FOLLOW US

目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. 薬に関するコラム
  4. 「AGAの検査方法」はご存知ですか?治療薬や治療法についても解説!

「AGAの検査方法」はご存知ですか?治療薬や治療法についても解説!

 公開日:2023/06/08
「AGAの検査方法」はご存知ですか?治療薬や治療法についても解説!

ふと鏡を覗き込んだときや最近抜け毛が多いと感じたとき…「これってもしかしてAGA?」そのような疑問を感じてしまったあなた。

一口に抜け毛といっても実はさまざまな原因が考えられますので、まずは抜け毛の原因を正確に把握する必要があります。

中でも最近よく聞くようになったAGAは「Androgenetic alopecia」の略で、男性型脱毛症と呼ばれるものです。

もしあなたの薄毛・抜け毛がAGAだった場合、早期診断・早期治療が大変重要です。

なぜならAGAは「男性ホルモンの影響により毛髪の成長する周期が短縮される進行性の病気」だから。

そして「人間の生涯において細胞から毛髪が生えかわる回数は決まっており、それが終わったら決して生えることはない」からです。

この記事では「AGAの検査はどうやって受けるの?」「AGAだと診断されたらどうやって治療するの?」といった疑問を解決致します。是非参考になさってください。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

プロフィールをもっと見る
名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

AGAの検査はどこで受けられる?

医者
薄毛・抜け毛の原因がAGAなのか、もしAGAだとしたらどの程度進行しているのかを客観的なデータにより判断することが大切ですので疑わしいと感じたらまずは検査を受けて頂くことをおすすめします。
検査の具体的な方法は以下の3通りですので、ご自身に合った方法で受けましょう。

検査キットの取り寄せ

「病院に行ったり医師と話す時間がない、あるいは面倒だ」・「誰にも悩みを知られたくない」など、ご自身によってAGA検査を行いたい方には検査キットを取り寄せるという方法があります。
具体的には取り扱いのあるクリニックや通販サイトなどで購入し送られてきたキットに毛髪や唾液・口から採取した粘膜などを封入して返送するといったもので、男性ホルモンの量を測定したり遺伝子検査をしたりすることでAGAのリスクを判定します。費用は安くて数千円、高いと2万円以上というものまでさまざまです。自宅で誰とも話すことなく検査できるのがメリットですが、結果が出るまで数週間から2ヶ月ほどかかるというデメリットもあります。
また結果自体の正確性も参考程度にとどめておいたほうが無難だと考えられるため、ご自身の状況をしっかりと把握して治療に臨みたいという方にはおすすめできません。

皮膚科

多くの病院・医院においてAGAの検査を受けるためには皮膚科を受診すべきです。近年ではAGAに対する認知度や需要の高まりを受けて脱毛症外来やAGA外来を開設している病院も多く、より専門的な検査を安心して受けられるようになってきました。
「遠方まで行く時間がない」・「オンライン診療は不安」といった方は、まずはお近くの皮膚科まで「AGAの検査や治療を行っているか」問い合わせてみることをおすすめします。

AGA専門クリニック

「とにかくAGAに詳しい医師にかかりたい」・「通院することなくオンラインで検査を受けたい」・「なるべく費用を抑えたい」といった方におすすめできるのがAGA専門クリニックです。文字通りAGAのみを取り扱っているため、医師を始めとしたスタッフに豊富な経験とそれに裏打ちされた知見が期待できます。
またカウンセリングから治療までのプロセスが洗練されており、費用も比較的抑えられているのが特徴です。ただし通院の要否・治療方針・費用など千差万別ですので、ウェブサイトをよく見て疑問点については問い合わせるなどしっかりと比較検討なさってください。

AGAの検査でわかること

検査
定したり男性ホルモンの量から薄毛の原因がAGAなのかを診断し、その上で投薬治療が可能かどうかを総合的に判断します。以下で詳しく見ていきましょう。

遺伝的に薄毛のリスクがあるか

一般的によくいわれることですが、やはり薄毛になるリスクには遺伝の影響が大きいと考えられます。このため遺伝子検査によって薄毛となるリスクの度合いや治療の効果を予測することには一定の有効性が認められます。検査の方法としては血液検査が一般的ですが、粘膜や毛髪・爪などを採取する場合もあるようです。

薄毛の原因がAGAであるかどうか

本記事の冒頭でもお伝えした通り、薄毛のすべてがAGAというわけではありません。薄毛、つまり脱毛症は以下の2つに大別されます。

  • 毛包に対する自己免疫疾患
  • 毛が生え変わる周期が乱れてしまい抜け毛が多くなるもの

前者の代表例が円形脱毛症です。いっぽうAGAは後者に分類されるものであり、男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)の働きによって毛髪の成長期が短縮され、その結果毛髪が細くなり最終的に生えなくなってしまうという病気です。このため採取した毛髪などからDHTの量を測定し、AGAかどうか判定することとなります。

投薬治療が可能かどうか

AGAは投薬による治療が一般的ですが、どの薬にも副作用があることが確認されています。このため投薬治療が禁じられている場合や、検査・カウンセリングの結果を踏まえ避けるべきという判断がなされる場合があるのです。もちろん可能と判断された場合であっても、医師の処方に従い正しく服用してください。

