニックでは、平日は仕事・学業に追われる患者さんでも受診しやすいよう、月・木曜日は朝8時から、月・金曜日は夜8時まで診療し、夜間・深夜・休日も適宜対応しています。

高輪みつるクリニックの「診療科・重症度の垣根を超え、患者さんの不安を取り除こう」とする医療姿勢は、救急医療に長く携わってきた髙橋先生の想いから実現されているそうです。

ひとりで原因不明の頭痛に悩んでいる患者さんは、一度受診をしてみてはいかがでしょうか。

高輪みつるクリニックの基本情報

アクセス・住所・診療時間

京急線・都営浅草線 泉岳寺駅A3出口より徒歩1分
JR線 高輪ゲートウェイ駅より徒歩8分

都営バス 泉岳寺前バス停より徒歩3分

東京都港区高輪2-16-10

診療時間
9:00~13:00 ●※
16:00〜19:00

休診日:火・土曜午後・日・祝
△…8:00~13:00(月・木は朝8時から診療)
▲…16:00~20:00(月・金は夜8時まで診療)
※第1,3,5土曜日の診療時間は9:00~12:00、第2,4土曜日の診療時間は9:00~12:00、13:00~16:00です。
※最終受付は診療終了の30分前となります。
※症状や状況により、スタッフが緊急性を判断し、受付終了時間以降も対応させていただく場合もございます。

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