AGAの治療薬

薬を飲む
薄毛や抜け毛の治療法というと頭皮への塗り薬をイメージする方が多いかもしれませんが、実は錠剤やカプセル剤を服用する方法がAGA治療の基本です。
内服薬としては以下の3種が多く用いられますので、それぞれの特徴や価格などについて理解した上で医師と相談し処方してもらうようにしてください。

プロペシア

プロペシア錠はAGA治療薬として最も多く用いられている薬です。有効成分のフィナステリドにはDHTの合成を抑制する働きがあり、毛髪の成長サイクルを正常化に導きます。AGAに対して高い治療効果が認められている反面まれではありますが性欲減退・勃起機能不全・肝機能障害などの副作用が報告されていますので、そういった症状があらわれた場合は速やかに医師へ相談しましょう。
なお未成年の男性には有効性や安全性が確認されていないため服用が禁じられており、妊婦も服用や接触が固く禁じられています。また副作用ではありませんが、以下の治療薬には「効果が出るまで数か月を要する」・「成長サイクル正常化の前兆としてまとまった脱毛をすることがある」という共通の注意点があります。

ザガーロ

ザガーロカプセルはデュタステリドを有効成分としたAGA治療薬であり、プロペシアに次いで多く使用されている薬です。プロペシアよりも強力な効果が期待できる反面副作用の報告件数も多くなっており、またプロペシアより高価です。
投薬治療を希望している場合にプロペシアとザガーロのどちらを使用するかはひとそれぞれといえます。AGA治療薬としての効果・副作用のリスク・さらには治療期間を踏まえたご自身の予算により判断するとよいでしょう。

ミノキシジル

塗り薬として知られているミノキシジルですが、医師により内服薬を処方してもらうことが可能です。ミノキシジルには血管を拡張する効果があるとされていますが、同時に発毛を促す因子を生み出し毛髪の成長サイクルを延長させます。また発毛のために必要な細胞を増殖させたり死滅を抑制したりといった働きにより発毛の促進が期待できます。
副作用としてはこちらも低確率ながら動悸・息切れや頭痛・めまいのほか手足や顔のむくみ・肝機能障害・心疾患などが報告されていますので、ご自身の体調には十分に注意を払ってください。

投薬以外のAGAの治療方法

中年男性
「AGA治療は内服薬による治療が基本」とお伝えしましたが、もちろんその他の方法も存在します。検査やカウンセリングにより投薬治療が適さないと判断された方はもちろんですが、より高い効果を得るために投薬治療と併用する場合もありますので医師の指導のもと検討してください。

外用薬

AGA治療における外用薬とは、ほぼミノキシジル塗り薬のことを指すと考えて差し支えありません。その名の通り頭皮に直接塗布することにより効果を期待するタイプの薬で、副作用としては塗布部分の発疹やかゆみが発生する可能性があります。内服薬に比べ効果が薄い反面副作用も少ないという特徴があり、前述したプロペシアやザガーロなどと併用することも可能です。

メソセラピー

メソセラピーとは薬剤成分を頭皮に直接注入する治療方法です。体内に吸収された有効成分が血液により頭皮に届けられる投薬治療に対し、効果が早期に出やすいことがメリットとして挙げられます。
前述したプロペシアやザガーロの成分のほか各種ビタミン・亜鉛などクリニックによってさまざまに配合された有効成分を頭皮へ一度に注入できる点も優れています。注入する方法は注射器のほか針付きのローラー・炭酸ガス・レーザー照射などクリニックによってさまざまです。
デメリットとしては定期的な通院が必要なことや頭皮に赤みや腫れが出たり内出血といった副作用が確認されていること、比較的費用が高額になるという点です。「費用が高額になっても早期に成果が欲しい」といった方に適した治療方法だといえます。

自毛植毛

自毛植毛とは「後頭部や側頭部などのAGAの影響を受けにくい毛髪を皮膚組織ごと薄毛が気になる部分へ植えかえる」治療法です。「自身の毛髪なので拒絶反応や副作用がない」・「移植した毛髪は半永久的に生えかわり続ける」などのメリットがあるいっぽう、「費用が高額」「効果が出るまで約1年かかる」といったデメリットがあります。

AGAの検査を受けて自分に合う治療方法を見つけよう

確認する医師
ここまでご覧になって薄毛や脱毛のすべてがAGAだというわけではなく、さらにAGAと診断された後の治療法も非常に多岐にわたることがご理解頂けたと思います。繰り返しになりますが、AGAは早期診断・早期治療によってより大きな改善が見込まれる病気です。少しでも気になった方はまず一度検査を受け、医師と相談することによってご自分にあった治療法を見つけてください。
またAGA治療は多くの場合、長期間継続することにより効果があらわれてきます。治療のために割ける時間と労力、そして何より費用の問題で最後まで続けられなかった…などといったことのないよう事前にしっかり確認しておきましょう。

編集部まとめ

男性
薄毛や脱毛は成人男性の多くが抱える悩みであり、同時になかなか他人に相談しづらい悩みでもあります。

しかしだからといって放置したり効果が疑わしい市販薬で済ませたり、ましてや自己判断で薬を個人輸入して服用したりといった行為は成果が出ないばかりか思わぬトラブルに悩まされる危険をはらんでいます。

医師の判断と処方、そして治療中の継続的な経過観察こそがAGA克服の一番の近道ではないでしょうか。

この記事があなたの自信を取り戻す一助となれれば幸いです。

この記事の監修医師